東野圭吾著「さまよう刃」を読んだ。
テーマは‘少年法’。
平凡な日々を送っていた父と娘に突然悲劇が。
娘が少年グループに拉致、蹂躙されあげくに命を落とす。
残された父は復讐を誓い、一人を殺害し残る一人を付け狙う。
「たとえ犯人が逮捕されても少年法で守られ、たいした罰を受けずにすぐに社会復帰してしまう。法が罰してくれないのなら俺がやるしかない」と。
世論はおろか警察までもが彼に同情するが、しかし立場上警察は彼を追わざるを得ない。
そして衝撃の結末が・・・
事件にかかわった警察官が最後に漏らす言葉。
「警察というのは何だろうな。正義の味方か。違うな。法律を犯した人間を捕まえているだけだ。警察は市民を守っているわけじゃない。警察が守ろうとするのは法律のほうだ。法律が傷つけられるのを防ぐために必死になってかけずりまわっている。ではその法律は絶対に正しいものなのか。絶対に正しいものなら、なぜ頻繁に改正が行われる?法律は完璧じゃない。その完璧じゃないものを守るためなら警察は何をやってもいいのか。人間の心を踏みにじってもいいのか。」
法律とは何か? 正義とは何か?
現代社会に潜む問題点を映し出す心揺さぶる作品。興味のある方はぜひご一読を