パエ-リャ

木製カトラリ-

ボホ-ル紀行 (25)

2016-06-30 06:18:57 | Weblog

パングラオ島からロボックリバ-リゾ-トに帰る時の様子はそんな感じだった。

気になっていたホテルと橋の間の川沿いの様子も実際に見たし、釣りに最適な場所も見つけたし、いわゆるロボックという場所はおおむね理解できたような気がする。ボホ-ルには、他に似たような規模の川はないので、川で遊びたければ矢張り橋の周辺のホテルに泊まるのが最良だとの感触を得た。

でも、何故かタグビラランからロボックに戻る時、大きな看板に「Sevilla 9km」と出ていたのが奇妙に印象に残っていた。そもそも分岐点すら認識しないでホテルに戻ってきてしまったし、その事が、今回改めて、そのセビリヤ村に行ってみたいと思ったきっかけでもあった。どんな処か見てみたい、山奥の村なので、それに主要道路を外れて9kmは相当な場所だろうとの思いもあった。

この日は、夕方までにタグビラランに戻り、バイクを返却すれば良いだけで、急ぐ行程でもないし、ホテルにバックパックを預けて出かけて見た。レセプションの女の子の話では、チョコレ-トヒルに向かう道から行けば比較的短時間で到着できると言われたので、逆走すればゆっくり走っても、往復3時間でホテルに戻れるだろうと考えていた。実際には4時間以上かかったものの、素晴らしい体験ができたと思う。

この教会は橋のすぐそばにあるロボックの象徴的な建物だろう。時には川の氾濫で被害にあった

り、         するけれど、とても立派な建物で、矢張りカトリコの国、と思う。でも、2013年に、ここから距離にして10kmほどのチョコレ-トヒルの真下で地震が起きた。結果が次の画像だ。  内部の様子もひどい。

           でも、直ぐに再建されたのは自分で実際に何度も通りかかって見ているし、再建中の写真も残っている。 完全に基礎から再建しているので教会の重要性が理解できる1枚だ。

で、橋を渡った後、タグビララン-ロボック線の道路はわざとゆっくりと走ってみた。分岐点の場所もうろ覚えだったし、急ぐ理由もなかった。で、途中、以前に見かけて不思議に思っていたニワトリの場所には先客がいたので、止まって話をしてみたら謎が解けたのは、帰国後も大きな収穫につな

がる事になった。 この画像に鶏と三角形が沢山見えるが、ここは想像していたような単なる養鶏場ではなく、闘鶏用の鶏を育てている場所だと教えてもらったのは収穫だった。日差しが強かったりすると、三角屋根の小屋中に潜り込む仕掛けだ。

この養鶏場ではこの周りの谷戸すべてが使われていて、奥の小屋は休憩用や飼料の保管場所と思われるが、実際の運用の仕方はわからない。上にも横にもプレディタ-に対する防御の仕掛けがないのもとても不思議だ。

ここから暫く先には更に不思議なことが待っていた。道路わきのヤシの木の伐採作業だ。 

     

当然停止して、じっくりと観察してみた。路肩には車が1台、傍らには明らかに作業の監督者と思われる男が立っていて、道路の反対側の土手に生えている高いヤシの木と、そのすぐ傍らの、より細い、何らかの広葉樹には若い作業員が長いナタ状の刃物を持って取り付いる。

                 

この作業を10分程じっと観ていたと思う。ヤシの木の作業は驚くほど軽やかに行われていた。作業員は補助ロ-プも使わずに10mほどの高さにある頂上の葉の茂みとココナツの場所まで、素手と素足でサルのように数秒でたどり着いてしまい、ナタで下側の葉をバサバサと切り落とし、ついでにココナツも5,6個のひと固まりで落とし始めて、すぐに降りて来てしまった。

      このような足場は作られているが、昇る時には使わないように見えた。

とにかく、驚くべき早業で、思わず拍手したくなる程だった。

 ココナツは大きな房のまま結局コンクリ-ト道路の側溝に大部分が落下して、幾つかは壊れ、遠くまで散乱し、近くに数軒あった民家から出てきた老婆が、ちょうどお昼時でもあったので、「ひとつもらいますよ」みたいな感じで、当然のように持って行ったし、現場監督も壊れたヤシの実でのどを潤す、そんなのどかな作業場面だった。

然し、ヤシの実が、あれ程頑丈そうに見えるヤシの実が、高々10m程の落差で簡単に割れてしまうのも追加の驚きだった。回りに筋みたいな繊維の層があるわけだから、それが十分にクッションの役割をするだろうし、そもそも内殻だって相当硬いのは何度か自分でヤシの実を分解したことがあるので解っていたのでとても驚いた。

その後、偶然に落ちたヤシの実が人間の頭に当たっても死なないのは、ヤシの実の方が壊れるからだとの記述を見つけたので、なんとなく納得はしているものの、東京工業大学の並木道で落ちてきた銀杏の実が頭にあたって大騒ぎしたはげ頭の教授を知っているので、未だに半信半疑ではある。

然し、ここで急に胸騒ぎがした。