時、うつろいやすく

日常のたわいもない話…
だったのが、最近は写真一色になりつつある。

『ルーム』

2017-04-29 00:21:28 | 映画・海外ドラマ

少年は胎児。

ルームは羊水に満たされた母親の胎内。

悪辣な父親は母親を凌辱する男根。

天窓の明かりは産道の隙間から漏れてくる外界の光。

そして、ルームからの脱出は危険と生みの苦しみ伴う出産。

という、解釈もできる。

ともあれ、監禁されている事実を知らない少年にとってルームは

かけがえのない安住の場所だった。

事実を知らされても変わりはなかった。

母と二人、願わくばこのままでいたいという想いがあった。

そこに、母親から無謀な脱出プランが少年に言い渡される。

少年はそれを強く拒むのだが。

とまあ、こんな感じ。

ここまでの設定は至ってシンプルである。

一種異様な監禁サスペンスものとして楽しめる内容になっている。

ただ、この映画には第二章がある。

事件解決からのその後が描かれている。

そこからが本題である。

ルームという特殊な環境下でしか感受できない世界観、価値観、

幸福観、そこは本当に不幸せな世界だったのだろうか・・・

ささくれだった現実に、母の苦悩と少年の戸惑いが待ち受けている。

 

★★★☆~★★★★

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