Plaza de Montes~報告書~

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ミュージカル報告・その31:tick, tick ... BOOM!

2006-10-27 19:00:00 | ミュージカル報告

【DATA】
2006年10月27日 @世田谷パブリックシアター
音楽:  振付:  ストーリー:
珠玉の一曲:Sugar
購入グッズ:プログラム(写真)

【COMMENTS】
RENTの作者ジョナサン・ラーソンの自伝的ミュージカル日本語版の再演。

初演のメンバーは山本耕史、YUKI(TRF)、大浦龍宇一の3人でしたが、今回は主演の山本耕史以外のメンバーが変わり、愛内里菜とゲイリー・アドキンス(キムタク出演のGATSBYのCMで「CAN'T GIVE YOU ANYTHING」の替え歌を歌ってる人!)というどちらもミュージシャンのキャストが加わりました。

キャストが発表になった時点で疑問に思ったこと:ゲイリーは果たして日本語で歌うのか??

その答えは・・・たどたどしい日本語でしゃべり、歌いながらも所々は英語の台詞、でした。

1~2文程度の簡単な英語をしゃべった後に、関連性のある台詞を日本語でしゃべっていましたが、英語が分からない人にはチンプンカンプンだったのではないかと思います

因みに山本耕史とのデュエット曲「No More」は一曲通して全てオリジナル通りの英語の歌詞で歌っていました。

基本は日本語の舞台なので、通常のブロードウェイ来日作品のような字幕スーパーの電光掲示板はなかったのですが、ここは演出が工夫されていて、ステージの上方にコンクリートで屋根にしてはずいぶん分厚いスペースがあると思っていたら、ここに字幕(英語の歌詞が流れて、同時に日本語訳も映し出される)が出ていました。

各キャストについての感想。

まずは愛内里菜。なかなか声量があって、高い音もきれいに出せます。YUKIよりも歌唱力が上のように感じられました。

マイナス面は、演技力。見た目から想像していたとおりの高い声で、ちょっとアニメ調で、聞いていてあまり気持ちのいい声ではなかったです。。。踊りもイマイチ。この日が初日で、彼女にとっては舞台初出演ということで、緊張があったのかもしれませんが、踊りにかけてはYUKIの方が上でした。

特に「Green Green Dress」でのバルコニーで柵を乗り越えながら歌うシーンのRENTのミミが歌う「Out Tonight」を彷彿とさせる振り付けが、ただスカートのすそをひらひらさせるだけの踊りになってしまって残念。

彼女のソロ「Come to Your Senses」は声量がたっぷり且つYUKIよりも安定した歌声で、聴いていて鳥肌が立ちましたが、あれはミュージカルの舞台というよりは彼女のソロライブを聴いているみたいでした

あと、何度か台詞の出だしを間違えて山本耕史とかぶっていましたが、これは公演を重ねれば解消されるでしょう。。。

次はゲイリー・アドキンス。今回のキャストの中で、やはり歌唱力は抜群。初演の大浦龍宇一はシャウトで力任せの歌い方でしたが、ゲイリーは余裕で高音を大きく出せます。この実力は、他のキャストとは比べ物になりませんでした。聴いていてすごく気持ちのよい歌声。

マイナス面は、日本語のたどたどしさ。まあこればかりは仕方がないか。。。これも公演を重ねればどんどんうまくなってくれるでしょう。とにかくあの歌唱力には惚れました

ただ、今回の舞台で披露した歌声とGATSBYのCMでの歌声は別人のよう。キーが違うから当然かもしれないけど。。。

最後に山本耕史について。総合評価では、今回のキャストの中でダントツの1位。歌唱力も演技力も抜群の安定感を誇っていました。

彼だけが初演版に出演しているので、経験の差もあったでしょう。しかし、元がジョナサン主演の一人芝居ということもあって、主役の彼の台詞量は半端ではありません。しかも内容は哲学的で、よくもまあこんなに覚えきったものだと感動。

2箇所ほど台詞をかんだところはありましたが、台詞は完璧に覚えきっていたので、そこはさすがでした。

歌唱力も、舞台を重ねるごとにレベルアップしています。一緒に観たRENT HEADS仲間のIさんに「彼ならRENTのロジャー役も務まる!」と言わしめたほどの心地よいハスキーボイスで力強いロックを歌い、昔よりも伸ばした音が安定して、ビブラートもキレイに出せていました。やっぱり彼の実力は素晴らしいと思います。

今回一番気に入った曲は「Sugar」。なぜなら、RENTの「La Vie Boheme」の振り付け(序盤のマークのソロのバックでマーク以外全員で席に座って披露する振り付け)を山本耕史とゲイリーが披露してくれたから!!これは初演にはなかった演出。

他にも初演のときからおなじみの「Will I?」の伴奏のギターも健在だったし、今回新しく増えた演出で、何の歌かは忘れましたが、日本語版の「Rent」の歌詞「捨てきれない、逃げ切れない」が登場したり、RENTを強く意識した演出になっていました。

また、衣装も初演のときとはかなり変わっていて、Green Dressはより歌詞に近いイメージだったし、劇中劇Superbiaの衣装も、映画版RENTのDVDの特典に入っていたジョナサンのドキュメンタリーで説明されていたイメージに近づいていました。

初演を観たときよりも自分が30歳に近づいたということもありますが、RENTの特典DVDで、この頃のジョナサンが何を考え、どんな現実と向かい合って生きていたのかということを知ってから今回の舞台を観たので、初演のときよりもすごく感動したし、考えさせられたし、作品の持つパワーにもより圧倒されました。

これを踏まえて、来月のRENT来日公演を観たら、さらに感動が増すと思うので、来月が本当に楽しみ

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