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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

ルイ16世と同類の安倍晋三首相を、ギロチンではなく民主的手続で政界から追放し、壊憲を阻止しよう

2020年05月13日 | 平和憲法
  =たんぽぽ舎です。【TMM:No3927】「メディア改革」連載第31回=
 ◆ 安倍晋三政権は中世・アンシャンレジーム
   10万円給付を「世帯主」にする「家」思想

浅野健一(元同志社大学大学院教授、アカデミックジャーナリスト)

 安倍晋三首相が4月12日、ツイッターを更新し、星野源が歌う「うちで踊ろう」とともに、私邸ソファで愛犬を抱き、カップ片手に紅茶を口にし、テレビのリモコンもいじったりする動画をアップした。
 「自宅滞在」を訴えるのが狙いとみられるが、新型コロナウイルス感染で民衆の生活が破壊されている状況をよそに、優雅にくつろぐ姿に「この国の首相は貴族か」という批判が集まった。
 4月13日の日刊スポーツは<他国なら「革命起こる」>の見出しで、<マリー・アントワネットを思い起こした人も多い>
 <「下流老人」などで知られる藤田孝典氏は「この国の首相は貴族か。フランスなら第2のフランス革命が起こる異常なレベルだよ」><荻原博子さん(経済ジャーナリスト)は「あなたはルイ16世かと言いたくなる」>と報じた。
https://www.nikkansports.com/general/nikkan/news/202004120000447.html
 また、藤原辰史・京都大学准教授(農業史)は4月26日の朝日新聞への<「人文知」軽視の政権は失敗する>と題した寄稿で、<宮殿で犬と遊ぶ「ルイ16世」の思考はずっと経済成長や教育勅語的精神主義に重心を置いていたため、危機の時代に使いものにならない><危機の時代に誰が誰を犠牲にするか知ったいま、私たちはもう、コロナ前の旧制度(アンシャン・レジーム)には戻れない>などと書いた。
https://www.asahi.com/articles/ASN4S5V0DN4PULZU02H.html
 私は、安倍氏と彼の取り巻きの靖国・日本会議派は1789年のフランス革命前の中世・臣民社会の時代の思想の持ち主ではないかと指摘してきた。
 2020年度補正予算が参院で30日成立し、5月から「全国民への一律10万円の給付」は始まるが、この支給も「世帯主」ごとだ。「個人」ではなく「家族」を重視しているのだ。
 総務省が4月20日発表した一律給付の概要によると、給付は、国籍を問わず、4月27日時点の住民基本台帳に記載されているすべての人が対象になる。
 住民票がある市区町村から送られてくる申請書に世帯主が本人名義の金融機関の口座番号などを記入。口座がない人や、住んでいる場所が金融機関から遠く離れている人に限り、自治体の窓口に申請書を直接提出し、後日、給付金を受け取ることもできる。
 閣議決定しドタキャンになった「困窮世帯限定の1世帯当たり30万円の現金給付」も「世帯」単位だった。
 蓮舫議員が4月29日の参院予算委で、世帯主がドメスティックバイオレンス加害者であるケースを示し、「どうして世帯主にこだわるのか。個人に送るべきだ」と質したのに対し、高市早苗総務相「できるだけ早く支給したいことから、世帯主に送ることにした」と答弁した。国会で「世帯」単位の支給を問題にしたのは初めてだと思う。
 安倍政権が「世帯主」にこだわるのは、近代市民社会の大原則である「国家と個人」の社会契約関係を否定しているからだ。
 日本国憲法第13条は「すべて国民は、個人として尊重される」と明記している。戦前の「家」制度を否定し、「個人の尊重」を唱え、国民一人ひとりを独立した個人として尊重する「個人主義」をとっている。
 ところが、2012年に発表された自民党憲法改正草案では、前文に「和を尊び、家族や社会全体が互いに助け合って国家を形成する」と規定。第1条で天皇を「元首」と規定。現行憲法の第11条にある「基本的人権」に関する記述から「現在及び将来の国民に与へられる」の部分を削除している。自民党は同草案に関する「Q&A」を発表しているが、人権について次のように説明している。
 「権利は、共同体の歴史、伝統、文化の中で徐々に生成されてきたものです。したがって、人権規定も、我が国の歴史、文化、伝統を踏まえたものであることも必要だと考えます。
 現行憲法の規定の中には、西欧の天賦人権説に基づいて規定されていると思われるものが散見されることから、こうした規定は改める必要があると考えました」
http://constitution.jimin.jp/document/faq/
 同草案では「個人」がすべて消え、「人」と「家族」に変わっている。
 同草案第24条は「家族は、社会の自然かつ基礎的な単位として、尊重される。家族は、互いに助け合わなければならない」としている。
 自民党は天賦人権説、個人主義をキリスト教に影響された概念だというのは、国連の普遍的な理念、近代立憲主義を否定する危険な考え方だ。
 同草案を作成した自民党憲法改正推進本部(11年発足)の最高顧問の一人が安倍氏だ。安倍氏は壊憲を先取りして、「家族」を押し出しているのだ。
 フランスやスウェーデンでは、結婚しても役所に届けるカップルは半数に満たない。ほとんどの先進民主主義国では、配偶者手当はなく、税法上に差異が全くないからだ。国家はすべて個人と契約を結んでいる。
 また、日本に住民登録をしているすべての市民に支給する現金給付を「国民に支給」と表現するのは誤っているのではないか。
 4月28日に発表された共同通信の憲法に関する世論調査によると、緊急事態条項を憲法改正し新設する案に賛成51%、反対47%だった。改憲の必要性に関し「どちらかといえば」も含め61%が肯定的回答だった。緊急事態条項を含む改憲が必要という人が過半数を超えた。
 安倍氏の改憲案は自衛隊の明記ではなく、緊急事態条項の明記だ。安倍が狙う緊急事態条項だ。それは現在発布されている特措法に基づく緊急事態宣言とは全く質の違う内容だ。
 キシャクラフメディアが「今の緊急事態宣言では、海外のような強い措置が取れない」と強調してきたことが世論をミスリードした。
 安倍氏がルイ16世のようにギロチンにかけられることはない。
 民主的な手続きで首相も議員も辞めてもらおう
 人民の闘いで、一秒でも早く彼を政界から追放しなければ、コロナ禍の後に悪夢のような日本会議勢力による壊憲強行が待っている。
 ※《事故情報編集部》より
 浅野健一氏の「メディア改革」連載第31回の文章は、4月30日にたんぽぽ舎あて発信されました。しかし、当日たんぽぽ舎では受信できず、再送いただいて5月9日にやっと受信できました。
 掲載が遅れたことをおわび致します。


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