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パワー・トゥ・ザ・ピープル!!アーカイブ

東京都の元「藤田先生を応援する会」有志によるブログ(2004年11月~2022年6月)のアーカイブ+αです。

トランプ氏のアカウントを永久凍結した米ツイッター社の決断

2021年02月20日 | 平和憲法
  =メディアの今 見張り塔から(『東京新聞』【日々論々】)=
 ◆ トランプ氏のアカウント永久凍結
   ツイッター社遅すぎた決断

ジャーナリスト・津田大介さん

 米国時間一月六日十三時、トランプ大統領はホワイトハウス周辺で開催された選挙結果に異議を唱える集会で演説し、不正選挙の主張を繰り返すとともに、集まった支持者に「死に物狂いで戦わなければ、もはや国を失ってしまう」と鼓舞し、議事堂に向けて行進するよう促した
 十四時十五分、次期大統領を正式に認定する儀礼的な手続きを進めていた連邦議会議事堂に支持者がなだれ込み、約二時間にわたって占拠した。
 根拠なき「不正選挙」デマに煽(あお)られた人々が、米民主主義の象徴とも言える議事堂を土足で踏みにじる事態に、米国のみならず世界が震撼(しんかん)した。
 トランプ氏の影響力の源泉とも言えるのが、ソーシャルメディア、とりわけ八千八百万人超のフォロワーを抱えるツイッターでの拡散力だった。
 事態を重く見た米ツイッター社トランプ氏のアカウントを永久凍結する厳しい処分を課した。
 トランプ氏が規約に違反したのは今回が初めてではない。むしろ同社は、度重なる規約違反を認識しつつも、例外措置を適用してアカウントを保護してきた。
 そのルールは二〇一八年一月、世界の指導者が「物議を醸す」意見を投稿したとしても、発言の公共性を鑑みて投稿の削除やアカウント凍結はしないとの方針として示された。
 トランプ氏の規約違反を黙認する同社への批判をかわすための場当たり的対応であった。
 その後も、規約違反が疑われる投稿を繰り返したが、同社は黙認し続けた。このことが「Qアノン」をはじめとする陰謀論の苗床となったことは疑いがない。
 消極的な姿勢に変化の兆しが見え始めたのは一九年六月。例外措置が適用される場合でも規約に違反した投稿には警告ラベルとその理由を表示する方針を発表した。
 二〇年五月には、郵便投票の「不正」を根拠なく主張する投稿に対し、「投票の仕組みに誤解を与えかねない情報を含む」として、初めて事実確認を促す警告ラベルを表示した。
 政権からの圧力にさらされながら、以降も自身への抗議デモを恫喝(どうかつ)するようなツイートについて、暴力賛美を禁ずる規約違反だとして非表示化するなど、積極的に対処を進めていった。
 今回の永久凍結の決断は突然の方針転換というわけではなかったのだ。

 しかし、決断は遅すぎたと言わざるを得ない。
 同社はハラスメントやヘイトスピーチなどの社会問題に対処すべく、より厳しい規約の導入や改定を進めてきた一方で、トランプ氏だけをルールの例外に置いてきた。その不作為こそ指弾されなくてはならないだろう。
 ワシントン・ポスト紙の報道によると、トランプ氏のアカウント永久停止後の一週間で、ソーシャルメデイア上の選挙の不正に関する誤情報が73%減少したという。
 ツイッターの隆盛が社会に与えた悪影響。その代償を支払うのは米国民だけでなく、世界中の人々であることを忘れてはならない。
『東京新聞』(2021年2月16日)

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