TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

人生2度目のスキー

2011-05-29 11:17:04 | 子育て
ウィンタースポーツへの憧憬は人一倍強いはずが、
専ら観戦ばかりで実際にスキーやスケートをやることはこれまでほとんどなかった。
しかし、この春人生2度目のスキーを満喫した。
スケート同様子供に体験させたいと思って
親である自分がやらせてもらっているパターン。
早々と予約を済ませていたものの、前の週に大震災が発生し、
スキーを楽しんでいる場合か? 余震の心配は? などとさんざん迷ったが、
通常の経済活動がストップすると復興もままならないであろうこと、
もともとミンモの卒園旅行として企画したものでもあったので、
予定どおり出掛けることに決めた。

往きの特急あずさは計画停電により甲府までしか走っておらず、
目的地の小淵沢には在来線に乗り換えて辿り着く。
案の定、宿もスキー場もガラガラ。
スキー教室はグループレッスンを申し込んだのに結果マンツーマンとなった。
インストラクターは県境を超えた長野在住の方で、
小学校から冬の体育はスキーとスケートだったというから羨ましい。
10年前に一度体験して以来と申告し、
ストックは使わずにボーゲンでS字滑走するのを2時間みっちりと教わった。
顔を上げて行きたい方向を見ること(何かにぶつかると思ったらまずそこから目を逸らす、コレ納得)、
斜面に対し身体を外側に倒すこと、
カーヴするときの太腿の力の入れ具合、といったところがポイントで、
曲がる向きによって左右異なる太腿の内側に力を入れると、
グンと加速する感覚がたまらない。
それは車のアクセルを踏むのと違って、身体のもっと深いところに共鳴する一体感。

1時間経ったころ、子供のグループに参加していたミンモを見つけて仰天した。
今日が初めてというのに急斜面を勢いよく滑降しているのである。
恐怖の二文字はどこにも無いようだ。
「子供は早いですよ」と先生。
経験者のかみさんは言うに及ばず、ここでもビリは...

ちなみに1回目のスキーは蔵王。
こちらもスケート同様仙台駐在中に職場で誘われた。
いきなりリフトでてっぺんまで連れて行かれ、
ジグザグジグザグふもとに戻ってきたときには日も暮れてナイターになっていたと
いまだに当時の先輩からからかわれるのであるが、
晴天をバックに名物の樹氷を見られたことは
何気にいい思い出だったりもする。

スノーシューイングで動物の足跡を見つけたり、
雪の峰々が夕映えに染まるのをただぼーっと眺めたり、
そんな冬のホリデーを毎年過ごすことができたらきっと幸せだろう。
白の世界を加速する感覚に来年もまた出会えますように。
(2011年3月の思い出)

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白のモッコウバラ一重咲き

2011-05-22 09:38:39 | ガーデニング
モッコウバラには4種類あるらしい。
花が薄黄の八重、薄黄の一重、白の八重、白の一重。
白は香りがあるのと、八重は満開時やや鬱陶しく感じることから、
ずっと白の一重咲きを探していた。
ところが園芸店の主流は薄黄の八重。
今年もゴールデンウィークを過ぎて諦めていたところ、
先週末二子玉川のプロトリーフに二鉢あるのを偶然見つけた。
しかも蕾をたくさん付けているではないか。
店員さんに確認すると、一重は咲くのが遅いんですかね、と頼りない返答。
何はともあれこの出会いはラッキーとしか言いようがない。
香りが梅に似ているという人がいるが、花びらのかたちや雄しべの黄色もそれに近いものを感じる。
オベリスクへ誘引すると、庭にフォーカルポイントが完成した。

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3月と4月の間に横たわる溝 ~ 入学式をめぐって

2011-05-08 09:38:19 | 子育て
ハレの日と言えば、ここのところ真っ先に結婚式を思い浮かべるようになっていた。
しかしながら入学式もそれに勝るとも劣らぬ日であることを、
子供の小学校入学によって思い出させられた。
この日を無事に迎えられたこと、成長の区切り、未来への希望...
そういったものが渾然一体となって輝いている。
なぜランドセルを買わなくてはならないのだろうという一抹の疑問には結局逆らえず、
ジイジバアバからプレゼントしてもらうことになった。
その理由に辿り着いたのは入学式の朝。
きっとランドセルは、ピカピカの一年生の象徴なのである。
花嫁の衣裳が白いドレスであるのと同じように。

当日は門を入ったところでクラス分けのプリントを受け取り、
ドキドキする間もなく1年◯組になることを知らされた。
受付で用意されていた名札を付けると、下駄箱前には高学年のお姉さん。
それぞれの教室までアテンドしてくれるというから驚いた。
我々の頃にはこんな風に行き届いていただろうか。
そこから父母は体育館で待機という流れ。
紙花のゲートをくぐっての入場も、新2年生によるピアニカ演奏も、
すべてがwell-organizedされていて
何よりも歓迎されているのが伝わってきた入学式。

ふと3月と4月の間に横たわる溝について思いを巡らせる。
節目の年はここを境に状況が一変し、新しい世界に身を置くことになる。
つい先日卒園式で一緒だった子供たちも、
今頃はそれぞれの学校で入学式を迎えているに違いない。
数日後、原発の影響で見知らぬ土地の小学校に入学した新一年生のニュースが目に飛び込んできた。
未曾有の大震災により、その溝がこれまでになく深いものとなってしまったことを改めて知る。

妹の国際結婚(3月5日)~東日本大震災(3月11日)~卒園式(3月17日)~入学式(4月6日)。
この春はいろんなことが起こり過ぎた。
当たり前のことなど何もない。
出勤時間と登校時間がたまたま重なり、娘と一緒に家を出る毎日。
だからこそ目と鼻の先にある小学校までの短い道のりを大切にしようと思う。

満開の 八重に溶けゆく ランドセル

4月の或る朝~
門の先にたわわに咲いた八重桜。
ピンクのランドセルを背負った娘の後姿は、
そのなかへ吸い込まれるかのように進んでいった。

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