☆ 大阪府知事立候補者への公開質問状の回答届く
辰巳孝太郎さん、谷口真由美さん、吉村洋文さんから、当会の公開質問状(チャレンジテスト・すくすくウオッチ等関する)の回答が届きました。
(1) 中学生「チャレンジテスト」の学校ごとの平均点によって、高校入試の合否判定に使う内申点を学校ごとに格差付けする「府内統一ルール」についてどのように考えておられるか、最も近いものを下記よりお選びください。
① 公平・公正な制度であり、必要な制度である。
② 問題点が多々あるので検証が必要である。
③ 深刻な問題があるので廃止すべきである。
④ よくわからない。
また、「チャレンジテスト」と「府内統一ルール」について見解をお聞かせください。
◆辰巳孝太郎さん
・選択肢:③ 深刻な問題があるので廃止すべきである。
・見解:中学校「チャレンジテスト」は、豊かな学力と人間への信頼をはぐくむ中学校教育を変質させ、子どもを競争に追い立て、人間関係を分断し、学校や地域を格差付けするもので、廃止すべきです。
「府内統一ルール」は、教員の教育評価権を侵害するもので教育評価にはなじみません。中学校3年生では、「チャレンジテスト」の教科でない音楽や体育などの教科の内申点までもが「府内統一ルール」に縛られ、教科の専門性にもとづく評価とはなりえません。
◆谷口真由美さん
・選択肢:③ 深刻な問題があるので廃止すべきである。
・見解:チャレンジテストでの「府内統一ルール」は、子どもたちや学校を相対評価して序列化し、さらに、その結果を公表するなど過度の競争を煽るだけのものです。
学校現場・子どもたちに与える負担や予算の無駄遣いであること、結果公表の問題点などの観点から、廃止等抜本的な見直しを行います。
◆吉村洋文さん
・選択肢:① 公平・公正な制度であり、必要な制度である。
・見解:高校入学者選抜における、各中学校がつける調査書の評定について、各中学校による絶対評価では学校によって差が出てしまうのではないかという心配の声がありました。そこで、大阪府教育委員会では、公平な入学者選抜を実施するため、各中学校がつける評定が、大阪府全体の状況に照らし適正であるかどうかを確認するために、チャレンジテスト を活用した府内統一ルールを定めています。
公立高校入学者選抜における調査書の評定については、数%ではありますが評定の修正が 必要になる学校が残っている状況でありますことから、各中学校の絶対評価の公平性を担保するため、引き続き府内共通の物差しとなるチャレンジテストを活用した府内統一ルールが必要であると考えています。
令和2年度の修正のように、これまでのルールに関する課題について各方面からのさまざまな御意見を伺いながら、公平性を担保しながらもわかりやすい制度になるよう取り組んでいきます。
(2) 小学生「すくすくウオッチ」は、児童に「予測困難な社会を生き抜く力」をつけさせることを目的に、児童の潜在能力や家庭環境等をチェックし、それを数値化する調査を行っています。不安を感じる児童や保護者もおられますが、「すくすくウォッチ」についてどのように考えておられるか、最も近いものを下記よりお選びください。
① 小学生から生き抜く力をつけさせるためには必要な制度である。
② 家庭環境等をチェックするなど問題も多く検証が必要である。
③ 小学生の統一テストは子どもへ与える負の影響も大きく廃止すべきである。
④ よくわからない。
また、「すくすくウオッチ」について見解をお聞かせください。
◆辰巳孝太郎さん
・選択肢:③ 小学生の統一テストは子どもへ与える負の影響も大きく廃止すべきである。
・見解:小学生「すくすくウォッチ」は、小学校から「学力テスト体制」を強め、子どもの豊かな発達を脅かすものです。また、ひとりひとりの子どもを行政が評価し、学校教育と家庭生活に介入するもので、廃止すべきです。
◆谷口真由美さん
・選択肢:③ 小学生の統一テストは子どもへ与える負の影響も大きく廃止すべきである。
・見解:「大阪府新学力テスト(すくすくウオッチ)」は、普段の授業内容をはじめ学校で学ぶこととおよそかけ離れた内容となっており、子どもたちに有益なものとは到底いえません。
小学生「すくすくウオッチ」を廃止し、少人数学級による学習支援や教職員の負担軽減などにより、学校現場が子どもの学力を適切に評価し、個別に必要な指導をすることができるよう教育環境の充実に取り組みます。
◆吉村洋文さん
・選択肢:① 小学生から生き抜く力をつけさせるためには必要な制度である。
・見解:「すくすくウォッチ」は、将来を生き抜く力や自ら考える力等の確かな学力の定着と、多様な機関との連携等による学びの深化をめざすものとして大阪府が独自に実施している学力テストとアンケートです。 学力テストは、大阪の子どもたちに論理的な思考力、判断力、表現力を育むとともに、各教科の基礎的、基本的な事項の確実な定着を目指しています。 あわせて実施されるアンケートは、一人一人の良さを見出し、自信を持たせることも目的としています。
国語、算数、理科については、五年生のときの「すくすくウォッチ」と、六年生の「全国学力学習状況調査」の結果から、児童の状況の経年での変化を把握することができるようになります。気になる変化があればその原因を考え、必要な指導を早期に行うことができるようにと考えて導入したものです。
これにより児童一人一人に着目したよりきめ細かな指導につながると考えています。
(3)その他、教育施策について訴えたいことをご自由にお書きください。
◆辰巳孝太郎さん
維新府政になってから「教育こわし」が進行しています。その特徴は、子どもと教職員を分断し、競争をあおりながら管理と統制を強めていることです。その典型が、中学校「チャレンジテスト」、小学生「すくすくウォッチ」、府立高校の学区廃止や府立高校の統廃合、教職員の「評価・育成システム」などです。小中学校では全国最悪の「詰め込み学級」制度(国基準の上乗せなし)が放置され、ひとりひとりの子どもの成長・発達がなおざりにされています。
小中学校・高校の「35人学級」、小学校1・2年生の「25人学級」、高校の授業料無償化(所得制限なし)をはじめ、大阪府が教育条件を大幅に改善し、すべての子どもが豊かで等しく学べる教育を保障することが求められています。
◆谷口真由美さん
教育はサービス業ではなく、公教育を市場原理に委ねるべきでないと考えています。
中学生「チャレンジテスト」や小学生「すくすくウオッチ」、あるいは、府立高校の再編整備計画においても、行き過ぎた効率化や相対評価等による序列化によって、大阪の教育現場にギスギスした「ふきげんさん」が拡がっています。
さまざまな価値観が大切にされ、あらゆるところで活躍できる子どもを育てるために、行き過ぎた競争第一主義を改め、一人ひとりの子どもにじっくり向き合う環境が必要です。
教職員の負担軽減や小中学校での35人学級等の実現に取り組むなど「ごきげんさん」な教育現場を整備します。
◆吉村洋文さん
大阪維新の会は将来世代への徹底投資を掲げ、子どもとその親である子育て世代への支援を力強く進めています。
私は、大阪市長時代に3歳?5歳児の幼児教育の無償化、温かい中学校給食、子供医療費助 成を18歳に引き上げ、待機児童数を過去最少にすることができました。 その後、大阪府知事になり、所得制限はあるものの大阪公立大学の無償化を行ってきました。
次は、大阪の全ての子供を対象とした所得制限なき高校授業料の完全無償化、大阪公立大学の完全無償化を目指し(維新版教育無償化モデル)、さらには、重大な児童虐待ゼロに向けた取組や医療的ケア児の通学の支援など、将来を担う子どもたちを守り育てる施策に力を入れて行きます。
『子どもをテストで追いつめるな!市民の会のブログ』(2023年3月23日)
http://no-testhyouka.cocolog-nifty.com/blog/2023/03/post-d99e40.html
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます