夏日もあった5月ですが、この日は急激に冷え込みなんと3月頃の気候となりました。
そんな中、林久仁則さん(NHKEテレ「趣味どきっ!」講師)や、
京都からの参加者もあり、盛況の会となりました。
甲野先生は74歳にして、「人生最多忙」とのこと。
混迷の時代だからこそ、より世の中から求められることも増えておいでなのかもしれません。
月2回配信の「夜間飛行」のメルマガを月1回にしてもらって、少しほっとしたところに、まるでそれを見計らっていたかのように、色々な企画が矢継ぎ早に入ってきたとのことでした。
でも、お元気なご様子にほっとしました。
様々な方との交流こそが、先生のエネルギーチャージになっておいでなのかもしれません。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(お話と技)
夢の中で『願立剣術物語』の47段目の教えを想い出していた。
「中央という事 心の中央なり」
今年の秋でこの道に入って丁度45年目となる。
両手で刀を使うと斬り結んだ時はただ競り合うだけとなるのが、左が手伝わないようにすると、威力が出る。
これは剣道界では天地がひっくり返るくらい非常識な話。
(どれ程有効であっても、こうしたことは)「なかったこと」にされる。
これは剣道界、武術の世界に限らず、スポーツ界でも同様。
いくつかの団体に呼ばれて、何人かの選手の目は輝いてきても、それに反比例するように指導者たちは、どんどん元気がなくなる。
世の中は事実より大幅に決まっている事の方が好きなのだろう。
どこかが決めた「お約束」が大事なのだ。
なので関係者が興味を持つのは極々稀。
大体、2度と呼ばれない。
有効かどうかは無関係。
自分は何故か常に超少数派。
両手ではなく片手の方が良い。
今はまた両手を離して刀を持つようになったが、これは依然とは全く違う持ち方。
意識の処理の問題と身体の使い方の問題がある。
自分の周囲にもかなり使える人間が出ているが、みな、全く違っていて、夫々が自分流の「開祖」で、みな原理が違う。
それは(教え教わるというのではなく)みな基本から自分で作ったから。
夫々が個性的で、技の原理を自分で見つけて深めていく。
しかしこれは特別な流儀ではなく日本の(伝統的な)職人の育て方。
著書『巧拙無二』に登場する職人達は「全く教わらない」「ただ作れ」であった。
その雰囲気の中に居る、その環境の中に居ることで身に付いて来る。
(言葉や説明マニュアルを介した)頭からではなく。
(基本に忠実に、と教えるのは)教える人間が金になるし、偉そうに出来るから。
(今自分がやっていることは)左は力のバランスをとるだけ。
(と左手に木刀を立てて載せる)
左は芯を通して「ただある」だけ。
大将が二人(左右)だと左右ワレワレになってしまう。
(『願立剣術物語』にも)「なかんずく左を働かせること大いなる非なり」とある。
技の世界は不思議に満ちている。
しかし、このようなことを剣道界の99・9パーセントは知らない。
(左手を)使わない使わせないのが難しい。
謎の助け方をさせる。
そんな中、林久仁則さん(NHKEテレ「趣味どきっ!」講師)や、
京都からの参加者もあり、盛況の会となりました。
甲野先生は74歳にして、「人生最多忙」とのこと。
混迷の時代だからこそ、より世の中から求められることも増えておいでなのかもしれません。
月2回配信の「夜間飛行」のメルマガを月1回にしてもらって、少しほっとしたところに、まるでそれを見計らっていたかのように、色々な企画が矢継ぎ早に入ってきたとのことでした。
でも、お元気なご様子にほっとしました。
様々な方との交流こそが、先生のエネルギーチャージになっておいでなのかもしれません。
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(お話と技)
夢の中で『願立剣術物語』の47段目の教えを想い出していた。
「中央という事 心の中央なり」
今年の秋でこの道に入って丁度45年目となる。
両手で刀を使うと斬り結んだ時はただ競り合うだけとなるのが、左が手伝わないようにすると、威力が出る。
これは剣道界では天地がひっくり返るくらい非常識な話。
(どれ程有効であっても、こうしたことは)「なかったこと」にされる。
これは剣道界、武術の世界に限らず、スポーツ界でも同様。
いくつかの団体に呼ばれて、何人かの選手の目は輝いてきても、それに反比例するように指導者たちは、どんどん元気がなくなる。
世の中は事実より大幅に決まっている事の方が好きなのだろう。
どこかが決めた「お約束」が大事なのだ。
なので関係者が興味を持つのは極々稀。
大体、2度と呼ばれない。
有効かどうかは無関係。
自分は何故か常に超少数派。
両手ではなく片手の方が良い。
今はまた両手を離して刀を持つようになったが、これは依然とは全く違う持ち方。
意識の処理の問題と身体の使い方の問題がある。
自分の周囲にもかなり使える人間が出ているが、みな、全く違っていて、夫々が自分流の「開祖」で、みな原理が違う。
それは(教え教わるというのではなく)みな基本から自分で作ったから。
夫々が個性的で、技の原理を自分で見つけて深めていく。
しかしこれは特別な流儀ではなく日本の(伝統的な)職人の育て方。
著書『巧拙無二』に登場する職人達は「全く教わらない」「ただ作れ」であった。
その雰囲気の中に居る、その環境の中に居ることで身に付いて来る。
(言葉や説明マニュアルを介した)頭からではなく。
(基本に忠実に、と教えるのは)教える人間が金になるし、偉そうに出来るから。
(今自分がやっていることは)左は力のバランスをとるだけ。
(と左手に木刀を立てて載せる)
左は芯を通して「ただある」だけ。
大将が二人(左右)だと左右ワレワレになってしまう。
(『願立剣術物語』にも)「なかんずく左を働かせること大いなる非なり」とある。
技の世界は不思議に満ちている。
しかし、このようなことを剣道界の99・9パーセントは知らない。
(左手を)使わない使わせないのが難しい。
謎の助け方をさせる。
これは単なるただの繰り返しの延長線にはなく、質的に変化するということが、どういうものか、ということが重要。
(払えない突きの実践)
人は人の心が読めるから、やろうとする感じをなくす。
人間は何故、人混みで倒れることもなく通れるか?
それは相手に触ったところでバランスをとっているから。
(やろうとする感じをなくすと)触れても皮膚感覚で良く分からなくなり、力を抜いて探ろうとするので、そこに斬り込んでいく。
敷物の上に立って、それを引かれてもバランスをとろうとしないようにすることは、100万円やると言われていても困難。
それくらいに足歩行を保つということは刷り込まれている。
この感覚はピアノ等でも、鍵盤をどうするか、というのに応用できるだろう。
落語の名人で、もう何をやるのかわかっているのに笑ってしまう。
始まる前から笑ってしまう。
その人の微細な違いを人は感知するから。
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(個別指導)
1.歌
右に傾いてしまう癖があり、その違和感をなんとかしたい。
胸紐で姿勢が変化し声ものびる。
2.クラッシックギター
指をなめらかにしたい。よりスピードのあるものに対応させたい。
腰痛をなんとかしたい。
指ひもで響き速さともに変化。
腰痛には一本歯下駄が良い。
木を削って寝て腹に垂直に押し当てていき固い処を探しそこを
押す。(井上仲子の筋骨矯正術)。
3.ギター
始めたばかりで、今度初めて人前で演奏する。緊張するので、そのコント ロール方法
を知りたい。
腹の紐で大きく変化。
4.ジャズピアノ
片手ずつだと夫々速く弾けても、両手になると出来ないのをなんとかしたい。
なんとなく見ている感じにする。前に向かって両手の人差し指を同じ向きにまわし、
そのまま手を向かい合わせにしてもそれが変わらないようにできるか?
グーで叩きパーで前後にさする動きを瞬時に左右変換できるか?等を稽古する。
頭の鎖紐で速くなってもできるように。
あたまの紐は瞬時に斜視が治ったり、斜め横にしないと字が書けなかった人が普通に
書けるようになるなど、大きな効力がある。(脳に作用するのか??)
5.歌
舌に力が入って声が硬くなる。
祓い太刀で、紐大きく変化。
科学的エビデンスは皆無だが、緩く巻くと効果があり、きついとだめ、丸紐だと効果
があるが平紐ではだめ。それを感知する人間の意識はびっくりするくらい凄い。
これは決して心理的効果ではない。丸紐は全身を上手く連結、連動して使えるように
する。
6.歌
緊張や固さをなんとかしたい。
丸紐四方襷で変化。祓い太刀でさらに大きな変化。会場中に響き渡る声に。
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(質問)
「熱心と真剣」について
辻斬りにあった茶坊主の話(詳細省略)
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(所感)
今回の一番の特徴は受講生の変化の具合が過去最高ではなかったか?ということ。
もちろんそれは受講される方々の資質に負う部分も多い。
でも、これはおそらく先生の進展の具合の大きさが大きく影響しているのではと思う。
同じに紐を巻くのでも、なんだか違うぞ・・と。
毎回、講座で感じるのは、同じご助言、同じ紐であっても、その都度違う、ということ。
左手はバランスを取っているだけ、と言う言葉は以前もうかがっていたけれど、今回ようやく得心できた。
これが当面の研究課題になりそう。
心の面では、最後に伺った「熱心と真剣」の違いを考えていきたい。
というか考えねば。
親不知の成長に伴った右半身のだるさはより増してきていて、ついには湿布を貼るまでになってしまったので、先生にお願いし、講座前に、祓い太刀といくつかの施術をしていただいたところ、嘘のようにスッキリとし痛みもひいて、視界も広がった。
昔は気合?で歯を抜いたという達人も居たらしい、とうかがいびっくり。
今はそんな訳で、思い通りに練習出来ない状況が辛いのですが、これだけ生えてきてくれたのであれば、きっと術後の回復も早いかな?とやりたいこと、試したいことを色々と様々な奏法のことなど思い浮かべています。
参加してくださった皆様、林さん、会場スタッフの皆様、スタッフSさん、甲野先生、
ありがとうございました!
次回は6月15日(木)です。
どうぞよろしくお願いいたします。
写真は林さんと先生