天気予報では午後から曇り空.午前中の貴重な晴れの間,奈良県は山辺郡山添村へショートツーリングを決行した.鍋倉渓は,巨石が標高620mの神野山の山頂手前から,川の流れのように堆積し続けているとても不思議な場所だ.地形・地質学的に見ても非常に珍しい景観といわれている.寒さですっかり冷えきった体を暖めるため,オートバイを駐車場に止めて,鍋倉渓に沿って神野山山頂を目指すことにした.
これらの巨石は,古代人が築いた巨石構造物であるという現代人による説がある.一方で,伊賀の天狗と神野山の天狗がけんかして投げ合った巨岩である,といった昔の人による俗説もある.
山頂に進むにつれて,巨石の数は少なくなる.巨岩をかきわけながら進んでいくように道が設けてある.ごわごわのウインタージャケットとライディングパンツの下にはいたタイツのせいもあって,息を切らしながら登っていくことになってしまった.本当のところは,運動不足とお酒のせいかもしれないけれど・・・.
ちょっと堅苦しい話しになるが,これらの巨石は深成岩であることがわかっているそうだ.前地質時代の風化や浸食によって,山の表面が次第に細かくなって土壌化する際に,固い深成岩だけが風化や浸食の影響を受けずに残り,その後の地形変化によって現在の姿に至っている,と岩質的には考えられているようだ.
この付近一帯は,神野山を除いて花崗岩質だそうである.なぜ神野山だけ深成岩なのか,という疑問は残る.やはり,これらの巨石は天狗の仕業によるものなのか,と絵空事を考えながら山道を進んでいくのだった.巨石の数も次第に減っていき,山頂へ近づきつつあることが分かった.
そうして,ようやく山頂へ到着することできた.山頂には見晴らし台もある.久々のハイキング,といっては語弊があるかもしれないが,すこし興奮気味に歩調を早めている自分がいた.
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