「冬季五輪、世界選手権等、国際スケート連盟の主要大会で
メダルを獲得した者のみが出場を許される世界初の国際競技会。」
のメダル・ウィナーズ・オープンを見に行ってきました
(公式サイトはコチラ)
最初に出場予定として名前が挙がっていたスルツカヤが決め手となって即チケットを購入。
同じくらい楽しみにしていたサラ・ヒューズがコンディション不良(・・・減量失敗?)で欠場でしたが、
代わって入ったのが懐かしのキミー・マイズナーで、
男子も私がフィギュアを見るようになって一番初めに好きになった
クーリックや、伝説のキャンデロロ等、
何気に翌日開催のジャパン・オープンより豪華な顔ぶれで(プル見れないのは残念でしたが)
しかもジャパン・オープン(JO)、カーニバル・オン・アイス(COI)と比べて
チケット代が一番安いという超お得なイベントでした
因みに早期割引価格でチケットを入手しましたが、
最速先行予約でSS席を狙ったものの見事に外れてしまい、
次で外すと割引にならないので妥協でS席にしましたが、
当日会場に行ってみたらSS席でも結構空席が目立っていて
(というか全体的に結構ガラガラでまとまった空席が目立っていました)
これなら通常価格でSS席狙っておけばよかったと後悔しました
滑走順はこのとおり。6分間練習が3人区切りって贅沢というか時間かけ過ぎだなと思ったら、
予定(会場公式サイトによると21:30終了予定)より大分時間が押してて、
22:00を過ぎてようやく女子の表彰式が終わったところだったので、
男子の表彰式は泣く泣く諦めて途中で帰ってきました
さて、まずは女子の感想から。
(略称ESは要素点(技術点)、PCSは演技構成点(芸術点))
予定演技構成はスポーツナビから拝借しました。
リザルトはJSFから拝借しました(女子と男子)。
1.サラ・マイアー:4位【ES@22.85+PCS@31.68=54.53】
予定演技構成:3Lz/2A+2T/2A/ChSq/LSp/Fcsp/CCoSp
実際:2Lz/2A+2T/2A/ChSq/LSp(4)/Fcsp(2)/CCoSp(1)
クリスティーナ・アギレラの曲で、衣装にも工夫があって、なかなか見ごたえありました
今大会の進行はちょっと独特で、テレビでやるような
選手紹介の煽りVTRに続いて選手がコールされてリンクインする形でしたが、
サラについてはスピンがクローズアップされて、「サラまわる」とか
おかしなキャッチフレーズまで登場して(皿回しと引っかけてんの?)
ちょっと興を殺がれた感が否めない演出でした
スピンは確かにきれいだったけど、見どころはそれに限らないので、
あの煽りVTRははっきり言って不要だと思います。。。
普通に先週のインタビューで意気込みだけ紹介すれば十分
2.キミー・マイズナー:6位【ES@21.36+PCS@30.54=51.90】
予定演技構成:3T/3Lo/CCoSp/CoSp/2A+2A+SEQ/ChSq/FCSp
実際:3T/1Lo/CCoSp(3)/CoSp(4)/2A/ChSq/FCoSp(2)
ボーカルなしのロミオとジュリエット。
煽りVTRでのインタビューにもありましたが、
上手くできたら現役復帰も狙っているということで、
その通りの演技構成&楽曲選択と言う感じ。つまり正統派で勝負してました。
やっぱり現役時代よりお肉の量がかなりボリュームアップしてましたが、
キミーが滑ってる姿を見ることができただけで満足です
まだ若いし、ちゃんとトレーニングしたら現役復帰も十分いけそうだけど。。。
ジャンプの失敗がなければ(特にシークエンス)最下位脱出出来たのに残念。
3.ラウラ・レピスト:5位【ES@20.18+PCS@32.80=52.98】
予定演技構成:LSp/2A/2A/3T+2T/FSSp/CCoSp/ChSq
実際:LSp(3)/1A/2A/2T+2T/FSSp(3)/CCoSp(4)/ChSq
赤と黒で扇子を持った時点でフラメンコ系かと思ったら、マラゲーニャで登場
キレがあってメリハリもついて良かったと思いましたが、
やっぱりジャンプの失敗が響いてサラの点数を上回ることはできず。
でも演技全体の印象としては、サラよりラウラの方が良かったです(その証拠にPCSはラウラが上)。
ここまでは滑りのスピードも遅く、2A祭りと言う感じで、
3人の得点を見ても、芸術点が特に重視されてるということもなく、
技術点がカギになってくる展開だったので、
メダルは後半グループ3人に絞られたという展開になりました。
6分間練習で後半グループがリンクイン。
3回転を跳ぶ選手が増えて、スピードも前半3人と比べて速く、
やっぱりオリンピックメダリストの実力は折り紙つきだと思いながら鑑賞。
ウォームアップからものすごい緊張感 確実に試合の雰囲気でした。
3回転合戦、コンビネーション合戦と進み、
最後は荒川が3+2+2(多分3T+2T+2Tかな?)を披露したりして、
トリノと同じくここから既に駆け引きが始まっていた模様です
4.ジョアニー・ロシェット:2位【ES@28.18+PCS@35.29=63.】
予定演技構成:3T+2T/2A/2A/3T+2T/FSSp/CCpSp/ChSq
実際:3T+2T/ChSq/FSSp(1)/3S/CCoSp(2)/LSp(2)
(予定構成とかけ離れてるのは元々間違ったデータなのか、勝ちに行って変えた結果なのか?)
真っ赤な衣装に豹柄スカーフ、大きなサングラスとセレブっぽい衣装で登場。
曲もボーカル入りで、演技全体でとても完成された世界観を披露していました。
さすが唯一の現役選手(実質プロ活動中ですが公式には引退していないので)。
ロシェットはいつみても背筋がムキムキで、セレブルックでも美しかったです
GOEでちょっとマイナスがついたり、完成度で荒川に一歩及ばずと言ったところでしょうか。
でも後半にトリプルジャンプを2つ入れるのは、さすが一番現役に近い選手です。
5.荒川静香:1位【ES@29.32+PCS@35.48=64.80】
予定演技構成:2A+3T/3T/FCSp/ChSq/3S/CCoSp/LSp
実際:2A+3T/3T/FCSp(4)/ChSq/2S/CCoSp(2)/CoSp(3)
メンツを見たときから、荒川静香優勝で硬いだろうと思っていましたが予想通りの結果でした
最初に登場した時点でこの衣装は間違いないと思ったらやっぱり白鳥の湖でした。
ロシェットが滑った時点で、前半3人と比べても完成度が高く、
同じくらいの演技内容で荒川が勝ったら既定路線だったんじゃないの?
(開催国だし、女子では唯一五輪金メダリストだし)
と思うところでしたが、実際に演技を見たらロシェットとの差は一目瞭然。
全ての要素において完成度が高く(GOEでマイナスが一つもついてない)
特にスピンが素晴らしかった
そして最後にリンクを大きく使ってレイバックイナバウアーでフィニッシュときたら、
もう優勝間違いなし、ということでめでたく初代チャンプに輝きました。
6.イリーナ・スルツカヤ:3位【ES@27.41+PCS@34.56=61.97】
予定演技構成:3F/3Lo+2Lo/LSp/ChSq/2A/FCSp/CCoSp
実際:3F/3Lo+1T/LSp(2)/ChSq/2A/FCSp(2)/CCoSp(3)
子持ちと思えないほど、というか現役時代よりも痩せたかも
ほっぺたは相変わらずポッチャリでキュートでした
コールされてからスタートポジションに着くまでの1分間は、
他の選手は割とすぐにポジションに着いたけど、
スルツカヤはたっぷり1分近くギリギリまで使って会場を自分の世界に飲みこんでました。
ロシア民謡?のメドレーで最後は黒い瞳でフィニッシュ。
観客はやっぱり年季が入った人が多かったので、スルツカヤへの声援は半端なかったです
とてもよかったと思いますが、やっぱりコンビネーションジャンプの失敗と、
スピンのレベル取りこぼしが敗因でしょうか。
PCSはもう少し高くてもいいんじゃないかと思いますが、
上位3人でのこの順番は妥当かなと。
楽曲3曲はちょっとめまぐるしく変わりすぎて、
ロシェットと荒川に比べると若干落ち着かない感じだったかなと。
でも一番現役から遠ざかっていて、しかも最高齢なのに、
一番高難度の3Fを跳んだというだけでもう特別賞に値します
アイスショーでもっと日本に来てほしいです
ここで特別ゲストとして、シンクロナイズド・フィギュアの全日本優勝チームによる演技披露。
You Tubeで世界トップレベルの演技を何度か見ましたが、
まだまだそのレベルには遠い感じ。シンクロされてない部分が多かったです。
でも女性同士でリフトしたりとか、見ごたえはありました
そこから20分の製氷作業を経て男子の部へ。
まずは前半グループの6分間練習から。
女子のときからちょっと思ってましたが、3人だけで6分練習というのは
ちょっと時間が長すぎのような。。。
男子は特にオッサン率が高いので(最年少でバトルの30歳)
前半グループの若者の部から既に途中で休憩したり、
ウォームアップの段階で疲れちゃってました
因みにヤグディンが氷を削って色々マーキングしてました。
1.ジェフリー・バトル:1位【ES@36.02+PCS@47.38=83.40】
予定演技構成:3Lz/3T+1Lo+3S/CCoSp/ChSq/FSSp/2A/FCCoSp
実際:3Lz/3T+3T/CCoSp(3)/ChSq/2A/FSSp(3)/FCCoSp(4)
女子の流れからしても、一番現役に近い(JOにも出場してるし)ので、
まあ順当に行けばバトルの優勝だろうと思ったら2位に10点差以上を付けた圧勝でした
1番滑走だし、妹曰くユニクロのような何でもない地味な衣装で
なんとなく印象が薄くなりましたが、やっぱり振り返ってみると
全ての要素において完成度が高く、あの美しい滑りにすっと引き込まれて
あっという間に3分半が経過したという感じでした。
唯一このメダル・ウィナーズ・オープンに加えてJOとCOIの全てに出場するということで、
2日間大忙しのバトル君でした(煽りVTRの「働き盛り」はどうかと・・・)。
2.本田武史:4位【ES@27.17+PCS@42.15=69.32】
予定演技構成:FSSp/3F/3A+2T/CCoSp/3T/ChSq/FCoSp
実際:FSSp(2)/3F+2T/3A/CCoSp(1)/2T/ChSq/FCoSp(1)
現役時代より派手なんじゃないのと思うような正統派コスチュームで登場。
実は現役時代の衣装で、演目もそのままトスカ(現役時代のトスカは見たことないけど)。
6分間練習でまさかの3Aチャレンジ(転倒)
メンツ的にも優勝を狙うのは厳しいので(芸術より技術派だし、経歴でも一番下だし)
どうやら煽りVTRを見ても、本人的にはこの3Aに命をかけての出場のようでした。
そして運命の3A。お手付きになったものの見事着氷
かなり強引に跳びに行ったので、GOEはマイナス評価でしたが、
それでもきっちり回りきっての3Aでさすがでした。
体も大分絞ってたし、今年のCOIはいつも以上に歓声がわき上がりそうです
3~5位が69点台で1点差以内での接線でしたが、
あのヤグディンを抑えての4位は立派な成績です。
というか3A成功させたのは殊勲賞に値すると思います
3.アレクセイ・ヤグディン:5位【ES@23.67+PCS@45.43=69.10】
予定演技構成:3F/3S/3T/ChSq/CCoSp/Sp/Sp
実際:3T/3S/3T+2T/ChSq/CCoSp(1)/FSSp(1)/FSSpB(ノーカウント)
現役時代の成績だけなら圧倒的にNo.1候補のヤグディンですが、
やっぱり高難度ジャンプが跳べなくなった体でどこまで出来るかがカギとなりました。
最近ではなんと役者もやっているそうで、
芸術点では現役時代さながらの高得点を稼ぎましたが
(照明も上手に使って一人違った世界観を演出しながら、随所に現役時代の振付もみられたり)
ESが足を引っ張ってまさかのビリ2位。
でもスピンがオールレベル1で、さらに最後ノーカンになっていたので、
敗因は100%スピンにありました。。
キス&クライではまさかのモロゾフ登場で、常に沸きっぱなしの声援がさらに大きくなってました(笑)
続いて後半グループの6分間練習。
こちらは若者チームに輪をかけて体力が持たない御様子で、
特に年寄り二人(カートとロロ)はウォームアップ3分、ファンサービス3分みたいになってました(笑)
キャンデロロは登場した途端に演目が判明。
伝説の三銃士(ダルタニアン)でした
そしてカートも同じく伝説の雨に唄えばで、オッサンの部は今大会の真骨頂となりそうです
4.フィリップ・キャンデロロ:6位【ES@14.91+PCS@40.72-4.00=51.63】
予定演技構成:3Lz/3T+2T/Sp/Sp/3S/ChSq/2A/CoSp
実際:UpSp(1)/3Lz/2T+2T/FCSpB/SSp(ノーカン)/3T/ChSq/CCoSpB(ノーカン)
技術点が圧倒的な最下位
意地で跳んだ3Lzも後半の3Tも転倒になって合計でマイナス2に。
(因みに3Tもコンビネーションの2Tのトウの着き方が気合入りすぎてLzに見えるほどでした・笑)
さらにIllegal Element(無効な要素)があってマイナス2が付いて合計マイナス4
因みにこの無効な要素はバックフリップのようで、正座スピンはノーカンだけど減点は免れた模様。
・・・ということで、お腹もちょっとポッチャリ出てきて滑りも遅かったけど、
バックフリップや雄たけびからのダルタニアン・ステップなどは現役時代を彷彿とさせるキレで
とてもメリハリがあって会場を虜にしてました
煽りVTRで観客にもジャッジにもサプライズを用意してると言ってましたが、
どうやらあれはジャッジ席での得点の不正操作だった模様(笑)
どうせ操作するならスピンの得点もっと上げちゃえばよかったのに
あと、高橋大輔の道の振付のパクリっぽいところもありました。
(コイントスとか、ジャッジに花を上げたように見える振付とか。)
40歳でのバックフリップは本当にすごかったです
ただ、大会の趣旨から言っても、スピンやバックフリップが加点対象にならないのは不満ですね
ああいう現役ルールで評価されない技こそきちんと評価してもらえたら
もっと面白い大会になりそうなのに。。。
5.イリヤ・クーリック:3位【ES@27.15+PCS@42.78=69.93】
予定演技構成:3F/3Lo/CCSp/3Lo/FSSp/ChSq/CCoSp
実際:3F<</3Lz/CCSp2/3Lz+2T/FSSp1/ChSq/CCoSp2
前後を生粋のエンターテイナーに挟まれてしまったクーリック。
衣装も音楽も地味で今一つぱっとしない感じでしたが、
一つ一つの動作が美しく、静かに魅せられる演技で地道に点数を稼いで堂々の3位入賞
冒頭のフリップが回転不足(回転がほどけてステップアウト)になってしまったのを、
3Lzで取り返すどころか、最後に3Lzからのコンビネーションを決める辺り、
勝負にかけるアツイ思いが伝わってきました
6.カート・ブラウニング:2位【ES@23.35+PCS@48.22=71.57】
予定演技構成:FSSp/ChSq/3S/CCSp/3T+2T/2A/CCoSp
実際:FSSp(1)/ChSq/3S<</CCSpB/3T+2T/2A/CCoSp(3)
もうすごいの一言これぞエンターテインメント
特にあの一連の動作からつなぎ目なしのサルコウはすごかった
あまりにも助走がなさ過ぎて(&回転不足になったし)
あれ、今のジャンプ?と思ってしまうほどでした
年季の入ったプログラムですが、それだけに完成度が高く、
滑りにくい衣装を身にまとったうえでの傘を使ったパフォーマンス等、
PCSで10点を付けるジャッジ続出で本当に素晴らしい演技でした
表彰式でも色々面白いことをしてたらしいですが、
帰りの電車に間に合わないので途中で帰って見逃してしまったのでとても残念です
月曜のテレビ放送でちゃんと流してくれるといいんだけど・・・。
蓋を開けてみたら、結局通常の採点方式と殆ど変らず、
芸術点だけで技術を上回るカバーができたのは男女通じてカートだけ、
他は殆ど技術点の差、もっと言うとスピンのレベル取りで順位が決まったという感じ。
折角こんなにものすごい選手たちが集まったんだから、
やっぱり身体的ハンデ(年齢や怪我)を考えても
もう少しPCSに重きを置く(というかいっそPCSだけの勝負でもいいくらい)
内容にしてもらったら、順位もかなり変わっただろうし
もっと楽しめただろうな~と思いましたが、
現役を引退した選手たちがそれぞれこの試合を目いっぱい楽しんでる姿を見ることができただけで、
ものすごい満足した大会でした
今日はJOで現役選手が戦い(プルを生で見たかった)、夜は全選手が出場しての豪華なCOI。
そしてテレビでは今夜から3日連続で3つのイベントを全て放送するようです。
とりあえず生で見たメダル・ウィナーズ・オープンを含めてテレビ観戦楽しみたいと思います
できればまた競技での演技を見たいな~。