注:またもこの本からのダイジェストです。本当にためになる本です。願わくば、私にも実践できるエンジンがあればいいのですが。レースにでる皆様参考にしてください。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/38/219ddaedeb9f43f11cef8ccd0e94f6c8.jpg)
*レースをコントロールしたいとき、もしくは他チームのコントロールを乱したいとき、ここに書いてあることが参考になるかも?
チームメイトが逃げている場合、勝ちをアシストするためのブロック術について述べる。
「ブロック」という言葉は誤解されやすい。正確にいうならば、「邪魔しながらレース」をする、が近いであろう。集団の前方に陣取って完全に蓋をするようなわかりやすいブロック術は、原始的、初歩的過ぎてうまく機能しないことが多い。まず大前提として、逃げが集団と同じペースをキープして走れること。これができないとチームメイトのためにブロックする意味があまりない。
「目立たないブロックが実は一番効果的である」
ブロックは身体的にも、戦術的にも難しい。往々にして、逃げている仲間よりも、後方でブロックするアシストの方が多く仕事をすることになることになる。ジャンプし、ギャップを埋め、チェックし、集団前方に位置取る ―― ブロックは楽な仕事ではないのだ。これだけ多くの仕事をするわけであるから、前を逃げているチームメイトは最低でも集団と同じペースをキープして走ってもらわなければならない。たとえ最後につかまったとしても、集団が追走に足を使った場合、チームメイトがカウンターをかけることができる。ここでやっと数キロの逃げが戦術的に意味を持ってくるのだ。
もっともシンプルなブロックは、二番手に位置取ることだ。先頭が交代したら、交代に加わらず、一緒に脇に下がる。これをすると列車のリズムを崩し、列車からかなり反感を買う。(図1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/0b/491419378de4e43aca8001b48d4f16a5.jpg)
図1 集団前方でペースラインを乱す
ここまであからさまにやりたくなければ、先頭にたったらソフトに踏んでペースを明らかに落とす。これも列車のリズムを崩すし、ソフトペダリングをするあなたは列車にとっての妨害物となる。他の選手はあなたを避けて前に上がっていかなければならないからだ。そして、ブロックは一回では終わらない。小さな貢献(妨害)をしたら、また集団の後ろに戻り、次の貢献に備える。集団はあなたを歓迎しないだろう。ここからがブロッカーの真の仕事場だ。滑り込み、ねじり込み、お尻さわり、脅し、なんでもいいから集団に戻れ。そして、それを何度も繰り返す。
「ステルス妨害」
集団がブロックを警戒しているときに、気付かれずにブロックができると実に効果的である。
筆者がこれを目撃した時、何が起きているのか理解できなかった。チームメイトを逃げに送り込んだチームのブロッカーが、先頭にたって長い登り区間をグイグイ牽き始めたのだ。あたかもチームメイトの逃げを潰すかのように。
実は、ブロッカーは逃げている仲間の同区間のペースを知っていて、そのペースよりやや遅いペースで登っていたのだ。集団はブロッカーのペースに満足し、そのブロックは数秒を稼ぐことに成功した。
「アタックを潰す」
追走集団に、一人で逃げを潰しかねないほど脚をもった実力者がいた場合、徹底マークする。彼が集団の先頭にでたら、躊躇なく後ろに着く。このとき、単にドラフティングに入るのではなく、気付かれないように中切れを起こすとよい。彼が独走しているのに気付いたとき、集団との間にはギャップができている。このギャップは追走集団が涎をたらして埋めることになるだろう。
前述の動きは、追走集団を形成してしまうリスクもある。アタックが成功したように見えると、アタックを誘発する可能性もある。追走アタックが成功するか、危険な動きか、無視してよいか、ブロッカーは瞬時に判断して次の行動を決めなくてはならない。マークするかしないかを判断するために、次のことを瞬時にスキャンする。ロードレースは瞬時の決断のスポーツでもある。
? アタッカーは独りで追いつける脚をもっているか?
? アタッカーは脅威か?
? 追いついた場合、逃げにとって有利な展開になるか?
? アタッカーのチームメイトがブロックに加わってくれそうか?
二人でブロックするときは、お互い距離をもって妨害する。一人(図2のA)は前方でソフトに踏んだり、ローテに加わらず列車を妨害する。もう一人(図2のB)は5,6番目に位置して後方からのアタックを見はる。アタックはこのくらいの番手から出やすい。ここでスイーパーとしてアタックを警戒する。(図2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/94/1312766e967e1a4b8079ad2f19a78c7f.jpg)
図2 ブロッカーとスイーパー
アタックが潰されると、他のチームは次のアタックがしにくくなる。これを自分に優位に使うことができる。たとえば実力者が追走をかけたとする。チームメイトがすぐさま反応し、二番手で張り付いたまま先頭まで連れて行ってもらう。先頭集団に努力せずにチームメイトを送り込むことができ、数的優位を確保できる。(ここで前述の瞬時の判断が生きてくる)
後方でのブロックは、美しい犠牲である。願わくば、あなたにも先頭で逃げきる日が来ることを・・・![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_please.gif)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_please.gif)
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*レースをコントロールしたいとき、もしくは他チームのコントロールを乱したいとき、ここに書いてあることが参考になるかも?
チームメイトが逃げている場合、勝ちをアシストするためのブロック術について述べる。
「ブロック」という言葉は誤解されやすい。正確にいうならば、「邪魔しながらレース」をする、が近いであろう。集団の前方に陣取って完全に蓋をするようなわかりやすいブロック術は、原始的、初歩的過ぎてうまく機能しないことが多い。まず大前提として、逃げが集団と同じペースをキープして走れること。これができないとチームメイトのためにブロックする意味があまりない。
「目立たないブロックが実は一番効果的である」
ブロックは身体的にも、戦術的にも難しい。往々にして、逃げている仲間よりも、後方でブロックするアシストの方が多く仕事をすることになることになる。ジャンプし、ギャップを埋め、チェックし、集団前方に位置取る ―― ブロックは楽な仕事ではないのだ。これだけ多くの仕事をするわけであるから、前を逃げているチームメイトは最低でも集団と同じペースをキープして走ってもらわなければならない。たとえ最後につかまったとしても、集団が追走に足を使った場合、チームメイトがカウンターをかけることができる。ここでやっと数キロの逃げが戦術的に意味を持ってくるのだ。
もっともシンプルなブロックは、二番手に位置取ることだ。先頭が交代したら、交代に加わらず、一緒に脇に下がる。これをすると列車のリズムを崩し、列車からかなり反感を買う。(図1)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7a/0b/491419378de4e43aca8001b48d4f16a5.jpg)
図1 集団前方でペースラインを乱す
ここまであからさまにやりたくなければ、先頭にたったらソフトに踏んでペースを明らかに落とす。これも列車のリズムを崩すし、ソフトペダリングをするあなたは列車にとっての妨害物となる。他の選手はあなたを避けて前に上がっていかなければならないからだ。そして、ブロックは一回では終わらない。小さな貢献(妨害)をしたら、また集団の後ろに戻り、次の貢献に備える。集団はあなたを歓迎しないだろう。ここからがブロッカーの真の仕事場だ。滑り込み、ねじり込み、お尻さわり、脅し、なんでもいいから集団に戻れ。そして、それを何度も繰り返す。
「ステルス妨害」
集団がブロックを警戒しているときに、気付かれずにブロックができると実に効果的である。
筆者がこれを目撃した時、何が起きているのか理解できなかった。チームメイトを逃げに送り込んだチームのブロッカーが、先頭にたって長い登り区間をグイグイ牽き始めたのだ。あたかもチームメイトの逃げを潰すかのように。
実は、ブロッカーは逃げている仲間の同区間のペースを知っていて、そのペースよりやや遅いペースで登っていたのだ。集団はブロッカーのペースに満足し、そのブロックは数秒を稼ぐことに成功した。
「アタックを潰す」
追走集団に、一人で逃げを潰しかねないほど脚をもった実力者がいた場合、徹底マークする。彼が集団の先頭にでたら、躊躇なく後ろに着く。このとき、単にドラフティングに入るのではなく、気付かれないように中切れを起こすとよい。彼が独走しているのに気付いたとき、集団との間にはギャップができている。このギャップは追走集団が涎をたらして埋めることになるだろう。
前述の動きは、追走集団を形成してしまうリスクもある。アタックが成功したように見えると、アタックを誘発する可能性もある。追走アタックが成功するか、危険な動きか、無視してよいか、ブロッカーは瞬時に判断して次の行動を決めなくてはならない。マークするかしないかを判断するために、次のことを瞬時にスキャンする。ロードレースは瞬時の決断のスポーツでもある。
? アタッカーは独りで追いつける脚をもっているか?
? アタッカーは脅威か?
? 追いついた場合、逃げにとって有利な展開になるか?
? アタッカーのチームメイトがブロックに加わってくれそうか?
二人でブロックするときは、お互い距離をもって妨害する。一人(図2のA)は前方でソフトに踏んだり、ローテに加わらず列車を妨害する。もう一人(図2のB)は5,6番目に位置して後方からのアタックを見はる。アタックはこのくらいの番手から出やすい。ここでスイーパーとしてアタックを警戒する。(図2)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/94/1312766e967e1a4b8079ad2f19a78c7f.jpg)
図2 ブロッカーとスイーパー
アタックが潰されると、他のチームは次のアタックがしにくくなる。これを自分に優位に使うことができる。たとえば実力者が追走をかけたとする。チームメイトがすぐさま反応し、二番手で張り付いたまま先頭まで連れて行ってもらう。先頭集団に努力せずにチームメイトを送り込むことができ、数的優位を確保できる。(ここで前述の瞬時の判断が生きてくる)
後方でのブロックは、美しい犠牲である。願わくば、あなたにも先頭で逃げきる日が来ることを・・・
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昨日市民レースに参加してきたのですが・・・
アタックに関して一考察・・・
アタックや抑えるって、攻撃(アタック)チームプレー(抑える)って感じで、ロードレースを戦術的に行っているようでカッコよく思えてしまうのですが自分が今まで参加した市民レースでの「アタック」らしきものは、集団がまったりしたり、一定ペース(そこそこ速くても)で巡航している時に「ドーン」ってダッシュする人たちの行動の様な、、、。そのような「アタック」らしきものが逃げ切ったり小集団を形成してゴールまで行ってしまったシーンを見たことがありません。
だって後ろの集団はぬくぬくですから! 結局集団の力には及ばずすぐにブーメラン・・・。たまに「アタック」らしき行動をとった人と同じジャージを着た人が集団前方をキープ!先頭をひた走りながら一人で風と戦うチームメートを見ながら集団の前で風を受ける兵士、、、その後ろでヌクヌクしている僕達、、、そしてお帰りなさいと共に別の戦士が「アタック」らしき事を、、、でもその時も集団はみんなヌクヌク、、、。
逃げが決まる(逃げを決める)時というのは、集団のペースが死に物狂いになるほど上がって、みんながきつくてキツクテ我慢できなくなっている次の段階。そこで前に踏んで
(誰も行きたくない場面で)出ていく行動が「アタック」かと思うのですが・・・。
後ろの集団でヌクヌクしている人間をふるいにかけてからでないと決まらないと思います。ヌクヌク集団から飛び出すのなんてギヤかけてダッシュすればすぐできますが、それをする前に集団を一列棒状にして「ぐわーーーーーん」と集団のペースを上げて上げて上げまくって、もう一回上げて最後に逃がしたいチームメート(エース)が「アタック」!!!
そんなロードレースを市民レースでも!!!!
コースにちょっときつかったり、長い登りがあると集団が分裂する事もありますが、平坦で前に前に集団を伸ばす痺れるロードレースが理想!欧州のロードレースもどきをみんなでやりましょう!!
ちぎり合いの練習よりも千切れる寸前の半殺し状態に遭いながら集団走行する練習の方が絶対に楽しいと思うのですが、、、。 そんな自分は練習は絶対に一人ですが(笑
シマノバイカーズフェスティバルで苦しくて何もできなかった自分ですが・・・(汗
理想を追い求めてがんばりまーす(笑
来年の大弛は飛び入りしたいでーす
山梨県人なので。。。
英語がからっきし駄目な私にはとっても為になるこの記事。
ぜひ続編をお願い致します。お手すきの時で良いので。
まったく私も同意見です。同じ美学の持ち主ですね。
ただしプロの場合、平坦だとブーメラン系(いいたとえですね)の逃げが多いですね。
本当に美しい逃げは、確かに山岳とか、パリルーべのパベ区間にはいる直前とか、横風区間とか、集団が苦しくて苦しくて仕方が無いときに決まりますよね。一度でいい、そういう逃げに乗ってみたいものです。
白様は、おそらくフォイクトタイプなのでしょうか。
ちなみに、大弛は秋に野辺山に行く途中でよってみたく思います。あと山梨でいうと、鳥坂峠と芦安に行きたいなー。
のぶぞう様
次回もお楽しみに・・・
次はどうしましょうか。パンクしたときの集団への復帰方とか。