TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

リースに葉ものを加える

2023-12-17 18:06:56 | インテリア

12月を前に針葉樹を束ねては巻き付けていくあの感覚が恋しくなった。
慌ただしさが加速するこの時期、モミの香りに包まれて無心になれる時間は何にも代えがたい。
とは言っても、一年に一回なので上達しているはずはなく、
どうやるんだったっけ、とまずは記憶を辿る。
昨年教わったローラン・ボーニッシュ先生の、
すべての素材をまずは人差し指の親指側の付け根くらいの長さで切り揃えること、
ヴォリュームを出したいときにはヒムロ(スギ)、などの声がよみがえってきた。

今年のチャレンジは葉ものを加えたこと。
薄いグリーンはユーカリグロブルス。丸い葉のユーカリよりも馴染みやすいと感じる。
下の写真はグレビレア。表裏の色のコントラストが絶妙で、
先っぽの尖がり具合とシンクロさせるために赤系は唐辛子を択んだ。
植物の組み合わせを考えるのは最高に贅沢でクリエイティブな時間。

平面にして飾ったトップの写真は実は失敗作で、
個々の素材を切るとき、枝と葉のバランスが一番整ってみえる箇所でハサミを入れたい誘惑に駆られた。
その結果、束ねていくといびつな円形になってしまった。
やはりパーツを一定の長さに揃えておくのは重要なのである。
中央にキャンドルを置いて、テーブルアレンジとしてリカバリー。


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12月のイベント ~ リピートと新規と

2022-12-19 00:03:39 | インテリア

11月の早いうちから白熱球のイルミネーションを探し始めたものの、
ネットを検索しても秋葉原の専門店に立ち寄ってもなかなか見つからない。
オレゴンでDebbyさんから譲り受けたものは半分点かなくなって、
これは親玉を交換する必要あり、ただその電球自体が入手困難であるということも判った。
何度も言うようだがLEDのイルミネーションには魅かれない。

そうこうしているうちに12月を迎え、
これも早々と予約していたリース教室の日がやって来た。
昨年はスワッグをほぼ自己流で束ねたが、
今年は田園調布の教室に足を運んでみることにしたのである。
その日は朝から曇りで、午後には小雨の入り混じる実に12月らしいお天気だった。
フランス人の先生のグループレッスンをかみさんと受けると、2つ衝撃的なことがあった。
太めの枝を一箇所あしらっていたところ、美的ではないと指摘された。
シナモンの飾りつけのイメージだったのだが...
また終了後「同じ素材を巻いても一人ひとり違った作品ができるのが面白いところですね」と持ちかけると、
先生は溜息とともに眉をひそめ「それが問題なのです」と。
どうやら個性を発揮するよりも、お手本に近ければ近いほどよい作品という定義のようだ。

先週は会社のピアノ・サークルで悲愴ソナタを演奏した。
実に中学生のとき以来のベートーヴェン。
仲間の一人に触発されて選曲を思い立ったのが今年の夏頃。
第3楽章はひるまずにという目標のもと、アレグロのスピードで何とか弾き切った。

大好きな12月をとことん味わいたくて、
イルミネーションも針葉樹の香りもピアノの会もここ数年の恒例になっている。
ただ不思議なもので、リピートしたいと思った楽しいイベントや出来事は、
初回の印象を上回ることにはならいことが多い。
その意味において、今週末聴きに行く第九は初めての試みなので期待が高まる。
ソリストや合唱が総出することでも豪華な第九は12月の風物詩。
来年以降の恒例に加わったとしても、今年には敵わないのだとしたら尚更大切な時間にしたい。
バリトンの青戸 知さんが楽しみだ。
ベートーヴェンに縁のあった2022年、そのイヤーエンドに向けてさらに加速する。


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別世界的名店 Vol. 11 ~ 銀座・ルカ スカンジナビア

2022-06-16 23:23:38 | インテリア
北欧のヴィンテージ家具を扱う専門店はいくつか存在するものの、
ルカ スカンジナビアほどにアートや工芸も充実しているところを他に知らない。
フィン・ユールの椅子の優美な曲線にも、クリスチャンボーシャンデリアの温もりにも惹かれるが、
お店のホームページにアクセスする度にまず目が行くのは絵画である。
オーナーさんの審美眼にかなったデンマークの画家が何名かいて、
同国の20世紀絵画史の一部はこの店が日本に紹介していると言っても過言ではない。
その画家が生涯にどのような作品を残したのか、どのように作風が変遷していったのかなど、
芸術学的な興味までもが自然と湧き上がって来るのである。
 
そして遂に、1950年代の油彩作品を買い求める日が来た。
絵画をしかも銀座で購入するというのは、特別な体験。
数年前に青山の骨董通りから銀座へ移転したときは、やはり敷居が高くなったように感じた。
しかしながら、ウィンドウ越しに店内を眺められるのは路面店だからこそで、
金箔のフレームに収まった絵画の存在感は画廊の多いこの街に相応しい。
家具や照明との調和によってアートの輝きはさらに増して、別世界を醸し出している。
 
夏至近くの明るい夕方、絵を携えながら銀座をあとにした。
遅くなる日没にロシアと対峙している北欧が脳裏を過った。
 
 
2022年8月追記:
ロードショーで北欧の映画2本と出合う。
『わたしは最悪。』はオスロが舞台。緑の多い街並みが印象に残った。
『魂のまなざし』はフィンランドの国民的画家・ヘレン・シャルフベックを描いた作品。
久々にリピートで2度鑑賞、2015年上野と2016年葉山の展覧会をなぜ気付かずにいたのだろうか。
映画から先に入ったことで焼き付けられたのは、キャンバスを擦る技法。
画集を開いても摩擦音が蘇って来るほどに、音声が徹底して拾われていた。

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ワイルドなスワッグ

2021-12-24 23:51:51 | インテリア
束ねた持ち手の部分もそのままにワイルドなスワッグに仕上がった。
丈は約1.2メートル、山小屋のロッジに下がっているイメージ。
リボンなどの装飾は施さず、森の中でたった今集めてきた感じを出そうとした。
スワッグ作りは素材選びが肝要である。
卸価格で量を扱っている花材屋では、まるで宝探しのようにシンメトリーの枝ぶりを探した。
クジャクヒバと赤い実のヒイラギを軸に、モミやヒムロスギを重ねていく。
立体感が不足したので数日後にジュニパーベリーの枝を買い足した。
ジンの香りづけでも知られるこの植物は、12月の匂いがする。


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リフォームでやってみたかったこと Vol. 2 ~ 壁の色を変えてみる

2021-11-15 00:31:49 | インテリア
ペールブルーは魔法の壁紙。
とりわけ北欧アイテムとの相性は抜群で、白の背景より断然いい。
ビーハイブを吊るせばインテリア雑誌の表紙ができあがる。
オレゴンから取り寄せたブドウのポスターとも調和して
この一面は我が家のお気に入りコーナーとなった。

ところで、拙ブログにおいて魔法が登場するのは「乗り継ぎ便の魔法」以来。
魔法三部作は何をテーマに完結させようか。

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リフォームでやってみたかったこと Vol. 1 ~ キッチンの壁をタイルに

2020-07-24 20:24:58 | インテリア
キッチンとサブウェイタイルの相性は抜群であるものの、
カフェなどであまりにも目にするようになったので別のものを追い求めたくなった。
ショールームに足を運んでもデジタルのカタログを読み漁っても
ついつい目が行くのは色鮮やかなタイルである。
なかでも「ブルーマーレ」というイタリア製の青いタイルにはすっかり魅せられた。
有元葉子氏お薦めのオリーブ色もさすがは料理の雰囲気とフィットしていた。
しかしながら、キッチンは清潔感も大事です、というリフォーム会社のアドバイスに賛同して、
色味は結局ホワイトに落ち着いた。

名古屋モザイク工業社のディフミーナ。
ダイヤ形で縦の寸法は約26cm、これを若葉マークのように並べてもらうことにした。
大ぶりなので、細密とは反対の大らかな雰囲気につながることを期待したのだが、
主張するデザイン故に内覧の際はどきどきしたものだ。
光の反射といい、コンケーブ(凹み)が生み出す陰影といい、
コンタクトを外しても分かるほどに表情豊かである。
ピース自体は同じ形状であっても、配置のパターンで異なる雰囲気にできるのはタイルの面白いところ。
目地の色でも印象を変えられるという。

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北欧の照明 ~ アルヴァ・アールトの「ビーハイブ」

2016-03-26 01:56:18 | インテリア
最初に魅かれたのは金色のスリット。
アルヴァ・アールト(ALVAR AALTO)というAの強い呪文めいた名前ともあいまって、
アラブのスークに並んでいるのを連想してしまった。
姉妹品と呼んでよいものか、「ゴールデンベル」というシリーズはさらにエキゾチシズムが色濃い。

この金色は、昼間の方が若干派手である。
鏡のように室内を映し出したり、戸外の明るさを反射させる。
一方の夜は、内側から照らされるがため抑制が効いて、層になったスリットから漏れる光は上品で静謐。
そっと佇んでいる印象なのである。
巨大な蜂の巣をモチーフにしているためヴォリュームもあるのだが、それも気にならない。
大き過ぎたら、目立ち過ぎたら、という心配は完全な杞憂に終わった。

低い光源は親密な雰囲気を作るという。
ペンダントタイプの照明を食卓に用いるのはインテリアのセオリー。
しかしながら頭をぶつける場所でさえなければ、ダイニング以外にも吊り下げてみたい。
アールトの「ゴールデンベル」にルイス・ポールセンの「PH 2/1 ステム・フィティング」。
椅子と同様、照明は北欧デザインの独壇場である。

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PHアーティチョーク@洗足学園音楽大学 シルバーマウンテン

2013-10-27 14:28:15 | インテリア
新しくオープンした洗足学園音楽大学のホール、シルバーマウンテン(川崎市高津区)。
オープニングプログラムに出演するという大学の先輩から案内が届いた。
演奏会への期待を膨らませながら足を運んだところ、期せずしてホールロビーの照明に胸が躍った。
北欧の大型ペンダントが4つ、ガラス越しに独創的な光を放っていたのである。
場所を変えながら見上げると、深海で発光する海洋生物のように見えたり、
漆黒の宇宙に浮かんだ惑星(しかも直列!)のようにも映る。
複数並んでいることでインパクトが増強され、イマジネーションは一段と掻き立てられるのであった。
家に戻って調べると、ルイス・ポールセン作の「PHアーティチョーク」なり。
そう言えばそんな名前であったことを思い出す。
自然界の造形をモチーフにするのはデザインの常套とは言え、アーティチョークに目を付けたとは…
微妙にカーブした羽根の数は何と72枚。
所謂シンプルなデザインという訳ではないものの、シャンデリアのような装飾過多とは一線を画し、モダンで洗練されている。
ポールセン・ファンには必見と言えよう。

このホールは3層の造りになっていて、
同じ時間帯に上階ではトランペット、グランドフロアでは2台ピアノ、地階ではサクソフォーン四重奏のプログラムが展開されていた。
のだめのロケ地効果もあるのか、音大らしい活気が存分に伝わってくる。
お目当ての2台ピアノは、没後50周年にちなんだプーランクの特集。
中央に向かい合って置かれたピアノを360度ぐるっと囲むように客席が配置されていて、演奏者との距離がとても近い。
大曲になればなるほど肩、腕、指先とまるでアスリートの動きを見るようで、
卒業後も一日として欠かすことなく積み重ねられてきたであろう研鑽にただただ頭の下がる思いであった。

明るいうちに着けば、ホールの外観ほか、キャンパス内の凝った校舎群も眺められたに違いない。
役名は忘れたが、コントラバスを背負った小柄なサエコ。
上の階から見下ろすと黒いケースが歩いているように見えるという
のだめのワンシーンがふとよみがえった。

http://www.senzoku.ac.jp/smc/

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北欧のチェア ~ ナナ・ディッツェルの「トリニダード・チェア」

2010-01-09 14:40:52 | インテリア
通っていた大学では、建築科の友人が椅子を制作していた。
確か一年生に課せられる恒例の課題であったと記憶している。
当時はなんとも思わなかったのだが、
様々な雑誌で椅子が特集され、北欧家具の人気が日本でもここまで定着してくると、
これは建築家を志す学生にとってかなり粋な課題だったのではないかとふと思い返された。
北欧のインテリアデザイナーは建築家としての教育も受けると聞く。
家具は家の一部。家というビッグスケールの空間デザインを学んで初めて、
インテリアというスモールスケールでのデザインが可能になるという考えに基づくらしい。
建築科学生による椅子制作は、美術系の建築科ならではの逆パターンといったところか。

さて、社会人になってからの一人暮らしで割と最初に購入したのが
ナナ・ディッツェルのトリニダード・チェア。
あまたある椅子のなかから惹かれた理由は、座り心地以外では背の部分のデザインにあった。
すなわち、優美な丸みと、扇状に細長くくり貫かれた穴である。
デンマーク出身の女性デザイナー、ナナ・ディッツェル(1923-2005)のデザインは、
貝殻や蝶など自然界のかたちを源にしていることが多い。
トリニダード・チェアは中米のトリニダードの街で見かけた
ジンジャーブレッドの型抜きにインスピレーションを受けたとされるが、
雑誌で読んだ彼女のインタビューが事前にインプットされていたせいか
R. I. にはそれが放射状に広がる椰子やニューサイランの葉のように感じられた。

ある晩、「ねえ、ほら見て」とかみさん。
ダイニングの壁に写真のような影が映し出されているではないか。
二方向からのハロゲンランプを受けて織りなされた美しい影模様。
思えば“光”もまた北欧が得意とする分野の一つである。
椅子同様、照明にも無数の傑作がひしめいていて、
部屋のなかに陰翳のグラデーションを作り出すセンスにおいては他の追随を許さない。
長く暗い冬ゆえ室内に目が向けられて発展してきたと言われる北欧のデザイン。
トリニダード・チェアをくぐり抜けた光と影にその感性を見た。

参考文献: 雑誌『pen』1999年10月号No.33「北欧 男たちのスタイル」、TBSブリタニカ

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IKEAのツリー ~ 新居で迎えるクリスマス

2009-01-10 12:41:43 | インテリア

子供の頃、本物のモミノキを近所の園芸店で買ってもらった記憶から、
IKEAでそれが手に入ると知ったとき、これはゲットするしかないと即行動に移した。
今年は新居で迎える初めてのクリスマス。
ミンモの思い出の片隅にモミノキの香りや手触りを残すことができたらなんてすてきなことだろう、そう考えたのだ。
しかし会社帰りIKEAに寄った日を境にパパは風邪をこじらせてしまい、
オーナメントやイルミネーション選びはママに一任することに。
本当は品川のプリンツヒェン・ガルテンあたりでこだわりの飾りを見つけて、
ツリーをまるごとプロデュースしたかったのだが...
でもママは近所のお店で必要なものをてきぱきとセンスよく買い揃えていった。
ある病院帰りの日、ママは偶然に好みのオーナメントを見つけたらしい。
パパとミンモがお散歩中にそれらを飾り付けて驚かせようとしたところ、
あいにく庭先からミンモに目撃されてしまった。
イルミネーションは青と白のLED。
それぞれのライトに四角やハート型の白いプラスチックが被せてあって、灯ると丸くやさしい光になった。
リビング越しにテラスのイルミネーションを眺めるのは至福の時間。
そういえば子供のときに寄ったその園芸店では、
車のキーをアウトロックしてしまったせいで
開錠にこぎつけるまでの間、長いこと寒風に吹かれながら待つことになった。
そんな思い出もふと蘇ってくる。
さあ、あとはミンモがサンタさんにリクエストした自転車を、ツリーの横にさりげなく置くだけだ。
クリスマス・イヴにサンタの筆跡でどんなメッセージを添えようか。
(2008年12月の思い出)


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