TONALITY OF LIFE

作曲家デビュー間近のR. I. が出会った
お気に入りの時間、空間、モノ・・・
その余韻を楽しむためのブログ

人生7回目のスキーは奥志賀で

2021-04-19 00:22:12 | 旅行

板に靴をはめるときのカチッという音にかつてないほど高揚した。
数えてみると2年ぶり、人生7回目のスキーである。
滑るという感覚を身体が無性に欲して奥志賀へ。
いつも初心者への後退を痛感するところからスタートするのが、
今回は一本目の滑走からインプットされているのが分かった。

リフトを乗り継ぐと、山並みの後方に新たな白銀の峰々が現れる。
まるで壁のような連なりもあれば、尖った山容も顔を見せるのが信州ならではの山岳風景。
蝦夷富士ことニセコ・羊蹄山のファンになってから久しいものの、
本州の強靭な背骨を感じさせるスケールに思わず息をのんだ。


この冬は日本各地で記録的な降雪のニュースを耳にしたが、
3月に入ってからは溶けるスピードが速いという。
信州中野ICを下りてから奥志賀へと向かう路面も雪は残っていなかった。
二日目と四日目は天気もよく春スキーならではの汗をかいた。
初日に雪が舞ったのはラッキー、三日目は強風でリフトが動かず落胆したが、
膝や太腿を休めることができたのは逆によかったかもしれない。
最後の日はいつも限界へと突き進む。

http://www.okushiga.jp/skiresort/


別世界的名店 Vol. 10 ~ 奥志賀高原・BAR ALPINA

2021-04-10 17:40:33 | 旅行

暖炉こそ冬の最高のもてなしだと思う。
まるでセンターステージのように鎮座するのは奥志賀高原ホテルのラウンジ。
その炎を眺め、薪のはぜる音に耳を傾けるだけでも訪れる価値があろうというもの。

スキーリゾートが大衆のものではなかった時代からの歴史を持つホテル。
点在する多角形の空間は、「雪の結晶をモチーフにしているらしいです」と館内のフレンチで聞いてから
一体誰が設計したのだろうと気になった。
すぐに平島二郎(1929-1998)という建築家の代表作であることを見つけると、
作品リストには母校の図書館も載っていたから俄かに親近感が湧いた。
天井の梁が作り出す幾何学的なリズムも心地いい。

3月下旬の奥志賀は汗ばむ陽気の日もあって、ホテルのなかは薄着で過ごせるほど。
それでも夜な夜な炎を眺めに通い詰めた。
カルヴァドスにピートの効いたウィスキー、春先はパンチのある香りが欲しくなる。
生産者から独自のルートで入手したという稀少なボトルも置かれているあたり、
帝国ホテル出身のバーテンダーの存在を聞いて合点が行った。
コースターには「BAR ALPINA」の文字。