数年前に参加したマインドフルネスの研修では、
冒頭でチョコレートが配られて、3分掛けて口の中で噛まずに溶かしていきましょうと、
その間すべての意識をそこに向けるという体験から始まった。
カルヴァドスを飲みながらボナイユート チョコレートを味わう行為はそれに似ている。
鼻腔口腔を刺激する40度のパンチを、ときにチョコレートでかわしながらじっくりと味わうのである。
「アンティーカ・ドルチェリーア・ボナイユート」はシチリア南東部・モディカにある老舗のチョコレート店。
シチリアがスペイン王国の統治下にあった16世紀頃、
アステカ帝国で薬として食されていたチョコレートのレシピとカカオが持ちこまれ、
古式ゆかしい製法が今も守り続けられているというから驚きである。
口溶けよくするためのレシチン(乳化剤)やバターを使わないため、
砂糖の粒子が残って独特のシャリシャリとした食感が生まれるという。
その粗さをカルヴァドスが徐々に侵食していく感覚がたまらない。
輸入元のサイトには約20種にも及ぶカラフルなパッケージが紹介されており、
フレーバーの元となる果実や植物などの図案が目を引く。
マンダリンオレンジ、レモン、ジンジャーと3種類を試したところで
カルヴァドスのボトルは空になる日が見えてきた。
参考URL: