TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

別世界的名店 Vol. 8 ~ ニセコ・Bar Gyu+(バーギュータス)

2019-01-20 13:24:19 | 旅行

瓶コーラの自販機の扉は思ったより低く、背を屈めなくてはならない。
その先には一間の待ち合いスペース。
吹雪を除けたり、コートを脱ぎ着するための部屋でもありながら、店内への期待をさらに膨らませる。
そんな仕掛けに感心しながら通されると、視界の先にライトアップされた木立が入ってきた。
カウンター越しの大きな窓の向こうに雪景色が広がっているのである。

ニセコのひらふエリアを歩くと高級で洗練された造りの宿泊施設や店舗が立ち並ぶ。
名だたる外資系ホテルのオープンもこのあと控えているという。
それらに比べるとバーギュータスの佇まいは簡素に見えるかもしれない。
しかしながら店内に流れるアナログレコードの質感そのままに、手作りの温もりと創意工夫に溢れている。
バブル的な狂騒が始まる以前から根っこを張っていたこの店で余市を味わうと、
北海道のニセコへはるばるやって来た実感に包まれる。


4月の一週目を過ぎる頃、このバーは長い休業に入る。
ニセコに世界中から観光客が押し寄せるのは冬。
春先には雪が溶けるかの如く賑わいが去って行く。
初めて訪ねたのはそんな時期だったが、自販機の扉を出ると街灯に名残雪が激しく舞っていた。

https://www.gyubar.com


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ニセコのパウダースノーを体験する

2019-01-13 21:22:20 | 旅行
晴れ間がのぞくと雪原にはゴンドラの影、行く手にはニセコアンヌプリ山の頂が姿を現した。
美しい二等辺三角形は、白いパテをへらで仕上げたかのよう。
モンブランに引けを取らないケーキのモチーフになり得ると思う。

ニセコで2度目となるスキーはヒルトンに滞在し、ホテル直結のニセコビレッジスキー場を満喫した。
プランに含まれていたリフト券がカバーするのはニセコビレッジのみ。
全山共通のリフト券だと前回滑ったニセコグラン・ヒラフスキー場やニセコHANAZONOスキー場まで足を延ばせるのだが、
ニセコビレッジのコースだけでも初心者には申し分ない。
ゴンドラに乗っては、だべさ〜エンチャンメント〜メイク・センス〜アンフォゲッダブルという初心者コースを滑り降りた。
その先はホテル方面へ戻る“ばんざい”か、スキー場の一番端を周る“クルーザー”というコースに分かれる。
クルーザーはすぐ隣に森が広がっていて落ち着いた雰囲気がいい。
人も少なめで積もったばかりの雪に最初の跡を残せる。

ニセコへはこの一年で3度リピートすることになった。
最初は昨年4月のスキー、夏もいいと言われて8月に再訪
その後移住願望まで芽生えたのとパウダースノーを体験したくて元旦に飛んだ。
“パウダー”は今やニセコの代名詞。
「powder life」というフリーマガジンがあったり、コーヒースタンドの出口に「THIS WAY OUT TO THE POWDER」と書かれていたり。
しかしながら30年来ニセコへ通い詰めているというスキーヤーから、ここ5年で雪が重くなっているという話を聞いた。
オーストラリア訛りの英語、中国語が飛び交う以前のニセコはどんなところだったのか。
それを彷彿とさせるバーがある。

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