『笛物語』

音楽、フルート、奏法の気付き
    そして
  日々の出来事など

フルート奏者・白川真理

WAYAZ合宿in富津

2022-10-23 22:14:37 | 旅行
同期バンドWAYAZの合宿でした。
今回はメンバー全員の都合が付かず一泊だけでしたが、早朝からスタートし、昨日は6時間、今日は朝8時から3時間と、セッティングや肩慣らしを含めるとほぼ10時間の練習をすることができました。

蓼科のI君別邸もコロナ禍以降ずっと行っていないので、今回はそちらに、という案もあったのだけれど、一泊だけでは往復で疲れてあまり練習もできないということで。

再びN君友人の富津の別荘に集合しました。

前回は猛暑の7月でしたが、海風が涼しく、夜はエアコンなしで過せたほど。

そして今回、爽やかな空気の秋の富津も素晴らしかったです。

今回は温泉やお土産物屋さんにも行かずにひたすら練習!だったのですが、練習を終えてから「じゃあ、夕日でも見に行きますか!?」と10分程歩いて海岸へ。

刻々と変化する情景に見入って小一時間程過ごしました。

大地、海、空の大きな広がりの中にいると、ただただありがたい、という気持ちが湧いてくる。

海上、夕日の中に浮かぶ雲は大きな白い龍の様でした。





富士山のシルエットもくっきりと。



2020年2月末に予定してフライヤーまで準備していたライブが無期延期。
その後、今度こそ、と何度も企画してはタイミングが合わずに機会を逃してきてしまいましたが、あきらめずにまた企画。

何回目かの今度こそ、のライブはまずはいつもクリスマスで集っていたNちゃんの邸宅にての新年会ライブを1月、そして4月には開催予定だった池袋のライブハウスでの開催を予定しています。

何回目かの今度こそ。

今度こそ叶います様に!











第122回音楽家講座~甲野善紀先生を迎えてin鶴見 10月18日(火)

2022-10-20 21:59:24 | 音楽家講座・甲野善紀先生を迎えて
曇天の一日でしたが、活気あふれる回となりました。

(お話)
特に、ここ最近4年程、自分の中の感覚を技に反映する影観法に取り組んできた。
これは、野口整体の野口裕之先生からの影響。
内観的感覚の世界。

1975年に逝去されたお父様の野口晴哉先生は、音楽家関係者の間でも有名で、海外の巨匠が来日公演を打診された時に、彼に観てもらえるなら、という条件を提示したということもあったそう。

この大(きな存在である)父から(裕之先生は)教え方のみ継承されたが、技術的なことは一から自分で立ち上げられた。

内観・・・イメージとは違って直接的。

相手の身体を自分の身体の中に入れて写す。
(心理的なことも含めて)

打撲した人を観ると三角形が出来る。

火傷は仙椎に三角形が出来る。

家が家事になった人は、本人に火傷がなくても、仙骨に三角形が出来る。

このように心理的なことを含めて、身体にサインが出る。

このような内観を技に使ってきたが、敢えてそうした感覚を止めて上腕を如何に上手く使うかということをこのところやってきた。

それが、野口先生と数時間話した折、内観で上腕を長くしたり短くしたりすれば良いじゃないですか、とご助言を受けやってみると前より上達していた。

偶然久しぶりに会った、元世界チャンピオンのボクサーK氏に試したところ、全く反応できなかった。

内観・・・「これはいける?」と身体に聞いてみるところが、普通のイメージとは異なる。

人間の肉体の動きと直結しているのを間隔だけで動かす世界がある。

しかし、今は感覚ばかりになるとまずいと思い、敢えて具体的な技の世界を綿密にみている。

(木刀で)
鹿島神流下段抜き。


刀は手に対して殆ど動かない。
手だけ、勝手には動かない。
身体がいくことで動く。この前提は踏ん張らず、浮きをかけている状態。
膝を抜いて落ちている間に90度、そして180度向きを変える。
飛び上がるのではなく、落としている間に両足をパンと合わせて打ち鳴らす。

重力から解放された時に何かやること。

左右の足が同時に変わるから向きが変わる。

これが心理的にも、パっとその間何も考えない状態となる。

蹴って動いたり、支点を作った動きは心理的にも×。

内側の円を意識した斬り。
(相手を斬りつけるのではなく)

これをすると正面は良いが、袈裟斬りが何とも不自然で、もっと右に居たいと感じられる。

人間の意欲は0からプラスになる、例えば「勝つ」など、よりも、
マイナスから0の方がはるかに強い。

怪我が治る、断水が解消されるなど、当たり前が失われた時に、普通に戻りたい、と思う。(マイナスから0)
この有難さは強いもので、せずにはいられない。

違和感が生じることこそが大切で、これが向上のためになる。

今、内側の曲線での袈裟斬りに、凄い違和感が感じられるようになったことが有難い。

物事が上達するかどうかは「ここが違うなあ」という無意識の思いを持てるかどうか。

動作自体がなんとかしてくれと、訴えてくる。
今の違和感は、未だかつて体験したことがない技に展開していくだろう。

(こより作成に関しての余談)
昔の本の原稿はこよりで綴じていた。
作家は良い人か酷い人しかいない・・という(編集者の裏話)
酷い作家というのは自分をめちゃくちゃにしておくことで、そういう発想が浮かぶのだろう。(・・何人もの編集者が潰されるという話も・・)

蹴り技も太腿を瞬間的に短くする。
(先生の蹴り技、初披露)

ボールの縫い目を辿る様な、時計回りと反時計回りの話。
表から裏に抜けるようになる。

ヘンなスランプを抜けるのにも良い。
上達も同様。

自分の中で、何かが裏返ったような状態。
上達していない状態からそこになる。

(こより作り実践)
写真参照

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(個別指導)

1.ピアノ
もう少し楽に弾きたい。

指紐で大きく変化。自分の感覚で巻く。





2。ヴァイオリン
始めてから11カ月経つが、難しい。


右腕の腕が頭の後ろから左を抜けるように動かして弓を持つ。



右肘をぐっと内側に入れてから弓を持つ。

四方襷。

指紐。




この4通りいずれでも、毎回響きが大きく変化。


3.声優
身体の力が抜けない。緊張してしまう。声量や音圧が足りないのをなんとかしたい。

胸紐と四方襷。
声量アップ。
何かしようとしたとき、協調してやりやすいようにしてくれる。

四方襷は右からなら効果があるが、左からだと全く効果なし。
僅かな違いが大きく違ってくる。

感覚の中でたすき掛けができるようになると良い。

4.ギター
(楽器はなしで)
Fのコードが関門でこれで挫折する人が多いので、なんとかこれを克服できる方法があれば知りたい。

内観的世界が、ある程度できるようにする。
その上で・・
弦を全部押さえているという状態を自分の中で持てるようにする。

ひとりでに弦の方から呼ばれて吸い付いてくるような感じ。

自分がやっている感をなくす。

とのご助言に受講者の方は

「あ、そういえば、僕は鳴っていないけれど、鳴っていることにしようと思ってやっているうちに弾けるようになりました!」とのこと。


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(所感)
音楽家講座初の「みんなで紙縒りを作る」というのが楽しかったです。

子供の頃、七夕の短冊を飾るために作って以来の紙縒り。

驚いたのは、先生の指の運び方。そして完成した紙縒りの硬さ。

シュっとして多少振っても真っすぐのまま。
指揮も出来そうだし、リンゴも刺せそう・・

それに比べて、私はもちろん、参加者みなさまの紙縒りはみなふにゃふにゃ。

テンションをかけながら同じ幅で、それも重なる部分が多めで巻かれていく紙縒りの美しさ・・

講座の翌日、この先生の紙縒りのお陰でフルートの奏法がさらに大きくモデルチェンジしたのでした。(これはまた後日)

また内側の曲線の中での動きは素人目にも顕著にその変化が感じられ、下段抜きの腕だけでなく全身での木刀の運びも、、動きをゆっくりとしてくださり、わかりやすかった。
フルートのみならず、全ての楽器の構え方に大きな参考となったのではと思います。

Fnコードへのご助言はユニークでメウロコ。
フルートとキィの関係性にも通じていて、これも役に立ちそうです。

参加された皆様、会場スタッフの皆様、スタッフの鈴木さん、
そして甲野先生、

今回も素晴らしい時間をありがとうございました!

次回は11月24日(木)です。
どうぞよろしくお願いいたします!



夏の着物と秋単衣

2022-10-13 23:47:50 | 着物
今年の夏は猛暑でしたが、音楽家講座は毎回着物で。

8月は麻に化繊も混ざった紺色の単衣を浴衣風に着て、白い博多織の半幅帯。

この着物はザブっと洗濯機で洗って、干して置けば、ノーアイロンでもシャキっと着られる、便利なものです。

所謂「洗える着物」というのは、好みではないけれど、混ざっているのは、まあいいか、と。

半襟付けて、絽綴れの帯などにすれば、銀座もOK,という便利な着物です。

せっかくの帯締めが下にずれていたのに気付かなかったのは迂闊でしたが・・






9月は秋にしか着ない単衣。
なので、本当に久々、15年ぶり?くらいに袖を通した金茶の単衣。

紬なのですが、金茶で光沢があるので、帯も光沢のある紺にいぶし銀のものを初めて合わせてみました。

張りのある生地なので、芭蕉布混ざりの麻の着物の次にブワっとしてしまって着るのが難しいのですが、好きな色合い。




10月となり、肌寒い日も増えて、いよいよ袷の季節です。

音楽家講座、コンサート、会食などなど、この秋は何を着ようかな?と

去年に比べて、少しずつ増えてきた予定を手帳に書きながら、

手持ちの着物と帯、帯揚げ、帯締め、半襟で、やったことのない組み合わせを毎回考えるのも楽しいものです。


お気に入りの場所で

2022-10-08 22:22:05 | ピピ
急に寒くなって、暖房がフル稼働の日が続きました。

人間はもちろん、なんといってもピピのために。

ペットショップに居た子猫の頃に、猫風邪ウィルスをもらってしまい、無事回復はしたそうだけれど、このウィルスはずっと残っていて、悪さをすることもあるとのことで、温度湿度を気にかけてやらないといけない、と息子から言い渡されている。

実際、我が家に来たばかりの頃、急に寒くなった日に、風邪をひいてしまった時は、すぐに獣医さんに行って、薬をもらい事なきを得たけれど、鼻水が出て、鼻が詰まって苦しそうだった。

猫の鼻の穴って、本当に小さいのだなあ、とこの時再発見。

・・息子は涙ぐむし・・

寒い日は、特にリビングの中では一番高い場所になる楽譜入れの棚の上が、暖かいのか、お気に入りの場所で、食後は、ここでくつろいでいることが多くなりました。

・・にしても、程がある・・

ドテッとへそ天で、ゴロゴロ。

毎回、初めてのポーズを色々と披露してくれる天性のアイドルです。

 








カテナリー曲線と放物線、そしてスラー

2022-10-05 23:01:57 | 気付き
数学が苦手だ。

なので、カテナリー曲線と放物線の数式を見ても、ただ頭がクラクラするだけで、なんだかよくわからない。

なので、この感覚は、本当にザックリしたものですが・・

前回の音楽家講座の甲野先生の手裏剣における気付きの影響か、私のフルート奏法もカテナリー曲線の恩恵を受けることとなってきた。

本当に、ザックリすぎて申し訳ないけれど、私の中での認識は、放物線は上方向、カテナリー曲線は下方向。

つまり、放物線は重力に挑み、カテナリー曲線は重力に任せて、となる。

ずっと、挑みながら吹いていたのだなあ、と今思う。

決して上向きの放物線なんかでは吹いてはいなかったけれど、なんやかんや言っても歌口の、エッジに対して息を最短距離、つまり直線的に吹き付けているイメージがあった。
特にそうしよう、というのではなく、それが当たり前の感覚だった。

四角の土地を向かい側の角まで横切る時には対角線を通るのが一番最短距離、という認識と同じ様に。

でも、それは、放物線ではないにしても、やはり重力に逆らって挑んでいる息だ。
平面の移動なら直線が最も早いけれど、これが縦方向、つまり地球に対しての移動であるならば・・?

ここから先は、最早、妄想の領域だけれど、息にも重さがあるとすると、カテナリー曲線にした方が、絶対その速さは速くない?

斜め下に真っすぐ渡した樋と、カテナリー曲線の軌道をなぞった樋に同時にボールを転がすと、樋の長さはカテナリー曲線の方が長くなっても、実際に速く到着するのは、カテナリー曲線の方。

重力に逆らわず、身を委ねるだけ。
これは重力を味方に付けている、とも言えるんじゃなかろうか。

アンブシュアとエッジの間に生じる息の糸のとても小さなカテナリー曲線。

ということで、ここにきて、ガラっと吹き方が変わってしまいました。

そこで、楽譜なんだけれど、通常スラーは音符のタマの方に書かれていて、フルートは五線の真ん中より上の音域の音符が多い。

つまり、スラーの形状はいつも上方向のいわば放物線的形状。

人間は、ものの形状の影響をとても受けてしまう生き物、とはかつての甲野先生の言葉で、実際、そうだと思う。
放物線的形状のスラーを見ながら吹くと、そんなつもりはなくても、いつの間にか、その形状をなぞる様に息を出していたかもしれない・・???

ということで、それを全てカテナリー曲線的形状にしたところ、とにかく良いことばかりです。

4時間の合わせ練習の後の、本日のレッスン時の気付きでした。