『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

カテナリー曲線と放物線、そしてスラー

2022-10-05 23:01:57 | 気付き
数学が苦手だ。

なので、カテナリー曲線と放物線の数式を見ても、ただ頭がクラクラするだけで、なんだかよくわからない。

なので、この感覚は、本当にザックリしたものですが・・

前回の音楽家講座の甲野先生の手裏剣における気付きの影響か、私のフルート奏法もカテナリー曲線の恩恵を受けることとなってきた。

本当に、ザックリすぎて申し訳ないけれど、私の中での認識は、放物線は上方向、カテナリー曲線は下方向。

つまり、放物線は重力に挑み、カテナリー曲線は重力に任せて、となる。

ずっと、挑みながら吹いていたのだなあ、と今思う。

決して上向きの放物線なんかでは吹いてはいなかったけれど、なんやかんや言っても歌口の、エッジに対して息を最短距離、つまり直線的に吹き付けているイメージがあった。
特にそうしよう、というのではなく、それが当たり前の感覚だった。

四角の土地を向かい側の角まで横切る時には対角線を通るのが一番最短距離、という認識と同じ様に。

でも、それは、放物線ではないにしても、やはり重力に逆らって挑んでいる息だ。
平面の移動なら直線が最も早いけれど、これが縦方向、つまり地球に対しての移動であるならば・・?

ここから先は、最早、妄想の領域だけれど、息にも重さがあるとすると、カテナリー曲線にした方が、絶対その速さは速くない?

斜め下に真っすぐ渡した樋と、カテナリー曲線の軌道をなぞった樋に同時にボールを転がすと、樋の長さはカテナリー曲線の方が長くなっても、実際に速く到着するのは、カテナリー曲線の方。

重力に逆らわず、身を委ねるだけ。
これは重力を味方に付けている、とも言えるんじゃなかろうか。

アンブシュアとエッジの間に生じる息の糸のとても小さなカテナリー曲線。

ということで、ここにきて、ガラっと吹き方が変わってしまいました。

そこで、楽譜なんだけれど、通常スラーは音符のタマの方に書かれていて、フルートは五線の真ん中より上の音域の音符が多い。

つまり、スラーの形状はいつも上方向のいわば放物線的形状。

人間は、ものの形状の影響をとても受けてしまう生き物、とはかつての甲野先生の言葉で、実際、そうだと思う。
放物線的形状のスラーを見ながら吹くと、そんなつもりはなくても、いつの間にか、その形状をなぞる様に息を出していたかもしれない・・???

ということで、それを全てカテナリー曲線的形状にしたところ、とにかく良いことばかりです。

4時間の合わせ練習の後の、本日のレッスン時の気付きでした。