TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

アトランティスのこころ

2013-06-23 17:15:09 | 映画
2002年公開の映画『アトランティスのこころ』。
観ようと思っているうちに10年以上も経っていた。
親友の訃報から子供時代の回想に入る冒頭も、大人の入り口に差し掛かった年頃を描いているところも、
『スタンド・バイ・ミー』を髣髴とさせる。

アンソニー・ホプキンズ演じる超能力をもった老人テッドは、ボビーという少年にこう言った。
「子供の頃は楽しいことがいっぱいで、まるで不思議の国にいるようだ。アトランティスのような。大人になると心は壊れてしまう。」
そしてボビーが近所の同級生キャロルにキスをすることになると予言した。
 テッド「(キャロルとは)キスしたか?」
 ボビー「まさか」
 テッド「そのうちきっとする」
 ボビー「やめてよ」
 テッド「ハハ、するさ。君の人生のすべてのキスは、そのキスには到底及ばないだろう」
その晩、お祭りで観覧車に乗った二人。
トラブルでストップしたタイミングにボビーはキスをした。
一瞬戸惑ったものの、「ねえ、もう一回」とキャロル。
地上に降りる前の束の間、あまりにもパーフェクトなシチュエーションのファースト・キスに
テッドの言葉の重みが増すというもの。

一人観終えてから、この夏9歳になるミンモを思い出さない訳にはいかなかった。
この映画に描かれている11歳はもうすぐそこまで迫っているではないか。
七五三を終えた頃から幼児の面影が徐々に消えていくのを感じていた。
北米の小学校に通わせているので成長は写真とスカイプから。
思い出について「老いるほどに鮮明に思い出すね」とアンソニー・ホプキンズ。
監督のスコット・ヒックスいわく「どんな人間の人生も記憶から成り立っている」。
みずみずしい時代の出来事が異国の地ですてきであるようにと、ただただ願わずにはいられない。

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別世界的名店 Vol. 5 ~ 南青山・ル・ベスベ

2013-06-13 08:10:22 | ショッピング
従妹の婚約式に花束を贈った。
特別な花となるとル・ベスベ。
結婚式の装花でお世話になって以来のファンである。
あのとき花の美しさ、そしてそれを引き出すセンスに確かに心を動かされた。
花のもつ造形が組合せによって何倍にも美しく見える不思議。

淡いピンクでブーケ風に小ぢんまりとと注文したところ、
かなりのヴォリュームに仕上がっていたのには驚いたが、
バラとクレマチスのハーモニーは完ぺきで期待を裏切らない。
ふわふわとした花は、きっとスズランの代わりに思えた。
予約のFAXを入れると電話がかかって来る。
そのとき、ホームベージに載っていたバラとスズランのイメージを伝えると、
スズランの季節は終わってしまって...と言われていたから。

雑誌にも登場する言わずと知れた有名店。
店主の高橋郁代さんの手に掛かると、花は新たな命を吹き込まれたかのようだ。
配達をお願いした今回、西麻布のビルの谷間にある店舗には寄りそこなってしまった。
そこはグリーンが忽然と生い茂る別世界的な佇まい。
共同経営者の松岡さんはお元気だろうか。

2013年11月追記:
先月妹が出産した。
病院に近いので寄ってみると、以前と変わらぬ懐かしい外観。
お祝いのアレンジをその場で作ってもらった。


2014年12月追記:
高橋郁代さん訃報の記事を偶然に見つける。
今年9月に59歳の若さでお亡くなりになったとのこと。
高橋さんが束ねた花を見ると目が留ってしまう、そして見入ってしまう。
まさに魅せられた一人でした。
とても悲しい。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。

http://www.levesuve.com/

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