乙女高原ファンクラブ活動ブログ

「乙女高原の自然を次の世代に!」を合言葉に2001年から活動を始めた乙女高原ファンクラブの,2011年秋からの活動記録。

青空の元での草刈り実験

2014年09月13日 | モニタリング調査
11月以外に草刈りしたら,草原の生態系にどんな影響が出るのか。それを調べるために麻布大学の野生動物学研究室・高槻先生の全面的な協力を得て,昨年から実験をしています。刈り取り実験区は全部で6つ。ひとつは10m四方の方形区。6つの区で,以下のような6つの異なる処理をします。

 ①6月区:6月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
◆②9月区:9月に区内の全植物を刈り取って効果をみる。
 ③11月区:11月に区内の全植物を刈り取る(現行の刈り取りの効果の確認)。
◆④2度刈り:6月と9月に区内の全植物を刈り取って,2度刈りの効果をみる。
 ⑤選択刈り:6月に区内のススキのみを刈り取って効果をみる。
 ⑥刈り取りなし:全く刈り取りをしない区。
 今回刈るのは◆印の2つの区です。

 夏の終わりころから不安定な天気が続いていたのですが,この日は朝からとってもいい天気でした。
 はじめの会をし,実験区へ。
 すでに高槻先生たちが調査を終えた「9月区」の草刈りから始めることにしました。まず,実験区の境界をはっきりさせるために,区の隅に刺しておいたポールからポールにビニールテープを張りました。テープは秋山さんが持ってきてくださいました。



 草刈り機による草刈りは宮原さん。安全に,確実に刈ってくださいました。それにしても,春先には坊主頭のようだった草原が,ところによって2mを越える「草の森」になっているのですから,すごいなと思います。密度もけっこうすごいです。1年間でこんなに成長するのですから,アフリカの草っ原が,たくさんの大きな動物たちを養っているのもわかる気がします。



 刈った草を,参加者みんなで袋に詰めました。が,草丈があるので,袋に入りきりません。草を折るのも大変です。「紐でしばるのがいい」とは宮原さんのアイデア。さっそく倉庫に紐を取りに戻りました。やってみると,このほうがずっと早いし,簡単で,能率的です。



 袋やしばった草を駐車場へ運びました。結構な重労働です。それをぼくの車に積み込みました。ステーションワゴン型のぼくの車の後席を倒して荷物室を広くし,それにギューギュー詰め込んで,やっと入りきりました。すごい量です。

 重さを計っておけばよかったなと後悔しました。100㎡で何キログラムの草があったかがわかれば,それから草原全体の草の総量が推測できます。
 6月にも刈り取りをした「6・9月区」は「9月区」に比べて,草がずっと薄かったです。9月区は藪になっていて中は自由に歩き回れないくらいですが,6・9月区は芝生に毛が生えた(ススキが生えた)程度です。ここも高槻先生の調査後,草を刈って,持ち出しましたが,6月区の半分以下でした。




 作業が終了したので,みんなでお昼にしました。
 藁撒き調査地から東京農工大の星野先生も合流しました。
 星野先生は学生さんと昨日から乙女高原に来ていて,11月の草刈りボランティアの時に刈った草を運び込んで,草原の再生をめざしている「琴川ダム建設時の残土処分場」で,草の運び込みの効果を検証する調査をしているところでした。
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