TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

ニセコでスノーシュー 〜 雪の上の自由を手に入れる

2018-04-27 12:49:10 | 旅行
羊蹄山の麓にある半月湖まで、往復約2時間のスノーシューネイチャーツアーに参加した。
ゲレンデを離れてニセコの大自然に触れたいと思ったのである。

スノーシューを初めて履くと、甲の部分を固定して、踵は浮かせる仕組みになっていた。
巨大な草履のような形状が体重を分散させて、雪に沈まない。
いざ歩き始めると、分厚い雪に覆われた森の中は、好きなように歩き回れるという発見があった。
面白い模様の木の幹や、フリーズした植物が目に入ると、近づいてはシャッターを押す。
夏だとクマザサの茂みに邪魔されてこうはいかないだろう。
雪の上は自由に移動ができるんです、とガイドさん。
積もった雪の分、高い位置から眺められるのもスノーシューツアーならでは。

目的地の半月湖へ降りる頃、雪が舞い始めた。
パウダースノーの時期はとっくに過ぎているそうだが、それでも細かな美しい粒だった。
フードに落ちる雪の音を聞きながら、用意してもらった紅茶を湖面の端ですする。
湖は凍っているのではなく、雪が積もっている状態なのだとか。
あまり進むと保証はできませんよ、と言われてミンモは引き返してきた。
家族3人とガイドさん以外には誰もいない。

星野道夫はアラスカでの体験や古老の話を聞くうちに、
アラスカの原野に対するイメージが徐々に変わっていったという。
「人間の手つかずに残された、どこまでも広がる未踏の原野は、実はさまざまな人間が通り過ぎた、物語に満ちた原野だったのだ。」
星野道夫著『ノーザンライツ』(新潮社、2000年)
テニスのラケットのようなイヌイットのスノーシューを見たことがある。
雪に閉ざされる季節が長いからこそ、逆に自由な行き来が手に入ったのかもしれない。