フリーターのための討論紙「地球公論-light」(2008年5月3日)から
◎ 自由と生存のメーデー(5/3) ◆ ビデオプレス映像リンク
◎ 解決報告! K社との闘いを終えて
しかし店舗管理のまともな説明も受けぬまま初日から事実上の「店長」業務。公休は週一、入社前に社長に問いただした36協定の書面は確認出来なかった。
社長が怒鳴り散らすだけの早朝会議の為に週一の休日すら潰れ、クレームが来るまでコーヒーマシンの修理費を出し渋るという全く行き届かない会社の店舗管理、次々と姿をくらます他店舗の店長…余談だが、会議では売上を落とした店長に向けて「お前は北朝鮮と同じ悪の枢軸だ」などととんでもない差別発言すら飛んだ。私の母親の家系は朝鮮人である。冗談などとは受け取れず吐さ気を催した。
異様とも言える様々な事態に耐えきれず身体を壊し入院をしたら、その月の月給は「勤怠控除」により10万円…入院費用で消える。有給を当てはめようにも上司から圧力を掛けられ、いよいよ馬鹿らしくなり社員を降りたら今度はそれを理由にボーナス支給無し。一体何の為に就職したのだろう?自分の目標から物理的にも金銭的にも遠退いてしまった。
昨年6月に正式な退職をしたのだが、この怒りとやるせなさを消す事が出来ずフリーター労組に加盟し、K社との交渉を開始した。十代の頃に地域の未組織労組に関わっていたり組合事務所でのアルバイト経験が有るので労働組合は身近な存在で有ったが、自分が当事者になるというのは初めてだった。
第一回目の交渉の場には、部長課長といった管理職、当時の上司、コーヒーチェーン本社のマネージャー等々これでもかという程の豪華メンツが顔を連ねた。会社に取っても初めての事態だったのか?「何が起きるかわからんし、とりあえず脅威を与えておこう」と言わんばかり。しかし実際声を発したのは管理職二名ほどと後々曲者化する社労士のみ。こちらの要求は全面否定、「入社時の気持ちはどこへ?夢よりお金なのか?」と情で釣ろうとする者も。
二回目の交渉に会社がなかなか応じず大分間が空いたが、その間にアルバイト時代の未払い残業代として5千円が私個人に対して振り込まれたり、会社の役員以上に悪態を貫く社労士が電話で「交渉の事実は無い」と言い張るなど意味不明の行為が相次ぎ事実上の団交拒否が耗く。
在職中再三提示を求め続けた就労規則がやっと示されるも信憑性が薄く、組合と会社との文書や電話でのやり取りが操り返されるが埒があかない…実力行動に出よう!との執行部からの案を受け、昨年秋、組合の一日行動にて会社前のビラ撒き・街頭宣伝を行う。久しぶりにマイクを握り緊張したが皆さんの力を借りて行動は成功し、会社前での訴えの後社内へ入り直接要請書を読み上げ手渡した。
この行動後、会社は再び団交の場へ…同時進行で労基暑へも通い始める。書類を持ち込み職員とのやり取りを操り返す中で、会社の定める初任給はやはり最低賃金割れを起こしていること、該当年度の36協定未提出等が次々と明らかになる。会社側も最初は何かと理由を付けて負けを認めるのを拒んだものの、マック裁判等未払残業に関するニュースが相次ぎ「名ばかり管理職」という言葉が生まれ組合や当該労働者の声が大きくなる最中、会社や社労士の態度も少しずつであるが変化を見せ始めた(勿論根本的な姿勢は全く変わらないが)。
年が明け後二度の交渉を経て、会社側は最低賃金に基準を合わせ再計算された月給不足分と遅延料込の未払残業代、未取得の有給を支払うと回答。対面しての謝罪を受けた。ボーナスの支払に関してはとうとう最後まで認めなかった。「解決金」という形で今後互いの不利益になる行為は行わないという約束を交わし交渉は終了。
勿論、更に大きな視野で争議を続けて行くという道もあったし、多くの従業員や社会を巻き込んで会社の体制を根底から覆す事が必要だとも感じた。しかし私の意志と考えでここで妥協した。
一年近くに亘る長い期間、私の都合で振り回してしまう事も多々あり大変ご迷惑をお掛けしてしまいましたが、ここまで来れたのは組合員や関係する団体の皆さん、執行部の皆さん、交渉の場に同席して下さった方々のおかげです。本当に有り集うございました。心から感謝の意を表明しつつ筆を置きます。
そして交渉上の約束で社名を出せないのが悔しいが、今もK社で働き続けている現場の社員の皆さん、苛酷な労働に耐えるのではなく心身を壊してしまう前にどうか声を発して下さい。一人ではどうしようもない時は、周りの従乗員や労働組合、一人でも多くの人に現状を伝えて下さい。
おかしいのは「過剰な労働」に応えられない皆さんではなく「過剰な搾取」によってしか生き残れない会社です。
お客様第一という言葉を、会社への貢献と履き違えないで下さい。
道は長いかもしれませんが、もしもこの先出会ったその時には私も共に声を上げます。
フリーター全般労働組合書記局
〒160-O023 東京都新宿区西新宿4-16-13 MKビル2階(都営大江戸線・西新宿5丁目駅から徒歩3分)
TEL&FAX:03-3373-0180 Web:http://freeter-union.org/uion/ Log:http://d.hateba.ne.jp/spiders_nest/ Mail:union@freeter-union.org
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◎ 解決報告! K社との闘いを終えて
大森 美弥
思い起こせば2年前…定時制高校を6年掛けて卒業した私は、株式会社Kという地元企業に入社した。十代の頃からの自らの目標に近づくためだ。この会社は埼玉県内の居酒屋チェーン店の数多くをフランチャイズ経営しているが一店舗だけ某コーヒーチェーンを自社ビルに入れており、カフェオーナーを目指している私はここでの勤務を希望し、晴れて4月から店舗社員としての勤務を開始した。しかし店舗管理のまともな説明も受けぬまま初日から事実上の「店長」業務。公休は週一、入社前に社長に問いただした36協定の書面は確認出来なかった。
社長が怒鳴り散らすだけの早朝会議の為に週一の休日すら潰れ、クレームが来るまでコーヒーマシンの修理費を出し渋るという全く行き届かない会社の店舗管理、次々と姿をくらます他店舗の店長…余談だが、会議では売上を落とした店長に向けて「お前は北朝鮮と同じ悪の枢軸だ」などととんでもない差別発言すら飛んだ。私の母親の家系は朝鮮人である。冗談などとは受け取れず吐さ気を催した。
異様とも言える様々な事態に耐えきれず身体を壊し入院をしたら、その月の月給は「勤怠控除」により10万円…入院費用で消える。有給を当てはめようにも上司から圧力を掛けられ、いよいよ馬鹿らしくなり社員を降りたら今度はそれを理由にボーナス支給無し。一体何の為に就職したのだろう?自分の目標から物理的にも金銭的にも遠退いてしまった。
昨年6月に正式な退職をしたのだが、この怒りとやるせなさを消す事が出来ずフリーター労組に加盟し、K社との交渉を開始した。十代の頃に地域の未組織労組に関わっていたり組合事務所でのアルバイト経験が有るので労働組合は身近な存在で有ったが、自分が当事者になるというのは初めてだった。
第一回目の交渉の場には、部長課長といった管理職、当時の上司、コーヒーチェーン本社のマネージャー等々これでもかという程の豪華メンツが顔を連ねた。会社に取っても初めての事態だったのか?「何が起きるかわからんし、とりあえず脅威を与えておこう」と言わんばかり。しかし実際声を発したのは管理職二名ほどと後々曲者化する社労士のみ。こちらの要求は全面否定、「入社時の気持ちはどこへ?夢よりお金なのか?」と情で釣ろうとする者も。
二回目の交渉に会社がなかなか応じず大分間が空いたが、その間にアルバイト時代の未払い残業代として5千円が私個人に対して振り込まれたり、会社の役員以上に悪態を貫く社労士が電話で「交渉の事実は無い」と言い張るなど意味不明の行為が相次ぎ事実上の団交拒否が耗く。
在職中再三提示を求め続けた就労規則がやっと示されるも信憑性が薄く、組合と会社との文書や電話でのやり取りが操り返されるが埒があかない…実力行動に出よう!との執行部からの案を受け、昨年秋、組合の一日行動にて会社前のビラ撒き・街頭宣伝を行う。久しぶりにマイクを握り緊張したが皆さんの力を借りて行動は成功し、会社前での訴えの後社内へ入り直接要請書を読み上げ手渡した。
この行動後、会社は再び団交の場へ…同時進行で労基暑へも通い始める。書類を持ち込み職員とのやり取りを操り返す中で、会社の定める初任給はやはり最低賃金割れを起こしていること、該当年度の36協定未提出等が次々と明らかになる。会社側も最初は何かと理由を付けて負けを認めるのを拒んだものの、マック裁判等未払残業に関するニュースが相次ぎ「名ばかり管理職」という言葉が生まれ組合や当該労働者の声が大きくなる最中、会社や社労士の態度も少しずつであるが変化を見せ始めた(勿論根本的な姿勢は全く変わらないが)。
年が明け後二度の交渉を経て、会社側は最低賃金に基準を合わせ再計算された月給不足分と遅延料込の未払残業代、未取得の有給を支払うと回答。対面しての謝罪を受けた。ボーナスの支払に関してはとうとう最後まで認めなかった。「解決金」という形で今後互いの不利益になる行為は行わないという約束を交わし交渉は終了。
勿論、更に大きな視野で争議を続けて行くという道もあったし、多くの従業員や社会を巻き込んで会社の体制を根底から覆す事が必要だとも感じた。しかし私の意志と考えでここで妥協した。
一年近くに亘る長い期間、私の都合で振り回してしまう事も多々あり大変ご迷惑をお掛けしてしまいましたが、ここまで来れたのは組合員や関係する団体の皆さん、執行部の皆さん、交渉の場に同席して下さった方々のおかげです。本当に有り集うございました。心から感謝の意を表明しつつ筆を置きます。
そして交渉上の約束で社名を出せないのが悔しいが、今もK社で働き続けている現場の社員の皆さん、苛酷な労働に耐えるのではなく心身を壊してしまう前にどうか声を発して下さい。一人ではどうしようもない時は、周りの従乗員や労働組合、一人でも多くの人に現状を伝えて下さい。
おかしいのは「過剰な労働」に応えられない皆さんではなく「過剰な搾取」によってしか生き残れない会社です。
お客様第一という言葉を、会社への貢献と履き違えないで下さい。
道は長いかもしれませんが、もしもこの先出会ったその時には私も共に声を上げます。
フリーター全般労働組合書記局
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