TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

渡米1年半後の英語力

2014-04-29 00:10:59 | 子育て
北米に渡って1年半後。
年末年始に会ったとき、ミンモの英語の上達ぶりには驚かされた。
たいていはノップ(Nop)・ヤップ(Yap)・アイドンケア~~(I don't care)の口ぐせ3点セットなのだが(笑)、
9歳にしてwritingは中学生レベルを上回っていたし、
一番おぼつかなかったspeakingもすでに問題なし。
なかでもreadingが伸びていた。

市の図書館で一度に20冊近くを借りて、手提げいっぱいに持ち帰る。
司書のHadelyさんとの出会いに助けられているようだ。
ミンモの好みを確かめながら、こんなのはどう?と次から次に本を薦めてくれる。
目をキラキラ輝かせながら対話をしているミンモ。
よほど相性がいいのか、こんなに子供を引きつけられるとはただ者でない。
図書カードか何だかにいい言葉が書いてあったよね、とスカイプでミンモに確認してみると、
The more you read, the more you know.
The more you know, the smarter you grow.
とスラスラ返ってきた。

日本では47都道府県を覚えるように、アメリカの小学生は全米50州を暗記する。
地理が得意なパパと紙に書き出しては競争した。
パパはときどきカタカナで濁したけど、ミンモは “Mississippi” のようなクセのある綴りも正確に書けていたね。
お正月でもうひと息だったから今頃はパーフェクトかな。

ところで、英語の上達と引換えに漢字をきれいさっぱり忘れていた!
ひらがなの「あ」さえもなんだか変。
それだけ現地の小学校でどっぷり英語に浸かっているのだろう。
今日はスカイプで元気いっぱいに♪「Let It Go」を歌ってくれた。
“Frozen” “Frozen” って何のことかと思ったら、『アナと雪の女王』の原題なんだ。

春が通り過ぎていく

2014-04-26 01:06:00 | ガーデニング
チューリップの花びらが落ちた。
また一つ春が通り過ぎていく。
モクレン、桜、ハナミズキ...花の終わりが知らしめる季節のスピード。
4月はいつも足早だ。

レッドロビンの新芽は燃えているかのような勢い。
少し前まで庭のレッドといえば寒気に色づいた多肉だった。
赤のバトンはプランターの多肉から垣根のロビンヘ。

暦どおり雨となった先週末。
「穀雨」、すなわち穀物の成長を助ける雨は木々の新緑をも潤して、
ケヤキの若葉はすでに空間を遮るほどに成長している。

チューリップはシャーリーに限ると改めて確信した。
花が薄いクリーム色から無垢な白へ、そして淡い紫へと移ろう姿に日々惹きつけられる。

気掛かりなのがモッコウバラ
昨年も一昨年も花芽を付けなかった。
今年こそは白い可憐な花を咲かせてくれるだろうか。

別世界的名店 Vol. 6 ~ 青森・BAR港屋

2014-04-19 15:30:08 | グルメ
人間が営む以上、名店にも終わりは訪れる。
青森駅にほど近い港屋は、いつかまた寄りたいと思い続けていたBAR。
2012年4月をもって閉店したことを知る。

東京に転勤が決まったとき、取引先の店長が連れて行ってくれた。
おそらくとっておきのBARであったに違いない。
10年以上も前で記憶はおぼろげ、
それでも流れていた音楽がマーラーのアダージェットだと気付いたときの衝撃は今でもはっきり憶えている。
船の中のBARをイメージしたという別世界的な空間。
弦の響きが異国の海原へと誘った。

マスターは矢野顕子の実弟。
実家は開業医で、なんと医院のビルの2階がBARになっていた。
もう一度あの意外性たっぷりの場所で漂いたかったと思うのである。
記念に持ち帰ったはずのロゴ入りコースターがどうしても見つからない。

オレゴンのグルメ Vol. 2 ~ ユージーンのタイ料理 “TA RA RIN”

2014-04-08 23:56:37 | 旅行
アメリカの小都市でこんな味に出会えるとは思ってもみなかった。
絶品のタイ料理店 “TA RA RIN” はユージーン市のほぼ中心部にある。
甘み、酸味、辛味…どれを取っても洗練されていて、一言で言うならば味がいい。
写真は前菜として注文したMiang Kum Salad。
レタスやほうれん草でココナッツフレーク、生姜、干しエビ、ライム、オニオン、ピーナッツ、チリなどを包んで、
自家製のソース(homemade Thai sweet herbal sauce)を付けて食べるというもの。
日本人スタッフの話によるとソースは厨房の奥で作られていて秘伝なのだとか。
どのお皿も彩り豊かな盛り付けが美しい。
ファミリーレストランのような店の作りに広い駐車場も完備されている。

http://tararinthai.com/

オレゴンのグルメ Vol. 1 ~ コーストのシーフード “Mo's”

2014-04-06 13:16:53 | 旅行
発音すると「モウズ」。
モウというのが強調される感じで、ミンモが地元の人の発音をまねてはケタケタ笑っている。
オレゴンコーストへ一泊二日の小旅行。
一泊目のディナーですっかりファンになり、翌日のブランチにディナーと滞在中の食事はすべてMo'sを目指した。
北のキャノンビーチから南はフローレンスまで、コースト沿いに計6店舗を構えているのである。

名物のクラムチャウダーも、レモンを絞って溶けたバターと絡めるカニもすばらしかったが、
No.1はブランチに空腹で頬張ったシーフードサンドウィッチ(写真)。
ツナ、シュリンプ、カニの3種が小型の丸いパンにそれぞれたっぷりと挟まれている。
ビール代わりのジンジャーエールともよく合った。
クラムチャウダーは遊説の合間に訪れたケネディ大統領もいたく気に入ったそう。
料理人(Moさん)をロスへ同行させようとしたものの丁重に断られ、
バケツで2杯持ち帰ったというエピソード付き。

http://www.moschowder.com

トリプルアクセルのバトンはラフマニノフに乗って

2014-04-01 23:15:51 | フィギュアスケート
さすがは大技、トリプルアクセルが決まると氷上でカラットの大きな宝石が輝いたかのよう。
ショートの衣装ならアメシスト、フリーなら群青のサファイヤといったところか。
世界選手権@さいたまの浅田真央、ノクターンの録画をもう何度リピートしたことだろう。

成功から遠ざかっていたときはリスクが高過ぎるのではと気を揉んでしまったが、
ピタッと着氷するととてつもなく魅力的である。
フィギュアのジャンプのなかで唯一前向きに踏み切るため、回転力や飛距離を得やすく、豪快にして華麗。
「このジャンプを失いたくなかった」と語る浅田自身こそが、誰よりもトリプルアクセルに魅了されているのに違いない。
高難度ジャンプへの挑戦をまるで罰ゲームのように回転不足で減点する採点システムのなかで、
よくも挫折することなく跳び続けてきたと思う。
しかもフォームが以前より明らかによくなった。
跳ぶ前の姿勢、着氷後の流れ、希少な宝石にはさらに磨きがかかっている。

女子のトリプルアクセルと言えば、先駆者は伊藤みどりである。
1992年のアルベールビル五輪で鮮やかに決めたシーンは、今でもR. I. の脳裏に焼きついていて離れない。
感動のあまり手に入れたラフマニノフ・ピアノ協奏曲全集のCDは、ハイティンク指揮、アシュケナージのピアノだった。
フリーの音源は前半に第1番の第1楽章、後半に第2番の第3楽章をつないだもの。
ショートではトリプルアクセルを回避、安全策にしたはずのルッツで転倒して出遅れていた。
フリーは冒頭で起死回生を狙うも失敗、しかしながら後半再び果敢にチャレンジして、
曲のクライマックスとともにまるでお手本のようにクルクルクルクルピタッと成功させたから余計に感動したのである。

あれから22年の年月が流れて2014年。
ソチ五輪シーズンのフリーを浅田真央は第2番の第1楽章で戦ってきた。
トリプルアクセルのバトンは再びラフマニノフのピアノコンチェルトに乗って
ともに山田満知子コーチの元でスケートを始めた伊藤から浅田へと引き継がれ、
この先伝説となるであろうまさに記憶に残る演技がソチで花開いたのは何と意義深いことなのだろう。
弧を描くレイバックのイナバウアーが仙台の荒川静香から羽生結弦に継承されたのも然り、
今の日本のフィギュアの隆盛は、そんないくつものバトンが交差してできあがっている。

またしても名古屋では、大庭雅がトリプルアクセルの習得に励んでいると聞いた。
女子で跳ぶ選手が少ないのはそれだけ難しい技であるからに他ならないものの、
男子の4回転がバンクーバー五輪以降普及して上位に食い込むには必須となったことを考えれば、
躍進著しいロシア女子あたりから後継者が現れる可能性も十分に考えられよう。

ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番第1楽章を聴いて、もう一つ思い出さずにはいられないプログラムがある。
それは1994年のリレハンメル五輪、ペアで銀メダルを獲得したロシアのミシュクテノク&ドミトリエフ組のフリー。
浅田の振付けと同じく、一番盛り上がる終盤は片足を大きく振り上げてのステップから始まった。
R. I. がこの楽章から感じるのは物憂げな世界。
それがドラマティックに遺憾なく表現されていて心を奪われた。
リレハンメルはペアとアイスダンスの魅力に開眼したという点でも強く印象に残っている五輪である。
次のエントリーではそのあたりも振り返ってみたい。