昨日同じ題名で書きながら、「ひよこ草」に関することを思い出しました。
まだ幼いと言ってもいい小学校(いえ、その頃は国民学校と言っていましたっけ)低学年の頃でした。戦後の貧乏暮らし、食糧難の時代でした。現金収入と貴重なたんぱく質を得るために、我が家では掘立小屋を建て、鶏を飼っていました。父が、卵からかえったばかりの、ひよこを手に入れ、座敷に手作りの囲いを作り、電球をぶら下げて、急ごしらえの温室を作り、ピヨピヨ鳴く黄色いヒヨコから育て上げたものです。成鳥になって卵を産ませるためです。
その頃卵は高級な食糧でした。家族では普段は食べられません。病気になった時特別に卵ご飯が出されました。他家に病人が出てお見舞いに行くときは、卵を持って行くのが決まりのようになっていました。
前置きが長くなりました。その鶏に食べさせるのが大事な仕事です。今の様に配合飼料などありません。お米屋さんから糠を売ってもらい、草を刻んで混ぜ、与えたのです。草を集めてくるのが子どもの仕事です。
はこべは別名「ひよこ草」と言いますが、確かに、柔らかくて優し気なこの草を好むようでした。
子ども心に、鶏に卵をたくさん産んでもらわないと、我が家には現金収入がないことが分かっていました。他の草もいれましたが、なるべくひよこ草を探したのでした。
今、時はまさに浅春、冬の間じっと成長を止めていた草々が芽を出してきます。
わが家のごく狭いアプローチに、はこべ(ひよこ草)が生え、日を追って伸びてきています。懐かしい草と思い油断をしているうちに大きな株になったら大変と今朝抜こうとしました。
びっくりです。見るからに優しい柔らかい葉のはこべの根は強靭です。狭い土地に地上に見える部分からは思いもしないほどたくましく根を張っているのです。見かけによらずの逞しさです。何故か、応援してやりたくなりました。
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