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『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

足指と手指

2022-03-21 00:48:34 | 気付き
コモドドラゴンの前脚の動きに気付いてからの身体の変化は劇的でした。

昨晩、眠る前に初めての幾分奇妙な感覚がある。

あれれ?と自分の感覚を辿るのですが、とても奥底の深いところで微かに繋がる何か。

手指と足指が下腹部奥を通して繋がったような。

私の場合だけかもしれませんが、右手指と左足指、左手指と右足指が繋がる。

司令塔はお腹。それもずっと奥。

随分と昔、2003年だったか、甲野先生と出会ったご縁で、桐朋学園の長谷川智先生にご紹介いただいた。

長谷川先生は滝行などもなさっている山伏でもあるとのことで、フルートをみていただいたのだけれど、その折に、手指と足指の話もしてくださった。

足の指も動かしてみるとかね、といった曖昧な示唆に、

「それは右手と右足ですか?それとも逆に右手と左足?」

と質問したら、

「それはご自身の感覚で捜されると良いのでは?」

と仰った。

当時は、今よりももっと繋がりのない身体で、ふんばりも沢山あったから、まだその感覚には程遠く、「いったん保留」という形で、もうずっと忘れてしまっていたものだった。

そうそう。足指をピロピロと動かすことで、響きが良くなる、みたいなことはやっていたっけ・・

でも、それも「固めない」という役に立つだけの使い方。

ようやく自分の感覚として手指と足指が繋がった。
・・コモドドラゴンで腕のアソビが取れたから・・

あの時、長谷川先生が答えを教えて下さらなかったのも、それを知ったからといって、繋がるものではない、ということをご存じだったからか、とようやく納得。

肚を中心とした四肢の繋がり。

まだようやく、そのとば口だろうけれど、これは生まれて初めての感覚で。

今日は、会場でホール練習だったのですが、確信をもって、この新たな技法を使いました。
右手を使う低音、ファからドまでは左足指で出す。

ビーバーのパッサカリアのラメントバスがよりクリアに。

左手が動き回るパッセージでは、右足指を使う。

テレマンのファンタジー第一番冒頭のパッセージがストレスなくできるように。

今まで手指だけで苦労していたところに、力強い助っ人が現れたという感じで、なんだか、夢の様。

そして、こんなに足全体が疲れたのも生れて初めてのことです。

でも、それは全体にジワ~~という感じで、全く嫌な感じがしなくて、むしろ心地良い。

駅の階段もサクサク登れるし、「遊んでくれ!」と家で待ち構えていたピピとも走り回れるくらいの元気さ。

演奏時に、身体全体をフルに使えた爽快感がありました。
子供の頃、外を駆けずり回って、クタクタになってガーっと眠る様な。

足が使われた分、上半身がラクになっている、ということなのかな?とも思います。
何より、この新たな感覚が嬉しくてしょうがない、というのがある。

26日、実際の本番で、どうなるか?は不明ですが、この感覚は多分、一生、自身の新たな「技術」として身体の中に刷り込まれたと思います。

自転車の乗り方を覚えた時の様に。