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貴重な梅雨の晴れ間,ノープランで長距離を走るには,何度か行った所でないと日帰りは厳しい.そう言う訳で,久しぶりに三重県の南伊勢町まで行って,海を見ることにした.
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早朝に自宅を出て,奈良を南下してからR166で高見峠を越えて,R422の峠までノンストップでやってきた.峠には湯谷不動尊が祀ってある.ここは昔から,吉野・伊勢・紀州を結ぶ主要路線だったようだ.湯谷不動尊は,一度,旅人の火の不始末により焼失したが,県道からR422に昇格した際に,移築されたそうだ.
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湯谷不動尊から一路,南伊勢町の古和浦漁港へとやって来た.ここにやって来るのは,およそ2年振りだ.南伊勢町の海岸一帯は,典型的なリアス式海岸となっていて,陸地からだと太平洋を見ることが難しい.それにしても,梅雨晴れとは言え,とても暑かった.
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古和浦漁港には,裏山に続いていく,狭くて苔むした道がある.山の斜面からは,シダが一面に垂れ下がっていた.いつしか,このシダを見ると,紀伊半島にいることを実感するようになった.
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裏山に続く道をしばらく登っていくと,開放感のあるスペースが現われる.この場所だけ草木がなくて,トタン屋根の建屋がポツンと立っている.ここがニラハマ展望台だ.
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このニラハマ展望台から,古和浦湾を一望することができる.古和浦湾はリアス式海岸となっているので,太平洋に面しているのは,ごく一部だけだ.これだけ湾口が狭いので,波は穏やかだった.
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古和浦湾には,たくさんの養殖生け簀が浮かんでいた.ここでは,ブリやマダイなどの養殖が行われているそうだ.海はすっかり夏色だった.
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そして,ちょうど眼下にある灯台は,夏色の青い海に真っ白な色がよく映えていた.灯台の風景を撮っていると,ちょっとだけ涼しげな感じがした.
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およそ2年振りとなったニラハマ展望台.古和浦湾の景色は,変わらずにきれいだった.今はコロナ禍で,今まで行った場所の再訪が多くなっているけれど,再訪すると当時の記憶が思い起こされ,初心に帰るよい機会だと思っている.
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