僕は何故か、桜に興味がないみたい。
桜咲く3月生まれにも拘らず。
これは一体どういう事か。
日本人として生まれてきて、恥ずべき事ではなかろうか。
何となく派手過ぎるのであります。
ポジティブな香りが漂い過ぎるのであります。
「暖かくなって良いですねぇ」
「満開ですなぁ」
などと、世間に合わせた会話をこなしつつ、
この桜の季節を過ごす。
「あぁ、咲いたね」
これ以上でも以下でもない僕の桜に対する思い。
大体、春という季節自体好きではないのであり、
出会いと別れでキュンキュンしたりもしないのだ。
否、キュンキュンし過ぎる自分から、
目を反らす為に備わった防衛法なのかもしれない。
世の中が何となく「前向き」なこの季節に、
うしろめたさを感じる自分からの逃避かもしれない。
何にしても、僕は「春」を直視する事が出来ないみたい。
何のトラウマか。前世で何かあったのか。
理由はまだ分からない。
僕は冬に目を覚ます。
自分の不甲斐なさにも酔えてしまう「冬」こそ僕の季節。
「冬眠」ならぬ「春眠」にはいる。