TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

8月、夜明けのファンデフカ海峡を渡る

2013-09-07 14:39:23 | 旅行
北米西海岸のシアトル以北は多島の入り組んだ海岸線。
本土と島をつなぐ船のルートがいくつも存在する。
朝6時10分、カナダ・ビクトリア発のフェリーでファンデフカ海峡を渡り、海路で再び米国に入った。

8月でも明け方は肌寒い。
船内も冷え切っていたので車に戻って上着を探した。
衣類の袋からかみさんとミンモのフリースが運よくすぐに見つかった。
何度も実際にシュミレーションした甲斐あって、
ミニバンには電動自転車、スーツケースほかすべての家財がパズルのように収まっている。
一年過ごしたカナダを後に、今日からアメリカでの生活が始まる。
そう、今回の旅の目的は引っ越しのヘルプなのである。

視界の先にはワシントン州オリンピック半島の2,000メートル級の山々。
山頂付近に残っている僅かな雪が雲の合間から見えた。
そう言えば、晴れた日のカナダ側からの眺めはすばらしかった。
今日はその景色のなかへ少しずつ近づいていく。

ファンデフカ海峡。
ギリシャ人の水先案内人でこの地を航海したファン・デ・フカ(Juan de Fuca)の名にちなんで命名されたという。
つなげるとカッコいい名前だ。
そんな海峡を渡って国境を越えるというのは何だかわくわくした。
デッキの先端に立っては、ヒンヤリとした洋上の大気を何度も肺に送った。
ポートアンジェルスに到着するとまた長いドライブが始まる。


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Your journey starts here ~ シアトル・タコマ国際空港にて

2013-09-03 00:34:17 | 旅行
シアトル・タコマ国際空港のレンタカー・ファシリティは巨大だ。
専用のシャトルバスを降りると、レンタカー約10社のカウンターがまるで航空会社のように連なっている。
そして階下にはフロア毎に各社の車が収容されている仕組み。

日本から予約をした会社のカウンター。
係の女性はこう手書きして書類を渡してくれた。
Your journey starts here
3rd Level
3階へ行くと車が用意されています、と。
その文字は今回の旅がいよいよ本格的に始まろうとしていることを教えてくれた。
英語ならではのさりげない語感が心地いい。
日本語だと硬くなってしまう。
「あなたの旅はここから始まります」...

まず目指すはオリンピック半島のポートアンジェルス。
成田の出発が一時間半遅れ、シアトルの入国審査はシステムダウンで一時間以上待たされた。
17時20分のフェリーは難しそうだ。
ミニバンの車種を確認したり、シートの収納方法を教わっているうちにさらに時間を食って、
21時30分の最終になることはほぼ見えていた。
サマータイムでもさすがに暗くなっているに違いない。
その先は車ごとフェリーに乗り込んで、カナダのバンクーバー島へと渡る。

左ハンドルに右車線。
身が引き締まる思いで、Interstate Highway 5(通称アイファイブ)南下の流れに乗った。
片道5車線計10車線の大動脈。
もう完全に北米大陸の一隅に放り出されている。
それでも6年前に一度走った経験が、ほんの少し余裕を与えてくれた。
外は弱い雨。
時折カプチーノをすすりながら。


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