『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

『徹の部屋 第2回』

2022-07-10 20:49:58 | 音楽・フルート
2019年の王子ホールでのリサイタルや、その後の数々のコンサート、CD録音等でお世話になったチェロ・山本徹さん自主企画のコンサートにうかがいました。

その名も『徹の部屋』。


https://4c99db93-3aa3-45b8-bf85-a1662f8ee050.filesusr.com/ugd/7d3033_eb527efc81df487aa8a4612ef0c78d96.pdf

小さいけれど、音響や空調設備のしっかりとした美しい秘密基地の様な会場。

本当に久々に聴いた山本さんのチェロの響きに心身洗われました。
とても懐かしい響き。
そして、お会いしなかった、この3年の間、大きく進化されているのを感じました。
熟成が進んだという感じ。

後輩の御二人、リンクス・コンソート(チェロ:山根風仁、チェンバロ:山根友紀)
も素晴らしく、瑞々しい響き。

その年齢でないと出せない若さの魅力溢れる音というのもあるのだなあ、と感じたのは自分が年を取ってきた証拠かも。

良いアンサンブルでした。

ボッケリーニのみのコンサート。

フルート作品もあるにはあるけれど、あまり馴染みがないし、演奏される機会も少ない。
正直、あの有名な5重奏の中のメヌエットのフルート編曲版くらいしか知らない。

でも、チェリストにとっては、外せない重要な作曲家。

ボッケリーニの魅力に開眼。

モーツァルトやハイドンと同時代なのだけれど、一人時空を自由に行き来しているような感もある。

バロックぽいな、と思うと、急にロマンティックになったり。
そこらかしこに、人を喜ばせる仕掛けもあり、本当に面白かったです。

ボッケリーニ自身が手練れのチェリストだったので、その楽曲はどれもかなりテクニカル。

ガット弦の響きはダイレクトに細胞が振動する。
チェンバロともとても調和して、新たな響きの相乗効果となる。

エンドピンなしでの演奏だったこともあり、奏者とチェロとが共にダンスしているようでした。

「癒す」という言葉は、本来良い言葉なのだけれど、あまりに手垢が付き過ぎてしまって、ここで使うのはちょっと違うかな?

でも、音楽が人の心身を整え、調和させる、というのは、こういう事なのだろうな、と思う。

しみじみと素晴らしい午後のひと時でした。



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