オートバイで旅して観たモノの記録

 Ôtobai de tabi site mita mono no kiroku.

小渡鹿岬

2024年01月04日 | 尾鷲


 真冬のこの時期に尾鷲で日の出を見るには,太陽の位置関係から尾鷲湾北側の南浦か,南側の行野浦に行く必要がある.今回,久しぶりに南浦の小渡鹿(こどうか)岬に日の出を見に行くことにした.ここからだと,太陽と一緒に佐波留(さばる)島と桃頭(とが)島を眺めることができる.



 残念ながら日の出は,水平線の上に形成された薄雲のせいで,見ることはできなかった.けれど,薄雲の下から登ってくるオレンジ色の太陽を佐波留島の真っ黒なシルエットと一緒に拝むことができた.佐波留島の周囲にはいくつかの小さな漁船が漁をしていた.



 太陽は周囲の空をオレンジ色に染めながら,目視で分かるくらいの速さで空へと登っていく.依然として,佐波留島と桃頭島のシルエットは真っ黒なままで,太陽の光がより鮮やかに見えるような気がした.



 太陽の光は尾鷲湾の海に反射し,オレンジ色の光が一直線になって自分の方に向かってくる.そして,小さな漁船が黒いシルエットとなって,尾鷲湾に反射したオレンジ色の海の上を滑るようにして行き交う.



 小渡鹿岬での夜明けは思っていたよりも幻想的で,ゴールデンタイムといった感じだ.以前この場所でだるま朝日を見たことがあるけど,その時は佐波留島や桃頭島を意識する前だった.意識が変わると,見える景色も変わることに気付く.



 太陽はみるみるうちに上空へ登っていくと同時に,周囲の空は眩しいほどに白んでいく.真っ黒だった佐波留島や桃頭島のシルエットもだんだんと色味を帯びて薄くなっていく.小渡鹿岬での幻想的なゴールデンタイムは,あっという間の内に終わってしまった.

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