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緊急事態宣言が解除されたとは言え,自粛期間中にすっかり体が怠けてしまった.オートバイの調子はいいので,人間の方のリハビリのために,久しぶりに南の方までオートバイを走らせることにした.朝暗いうちに家を出て,R169をひたすら南下して,上北山村にやってきた.ここに来るのは,四ヵ月ぶりだ.
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久しぶりに走るR169は,交通量の少ない時間帯ということもあって,気持ちよく走行することができた.そして,下北山村まで来たので,迷うことなく,池原ダムへ立ち寄ることにした.池原ダムは,いつもと同じように静まり返っていた.
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時刻は8時頃で,空はまだ白んでいた.朝方の池原貯水池は,物音ひとつせず,幻想的な雰囲気が漂っていた.四ヵ月ぶりとは言え,池原ダムのゲートを見ると,とても懐かしいような気持ちがした.
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せっかくなので,ダムのゲート側まで一周してみることにした.この数カ月間のうちに,当たり前の様に訪れていた場所が,そうでなくなってしまった.池原ダムの雄姿を噛みしめる思いで,眺めてはシャッターを切るのだった.今日は日帰りで,あまり長居していられないので,後ろ髪を引かれる思いで,池原ダムを後にした.
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池原ダムまで来たら,その下流にある七色ダムにも寄らねばならない.R169が,下北山村から工事で通行止めになっていたので,R425で迂回して,七色ダムへとやってきた.瀞峡の上流に当たる荒涼とした北山川とダムは,相変わらず勇ましかった.
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七色ダムの天端もしっかりと走っておいた.七色のダムの天端は,R169でもある.天端が国道も兼ねた珍しいダムになっている.この辺りは何度も走っているけれど,妙に懐かしい思いがした.
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七色貯水池の水面は,鏡面となって山の樹木を映し出していた.このモコモコとした独特の樹木を見ると,紀伊半島にいること,そして,海が近いことを肌で感じ取ることができる.久しぶりの感覚に,この辺りでキャンプしていた時の記憶が思い起こされた.
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自宅から,七色ダムまで駆け足で来たので,流石に少し疲れが出てきた.休憩も兼ねて,地図を見ながらこの後のルートを検討した.池原ダムと七色ダムに再訪できて,気持ちはすっかり満足したけれど,熊野市街へ抜けて,熊野灘の青い海を見ることにした.
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