乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

2022年9月のマルハナバチ調べ隊

2022年09月03日 | マルハナバチ調べ隊

 昨日の笛川小学校5年生自然学習に引き続いての本日だったので、体はちょっときつかったですが、今日のほうが天気が安定するという予報だったので安心していたら・・・朝からパラパラ雨。それで自主的に参加を取りやめた方もいらっしゃいました。結局、角田さんご夫妻、芳賀さんとお孫さんのいろはちゃん、植原の5人でラインセンサス調査をしました。天気は曇りでしたが、薄日が差す時間帯もありました。いつもはだいたい1時間でセンサス・ルートを歩くのですが、今日はほかにもいろいろと面白い発見があり、30分以上も超過してしまいました。

 一つはキアゲハの幼虫です。毎年この時期、シシウドの葉に、いろいろな段階のキアゲハの幼虫が観察できます。隠れることなく、葉っぱの上に堂々とたたずんでいるので、とても観察しやすいです。小さいのは黒地で、体の真ん中あたりに黒い筋が横に入ります。まるで鳥の糞のようです。大きくなり終齢幼虫になると、ビビッドな緑色と黒のシマシマ模様に赤いドットがたくさん入る・・・という刺激的なデザインになります。ノーメイクでこんな模様を持っているのですから、すごいと思います。いろはちゃんが幼虫をツンツンと優しくつつくと、幼虫が「イタイ、イタイ!」と言いながら(?)橙色の角を出します。角はⅤ字型で、細長い風船に空気を詰める感じでふくらみます。おもしろくて、何回かやるうちに、幼虫もくたびれたのか、角を出すのをやめました。


 キアゲハ成虫の産卵シーンも見ることができました。キアゲハが葉っぱに止まっては「違うなあ」といった感じで飛び上がり、また、別の葉に止まり・・・というのを繰り返しています。こうやって幼虫の食草であるシシウドを探り当てて、卵を産むようです。どうやってシシウドと確認しているのか不思議だったので、帰ってから調べてみると、「成虫は空を飛びながら、(1)複眼でそれらしい植物を探し、(2)近づいて触角で匂いを嗅ぎ、食草らしいと判断したらその葉に止まり、(3)味覚を持つ「感覚毛」と呼ばれる毛が生えた前脚でトントンと葉を叩いて味を確かめて食草だと確認する」のだそうです。脚で味を確かめて卵を産んでいたのですね。不思議だし、すごいなあ。

 もう一つの楽しい観察は、ハンゴンソウに付いた虫こぶ。たくさん付いています。一つがピンポン玉くらい大きなのもありました。「中はどうなっているんだろう?」と芳賀さんが割ってみると、強烈なにおい。そして、中から、小さな小さな橙色のいもむしが4頭出てきて、超スピードで逃げ回りました。家に帰って調べて見たら、これはハンゴンソウメタマフシといって、タマバエの1種によってハンゴンソウの側芽に作られる虫こぶだそうです。ハンゴンソウには花にも虫こぶができますが、これはハンゴンソウハナタマフシといって、ハンゴンソウハナタマバエによって花または実に作られる虫こぶで、ハンゴンソウメタマフシとは別物のようです。


 他にも、ヨモギ、ゴマナ、ホタルサイコにも虫こぶが付いていました。

 さて、今日のラインセンサスの結果です。

・合計50頭のマルハナバチに遭遇。マルハナバチが訪花していたのは6種の植物。
・見られたのはオオマルハナバチのオス蜂3頭・不明2頭以外すべて働き蜂だった。トピックはオオマルハナバチのオス蜂が見られたこと。
・マルハナバチの内訳はオオマルハナバチ6、トラマルハナバチ33、ミヤママルハナバチ11と、2/3がトラマルハナバチだった。
・訪花植物の内訳は、ノハラアザミ21、タムラソウ14、ヤマハギ12、アキノキリンソウ・キンミズヒキ・マツムシソウ各1だった。
・マルハナバチ各種の訪花傾向は、以下のようだった。
 オオマルハナバチが訪れていた植物は4種。ノハラアザミ2、ヤマハギ2、アキノキリンソウ・タムラソウが各1。
 トラマルハナバチが訪れていた植物は5種。ダントツ多かったのはノハラアザミ19頭だった。そのほか、タムラソウ9、ヤマハギ3、キンミズヒキ・マツムシソウに各1頭だった。
 ミヤママルハナバチが訪れていた植物は2種。ヤマハギに7、タムラソウに4頭だった。

コメント
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