◎ 免許更新制による教員管理
免許法改正のポイントは、免許更新制の導入である。これは教員免許状に有効期限を設け、現職教員に一〇年ごとに三〇時間の更新講習を受講させ、修了者だけ免許を更新する制度だ。
免許が更新されなければ、教員を続けられない。しかも、都道府県教育委員会が認めた者には講習の履修が免除されるから、教育委員会や校長が言うことには「ご無理ごもっとも」という雰囲気が教員の世界で強まるだろう。
教科内容や指導方法は常に発展しており、大学卒業時に取得した免許で生涯教員を続けさせるのは不合理だというのが更新制導入の根拠だ。
しかし、免許取得後の時間経過とともに教員の能力が陳腐化するとしても、一〇年に一度の講習を受ければ能力がリニューアルできるという理屈は成り立たない。むしろ、多忙化を解消して自主的な研修の機会を保障するとともに、日々の教育実践で創造性を発揮できるよう学級経営や授業づくりの自由度を高めることが重要なのだ。
また、教員の破廉恥な犯罪や指導力不足の事例への怒りや不安がしばしば、更新制導入論の補強に利用されている。しかし、犯罪には懲戒処分で、教育指導の務めをはたせない教員には分限処分で対処すべきだ。現にある制度を適正に働かせず、免許更新制導入の論拠に利用するとはもってのほかである。
更新制導入の本当のねらいは、政府の言いなりになる教員を作ることにある。気に人らない教員は能力の陳腐化や指導力不足を口実に学校から排斥しようということだ。これでは教員の活力が沈滞し、学校から自由闊達な学びの場としての魅力がますます失われてしまうだろう。
『週刊金曜日』2007/5/18(654号)中島哲彦から
3/13文部科学省交渉の報告 都教委包囲首都圏ネットワーク
■質問と回答
★(教員免許の更新制について)
★質問(7)教員免許の更新制については、すでに中央教育審議会で答申(2006年7月)が出ていますが、その段階でも異論が多く出されています。免許更新制は何のために導入しようとしているのですか。
▲答え(石川初等中等教育局教職員課係長) 昨年7月の答申でも議論した。医者の場合は藪医者のところに患者が行かないので必要ないが、教員は生徒が選べないし、公教育なので全国津々浦々で同じように義務教育を行うので、市場原理が働かないから。それに10年に1回くらいは定期的に知識・技術を刷新する必要もある。
★関連質問 不適格教員を排除するための制度ではないのか。
▲答え 不適格教員を排除するためではない。知識・技術をリニューアルするためである。免職は分限処分で対応し、この免許更新制で教員を分別するわけではない。
★関連質問 初任研5年10年研があるに、改めて講習の必要があるのか。
▲答え 免許制度としてのリニューアルであり、最低レベルとして免許を持っている人はこれだけの水準というものをもっていただきたいとしている。10年研のような専門性の研修とは別。国立学校、私立学校のも適用する。
★関連質問 内容的に10年研などの研修とどう違うのか。
▲答え 講習の中身はこれから考える。10年研とダブリが生じるかどうか、先生方も含めて研究していく。
★関連質問 講習を30時間受ければ、自動的に更新されるのか。
▲答え まったく全員が全員、更新とはならない。条件を満たさないと。
★質問(8)教員免許を更新するかしないかの判断する材料は何ですか。
▲答え まさにこれからどういう内容にするか検討する。講習を聞いて終わりということではなく、何かしらやっていただくことも取り入れる。
★質問(9)更新されなかった場合は免職になるのですか。身分は保障されないのですか。
▲答え 更新されないと免許状は失効する。その場合、原則として教育公務員としての職が失われることになる。
★質問(10)非常勤講師や教職についていない人の免許も対象になるのですか。
▲答え ぺ一パーティーチャーについては対象としない。そういう方が教壇に立つときは立つ段階で30時間め講習を受けてもらう。大学でとった単位がなくなるわけではない。30時間の講習を受けたら効力が回復する。
★質問(11)一方で、教員免許を持っていない人を教員に採用しようとする動きがありますが、こうした動きは、免許更新制と矛盾しませんか。
▲答え そういうケースは特別免許状を発行して現場に立ってもらう。これも10年に1回、更新の対象になる。
★関連質問 教員は仕事をしているわけで、時間的にも経済的にも負担が大きいと考えるがどうか。
▲答え 講習は教職課程をもっている大学に開設する。費用は本人負担、国負担、一部本人負担などの考えがあるが今後決める。
★要望 法律が通っても予算措置はされていない。負担が教員にかからないか、身分が不安定になるのではないか等不安をのを解消して欲しい。
免許法改正のポイントは、免許更新制の導入である。これは教員免許状に有効期限を設け、現職教員に一〇年ごとに三〇時間の更新講習を受講させ、修了者だけ免許を更新する制度だ。
免許が更新されなければ、教員を続けられない。しかも、都道府県教育委員会が認めた者には講習の履修が免除されるから、教育委員会や校長が言うことには「ご無理ごもっとも」という雰囲気が教員の世界で強まるだろう。
教科内容や指導方法は常に発展しており、大学卒業時に取得した免許で生涯教員を続けさせるのは不合理だというのが更新制導入の根拠だ。
しかし、免許取得後の時間経過とともに教員の能力が陳腐化するとしても、一〇年に一度の講習を受ければ能力がリニューアルできるという理屈は成り立たない。むしろ、多忙化を解消して自主的な研修の機会を保障するとともに、日々の教育実践で創造性を発揮できるよう学級経営や授業づくりの自由度を高めることが重要なのだ。
また、教員の破廉恥な犯罪や指導力不足の事例への怒りや不安がしばしば、更新制導入論の補強に利用されている。しかし、犯罪には懲戒処分で、教育指導の務めをはたせない教員には分限処分で対処すべきだ。現にある制度を適正に働かせず、免許更新制導入の論拠に利用するとはもってのほかである。
更新制導入の本当のねらいは、政府の言いなりになる教員を作ることにある。気に人らない教員は能力の陳腐化や指導力不足を口実に学校から排斥しようということだ。これでは教員の活力が沈滞し、学校から自由闊達な学びの場としての魅力がますます失われてしまうだろう。
『週刊金曜日』2007/5/18(654号)中島哲彦から
3/13文部科学省交渉の報告 都教委包囲首都圏ネットワーク
■質問と回答
★(教員免許の更新制について)
★質問(7)教員免許の更新制については、すでに中央教育審議会で答申(2006年7月)が出ていますが、その段階でも異論が多く出されています。免許更新制は何のために導入しようとしているのですか。
▲答え(石川初等中等教育局教職員課係長) 昨年7月の答申でも議論した。医者の場合は藪医者のところに患者が行かないので必要ないが、教員は生徒が選べないし、公教育なので全国津々浦々で同じように義務教育を行うので、市場原理が働かないから。それに10年に1回くらいは定期的に知識・技術を刷新する必要もある。
★関連質問 不適格教員を排除するための制度ではないのか。
▲答え 不適格教員を排除するためではない。知識・技術をリニューアルするためである。免職は分限処分で対応し、この免許更新制で教員を分別するわけではない。
★関連質問 初任研5年10年研があるに、改めて講習の必要があるのか。
▲答え 免許制度としてのリニューアルであり、最低レベルとして免許を持っている人はこれだけの水準というものをもっていただきたいとしている。10年研のような専門性の研修とは別。国立学校、私立学校のも適用する。
★関連質問 内容的に10年研などの研修とどう違うのか。
▲答え 講習の中身はこれから考える。10年研とダブリが生じるかどうか、先生方も含めて研究していく。
★関連質問 講習を30時間受ければ、自動的に更新されるのか。
▲答え まったく全員が全員、更新とはならない。条件を満たさないと。
★質問(8)教員免許を更新するかしないかの判断する材料は何ですか。
▲答え まさにこれからどういう内容にするか検討する。講習を聞いて終わりということではなく、何かしらやっていただくことも取り入れる。
★質問(9)更新されなかった場合は免職になるのですか。身分は保障されないのですか。
▲答え 更新されないと免許状は失効する。その場合、原則として教育公務員としての職が失われることになる。
★質問(10)非常勤講師や教職についていない人の免許も対象になるのですか。
▲答え ぺ一パーティーチャーについては対象としない。そういう方が教壇に立つときは立つ段階で30時間め講習を受けてもらう。大学でとった単位がなくなるわけではない。30時間の講習を受けたら効力が回復する。
★質問(11)一方で、教員免許を持っていない人を教員に採用しようとする動きがありますが、こうした動きは、免許更新制と矛盾しませんか。
▲答え そういうケースは特別免許状を発行して現場に立ってもらう。これも10年に1回、更新の対象になる。
★関連質問 教員は仕事をしているわけで、時間的にも経済的にも負担が大きいと考えるがどうか。
▲答え 講習は教職課程をもっている大学に開設する。費用は本人負担、国負担、一部本人負担などの考えがあるが今後決める。
★要望 法律が通っても予算措置はされていない。負担が教員にかからないか、身分が不安定になるのではないか等不安をのを解消して欲しい。
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