先に言っておく。
霊感は信じないが、私の感は鋭い。
で、昨日のこと。
東京から待ちかねていた書類が送って来た。
時間は午後1時。
際どい時間になってしまった。
400ページの書類をコピーしてファイルするのに1時間強かかった。
これからO市役所→Y役所→J建築審査機関の用事を済ませた後に、
K市役所にこのファイルを届ける。
はたして5時までにすべてを終わらすことができるだろうか。
それとも、無理をせず、明日の朝一番に行動すべきだろうか。
いや、3時間あれば間に合うはず。
ここは一日でも早く終わらせるべきだ。
荷物が多いので二回に分けて車に持ち込む。
一回目はバックと別件の書類一式。
二回目は分厚いファイル二冊を車に運ぶ。
と、運転席のドアの外に小さなビニール袋が落ちていた。
これは申請データーを保存したUSBの袋。
中身がない。
USBが入ってない。
車に運んでいるときに落としたに違いない。
車から玄関までの10メートルの間を探す。
探しながらはたと思う。
というより、ビビッと感じ取る。
潜在意識が、これはなにかのサインではないかと警告する。
つまり、このタイミングでUSBが無くなったのはなにかの危機を知らせるサイン。
端的にいうと、このまま急いで車を走らせると事故るぞ、というサイン。
遠まわしに、提出は明日にしろ、といっているのではないのか。
バカな、といいたいが私の感は侮れない。
これほど顕著なサインを無視することはできない。
いや、まてまて、ここはともかくUSBの行方を探すのが先だ。
行動の選択はそのあとに決めればいい。
車と玄関までの地面を何度も行き来して見直す。
ない。
どこにもない。
見つかりそうにない。
時間がない。
こんなことに時間を費やすくらいなら新たにUSBにデーターを入れ込んだ方が早い。
落としたUSBはあとで探せばいい。
玄関を開け、事務室に向かおうとしたら、玄関の床にUSBが落ちていた。
これだ。
よし、あとは行くか行かないかの選択だけだ。
しばし立ち止まる。
考える。
匂う。
強く匂う。
過去の経験から「警告のサイン」の匂いがプンプンする。
迷う。
とどまるべきか。
行くべきか。
だが、心のテンションは行けといっている。
決断。
行くぞ。
安全運転すれば大丈夫だ。
ここは勝負に徹する。
以下、O市役所→Y市役所を無事に終わらせる。
運転は至って順調。
事故など起こる気配すらなかった。
3時50分に某建築審査機関に到着。
目標タイムより10分早かった。
ここで30分費やしたとしても5時までに楽々K市役所に行ける。
完全なる私の勝利だ。
サインなど無意味な妄想だったのだ。
J建築審査機関で、その人騒がせなUSBを渡す。
時計を見ながら余裕の笑みを浮かべていたら、USBを渡したおじさんが一言。
「まったく違う物件がはいっとる」
つまり、そういうことだったのだ。
今回のサインはただ単に「USBの中身が違うぞ」というサインだったのだ。
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