マルクスは唯物史観を説きますが、「生長の家」は唯心史観であります。
近代の経済組織は節約しなければ万一の為に困ることが起る、という
人間の恐怖心が原動力となって築かれたと観るのであります。
この恐怖心がもとになって富が一部に蓄積され、有無相通ずる流通が完全に行われないために、
貧富の懸隔が益々はげしくなり、資本家が無資産家を脅かすようになったのであります。
だから、この不完全な経済組織を改造するには、何も制度そのものに
斧鉞(ふえつ)を加えるには及ばない。
人間の心からこの恐怖心をとり去り、財を吾々は蓄積しないでも、
吾々の生活になくてならぬものは必ず神が与え給う ー
換言すれば無尽蔵の大生命から与えられる ー という大信念を
人間に与えるようにすれば好いので、
こうすれば財が或る一箇所に偏寄って有るという畸形な状態はなくなって、
全体の人間に平等に富が循環するようになるというのであります。
新 編『 生命の實相 』第 4 巻 P 209-210 谷口雅春先生
頭注版『 生命の實相 』第 2 巻 P 193-194
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