『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

頭皮、瞼、鼻の下

2020-09-08 21:07:20 | 気付き
いつも、音楽家講座が終わってしばらくたってから変化が起こる。

それは甲野先生の御話しや技が参考になってのこともあるし、時には先生から直にお教えいただいてのこともある。

でもそれらは極稀で、最も多いのは、何かしら漠然としているままなのだけれど、何かが変わる、という言わば意識されない部分で勝手に変化しているような感じ。

以前の日記にも書いたけれど、事前にアンブシュアを作らないようにして笛に触れる、ということでかなり大きな変化があり、3時間半ぶっちぎりで吹いても、何処も痛くならない、という状況となった。

音、響きの変化はもちろんだ。

そのことをご報告した折、

「そうですね。口周辺は、とても首回りに影響しますからね。」と仰ったのだった。

そうでしょ、そうでしょう?

とその時は、思っただけだった。

そして数日後。

一種のスイッチに気付いた。

それは「鼻の下」

あくびをする折にじっくり観察してみるとすぐにわかると思うが、とってもよく動いているのが鼻の下。

そしてその結果、顎が緩む。

フルート演奏において、顎の柔軟性の必要を説いていたのは、かのマルセル・モイーズで、そのレッスンを受けたことのある師匠が、よく仰っていた。

私もアゴは比較的柔らかくよく動く方だったので、その点で苦労したことはない・・と思っていたけれど、それがそもそも勘違い。

間違っていることに気付いたのでした。

顎だけ落とすというのは、もうその時点で既に余計な力みと緊張を伴ってしまっていた。

その上、その状態で、あれこれ操作するのだから、より高まる疲労。

そうではなく、鼻の下をほんの少し下げることにより、全く力みを感じることなく、結果としてアゴ周辺がゆるみ落ちる。

こんな簡単なことにどうして今まで気づかなかったのか・・・?

とハタと気付いたのは、この鼻の下スイッチの効き目は、背骨が緩んでいればこそ、だからということ。

所謂世間一般に奨励されている「正しい姿勢・良い姿勢」という背骨やまっすぐにのばされた膝裏では、なんのご利益もない。

「羊座り」だからこそのスイッチ。

さて。

最初に気付いたのは鼻の下だけれど、最近は、それがさらに瞼に。

眼を見開いて欠伸はできない。

鼻の下を伸ばす前に半眼に。

そしてその数日後は・・

頭のてっぺんの皮を緩めて瞼を半眼に、そして鼻の下、とドミノ倒しの様に変化させる。

結果、最初からこういう生き物だったの、というくらいに顎が落ちるのでした。

頭のてっぺんは、この夏ずっとヘアバンドみたいにしたスカーフに保冷剤をくるんで乗せて歩いていたせいか、かつてないくらいに意識された箇所。

エジプトの貴婦人達を描いた壁画では盛り塩みたいな形状のものを全員が頭頂部に載せているものがありましたが、あれは、香油を固めたものだそう。

体温で徐々に溶け出し、良い香りが漂い出す、という仕掛け。

これもまた、良いイメージです。