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どんよりと曇ったある休みの日のこと.オートバイに乗って,住宅街を抜け,山へと向かうにしたがって,珍しく霧が発生していた.和束町の手前の峠では,奈良方面の山並みが見えるのだが,この日は完全に霧によってホワイトアウトしていた.
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霧によって,視界がかなり悪くて,峠を恐る恐る慎重に下って行き,なんとか和束町へと辿り着くことができた.いつもの茶畑も,霧の中にあって,幻想的な雰囲気を放っていた.
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日ごろ走り慣れた道も,霧のおかげでどこか違った場所のように思えてくるのだった.霧による視界の悪さに注意しつつ,新鮮な気持ちで茶畑ロードを進んで行くことができた.
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霧に包まれるのもいいけど,この霧を見下ろしてみるのもいいかもしれないと思った.この日の朝は出遅れてしまったこともあって,霧が晴れないうちに,急ぎ山道を登っていくことにした.
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三国越林道の東屋に辿り着くと,霧は消失しかけていたが,山の合間にまっしろな霧が帯のように垂れ込んだ幻想的な景色を見ることができた.
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この景色をぼんやりと眺めていると,霧はみるみるうちに晴れていってしまった.このすぐ後に,ライダー二人がやってきたが,こんな霧は滅多に見ることができないと言っていた.
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