3年9か月ぶりの釣り~
王道の魚より食味魚を優先する。
小物だっていい。
カニだって釣る。
釣りのプライトなど捨てた。
美味しければそれでいいのだ。
木っ端グロの唐揚げが激ウマだった。
次はクロ(メジナ)を狙う。
クロは時期と釣り場で天と地ほどに味の差がある。
冬のクロは釣ってよし、食ってよし。
おまけにこれは王道の魚でもある。
初のワカサギ釣り。
なにしろ風か強くてアンカー(錨)が流されてしまう。
限られたポイントでしか釣れないので常に船を動かしてないと釣りにならない。
私は初めと終わりだけ釣って、あとは終始船頭役に徹する。
流されては戻し、流されては戻し、ときには岸に乗り上げようとしたり、人の船に
当たりそうになったり、係留ロープがスクリューに絡んだりと最後まで悪戦苦闘。
楽しむどころではない。
前半、一時はボウズかと嘆いたがなんとか夕方まで頑張って100匹を超える。
ただし、そのうち私が釣ったのは4匹だけ。
あとは娘とオカンの釣果である。
しゅあない。
今日は釣りより食べることを優先した。
ワカサギの天ぷらはそれに見合うだけの極上の美味しさなのだ。
瀬渡しで磯釣りにいって、大きな地震がきて、10m級の津波警報が出る。
津波到着まで30分。
はたして船頭は助け舟を出すだろうか。
?
まず、こねえな。
家族での磯釣りは今日が初めてである。
予報通り、釣りの後半風が強くなる。
風にあおられてオカンのボウシが飛ぶ。
足元に落ちて潮に流されそうになる。
慌ててオカンがボウシを追う。
私 「無理せん。ボウシごときで」
その一時間後、今度は私のボウシが飛ぶ。
足元に落ちて潮に流れそうになる。
竿を延ばしてボウシを追う。
オカン 「そのボウシ高かけんね」
◆
この日の釣果。
オカンのひとり勝ち。
あらかぶ爆釣。
他三名、楽しむ程度に釣る。
オカン 「シイラとサワラは同じやろ」
娘 「違う」
オカン 「シイラの日本名がサワラやろ」
娘 「ぜんぜん違う。サワラはサバに似とる」
だまって聞いている私。
たしかにシイラとサワラは釣り魚としての性質は似ている。
いずれも獰猛で悪食なファイターだ。
しかし、見た目は相当違う。
上シイラ、下サワラ。
顔がまったく違う。
スコット・ノートンとエドワード・ノートンぐらいに違う。
いずれの魚も釣ったことがある。
そのときオカンも直接目にしているのだが・・・
おととい日曜の午後から島に渡り、夜釣りをした。
夜中の3時まで釣って、しばし車の中で仮眠をとる。
朝一のフェリーで帰る予定で携帯の目覚ましを5時に設定する。
明け方、娘の声で目が覚める。
「フェリーが来よる。今何時?」
娘が自分のアイフォンで時間を見る。
6時28分。
エェーーー!
フェリーの発着は6時35分。
頭も体もフラフラしながら車の外に出る。
防波堤にはまだ大量の釣り具が放置されたままだった。
リールの付いた竿が6本。
道具箱は大小5、6個。
椅子に大型クーラーに撒き餌バケツに水汲みバケツに掃除用バケツ。
広げたままの寝袋が二つに組み立て式ベットが二つ。
そのうちのひとつに娘の旦那がまだ寝ている。
その他、釣り場全体に散乱したもろもろの小道具類。
半端ない数、半端ない量。
すべて片づけて車に乗せるのに最低30分はかかる。
一目見て諦める。
こりゃだめだ。
防波堤からフェリー乗り場まで行くのに3分はかかる。
残り4分で片づけないといけない計算になる。
フェリーは目の前、汽笛を鳴らしながらすぐそこまで迫まっている。
無理とは分かっていてもドタバタしながら片づける。
片づけながらも諦める。
それでも片づける。
また諦める。
娘の旦那がひとこと。
「竿類は手に持ってフェリーに乗り込みます」
おーその手があった。
それなら間に合うかもしれない。
いや、それでも間に合わない。
開き直ってバタバタと車の中に道具を詰め込む。
フェリーはこの朝一の便を逃すと、次の便は5時間後。
娘たちは今日日中いろいろ用事があってこの便に乗らないと困ったことになる。
娘夫婦と私とオカンで死に物狂いの格闘の末、どうにかこうにかフェリー乗り場にたどり着く。
間一髪、ほぼリミット、いや10秒遅れで乗船に間に合う。
あとはフェリーの中で手荷物の片づけをせっせと行う。
今回の教訓。
気を付けろ、私の携帯はドライブモードにすると目覚まし音が聞こえない。