小林真 ブログ―カロンタンのいない部屋から since 2006

2006年開設の雑記ブログを2022年1月に市議当選でタイトル更新しました。カロンタンは40歳の時に飼い始めたねこです

冬の終わりから春の始まり―This pens is good.01/26~02/01+自分の歴史

2009-02-04 18:05:24 | 週間日記
「春」の池、10時18分 02/04 10:18


先週日記は水曜の更新となりました。
アーカイブは、これも生涯テーマである「なつかしい」の十代のかたちを考えた『自分の歴史』です。
http://runjuku.yu-yake.com/simpleVC_20090204111342.html

●1月
26日(月)朝からスマーク伊勢崎で『ぐるりのこと』は橋口演出はもちろん、キャメラがまたすばらしい~手延べ勘助ラーメン*は大盛800円~前日の競馬で口座の残高が増えてしまい、しかたがないので減らそうと再びスマークへ。まずユニクロに入り、これはいつぶりか購入のズボンはバーゲンのコール天1980円。無印の黒を数年前に買ったが、冬は上着が重い色が多いので履く気が起きないこともあってオフホワイトに決定。サイズは29で入ったがももが少しきつく、30でいいが冬だしルーズフィットにしようとウェストはぶかぶかの31を購入~本屋でミュージックマガジン+レコードコレクターズ~翌日の記念品にアジア品の店でカエルと飛んでるブタの木彫りと、こっちは自分のコースター2枚。カードつくったらお香を2本くれた~帰って電話取材と原稿
27日(火)新宿・熊楠家*でニラそば~武蔵野館で『シャイン・ア・ライト』~仕事先事務所、Yさんの送別会で新橋・魚金~デザイナーM君と二次会はなんどきや~事務所泊
28日(水)起きてM君が「築地朝ごはんもいいですよ」というので回り、一大*という店でラーメン~帰って叔母の家に前週写真のCDを持っていくと、いろいろPCの操作についてきかれる~ウィスキー、フォアローゼス1050円+ホワイト&マッカイ980円~晩は塾。公立高前期試験の倍率をネットで知ったのは初めてのこと~マジョルカ:バレンシアは前半で3点入ってやめた
29日(木)晩に深谷シネマで『おくりびと』~原郷・雷文
30日(金)晩は尾島・松よしでもやしラーメン
31日(土)昼は競馬当たらず~翌日の記念品はと考え、鬼瓦職人の卵OB・T君宅に行き作品選び。その前にウィスキー、フォアローゼス1050円+カティサーク980円~ともに伊勢崎・ちなりで塩ラーメン~帰宅後、前日と分けてエバートン:アーセナルはやっと引き分け
●2月
1日(日)朝から同級生M君一家と出撃~東伏見の農業体験農園見学。園主、体験者の興味深い話をきく~帰国するスペイン人研究者Bさん送別会でYさん宅に。そしたらBさんが使っていた無印アイロンを置いていくというので、ちょうど壊れ始めたからといただく。Bさんのアイロン、T君の唐獅子、拙者の代金が「三角貿易」のかたちとなって、唐獅子はイベリア半島に向かい、無印アイロンは拙宅へ

【カウンター09】
ラーメン5/15(*3/8) 外飲み2/9 アウェイ飲み1/2 劇場映画3/5 自宅サッカー1.5/5 購入ウィスキー4/7

なんのかんのと暮らしてるうちに、一月も過ぎて今日は立春だという。
一日早く春の陽気となった昨日三日は前夜朝まで仕事。九時過ぎに弟が来て起こされ、じゃあ、と庭に出てねこどもと写真など撮っていると、最近よくマエシンが入っている箕のところになつかしい釈迦の絵が乗っていた。

そうそう、これは、今確かめたら学研が出していた「母と子の世界名作絵物語全集17巻 現代日本の物語」。1968年とあるから五歳の時か。全集マニアともいえる父が買ってきたものだった。今思えばジャン・バルジャンもトム・ソーヤもギリシアの英雄たちも最初に知ったのはこのシリーズからだったが、中でもこの「17巻現代日本の物語」は大好きだった「おもちゃのこうもり」「ぶたのきょうだい」などが収められて、高校の頃かなんかに探したことがあって、その時は確かいい加減な母親が、あれはM江ちゃん;従妹:とこにあげちゃったんじゃなかったっけ、などというものだからあきらめていたのが、昨年、西のバラック;うちでは物置をこういう:を片付けていた時に出てきて、その時は心の中だけ思いがけない再会を狂喜したが、何しろ炎天下汗だくの作業中だったから後でゆっくりみようと母屋の軒の下に放っておいたのだ。それがねこどもが入っていた箱を動かし、箕の中に入っていたのだろう。

とくに「おもちゃのこうもり」は、けっこう後に記憶だけで中学生の頃か、感想文も書いたことがあるほど好きな話だった。おもちゃ屋がつくったこうもりが空に上りたいのだがなかなか達せず、おもちゃ屋のところに来て「天が高くて登れない」といい、じゃあ、と何度もぜんまいをつけ直して天をめざし、やがて胸が締めつけられるようでほっとする不思議なラストを迎えるという、他愛ない話だ。
何度も思い出したぽわんとした切り絵に詩的な物語。誰だったかな、後で知った文学知識からすれば大正ロマン派かな、と思っていた原作者は佐藤春夫だった。三十数年ぶりに見つかったこの個人的な児童文学の傑作については、また後でゆっくり書くとしよう。

そうこうするうちに姉の次男が数時間後の妻と来て、これから市役所に婚姻届を出しに行くという。そうか、では記念に写真を撮ってやるぞ、「じゃあ、庭園をバックに」ということになり、ねこどもも来たのでいっしょに写真に写り、じゃあ行ってくる、とやつら出発。まあ、送っておくかと写真をPCから「おもちゃのこうもり」はおぼえているかどうかの姉と、ついでに弟にも送っておいた。

昼になるとよく布教冊子を置いていく、キリスト教のある宗派の人たちが来たので多神教とアニミズム、利己的遺伝子説の話をし、ここで入浴して少し寝直し。気がつくと、この冬の最後の陽は落ちていた。

おっと、とコーヒーをいれて飲み、ちょっと掃除して中1塾。
いろいろやっていたが途中で休んで、最近のテレビやなんかの話をきいて、アニメ『WHITE ALBUM』、Hey! Say! JUMP、中学生男子にとってのカッコイイファッションなどの話は勉強になり、後は彼ら学校提出用の作業の合間、数学、というか算数として毎日新聞「脳トレ」にあった、人と犬が合わせて17います。足は全部で54本、さて人間は何人いるでしょう、というツルカメ算を方程式に直す問い、作業の単語に these があったので、This pens is good. という謎の文法間違い文を、1)単語1個直し、2)単語2個直しという問いを考えさせたりして2時間を過ごした。

中1を送ると、いつの間にか同級生M君からメールが来ていて、よくある「軽く雷文に」と書いてあったので「とくに問題なし」と返信。奥方と来た車に乗り、彼らの小2の娘の算数の位取りの話が出たので、「わかる」というは「概念」の獲得であって、それがいつかわかるかでと、先ほどの人と犬の問題や This pens is good. の話をして雷文に着き、前週の日曜に行った体験農園や身近な農地のこと、日曜に持って行った唐獅子の瓦職人の若者のこと、節分や氏神さまのことなどを話していると、その夜は近くの神社でテキヤさんのバイトをしていたという若いバイトが残りの焼きそばとたこ焼きを持ってきたのをもらって食べ、彼らがカウンターで「中京の直線は…」などと話をしているので、ああ、競馬やるんですか、私はライターもやってて競馬の仕事もよくやってて、テレビに出てる○○さんなんかと仕事したこともあるんですよ、「うええ、そうなんですかー、ホンモノだあ~。でも、ボクら年齢的に競馬やれないんで、ゲームのなんですよ」、ゲームってダビスタじゃなく、あのゲームセンターの、でも、あれ一回みたことあるけど、おれなんかだと、もう、懐かしい馬がいっぱい出ててうれしいんだよね、「ええ、一番古くてルドルフの世代ですけど」、じゃあ、スズマッハなんかもいるんだ、はい、と、何でこいつら自分の生まれる前のダービー馬で盛り上がってんだ、と不思議に思いつつ帰り道、M君奥方がオグリキャップ惨敗のジャパンカップをみに行った話などする。

お茶でがまんの奥方の運転で家に帰ってネットをつなぐと、姉から「ありがとう、めでたいめでたい」と返信。多分こいつは「おもちゃのこうもり」はおぼえていまい、と思う間に眠ってしまった。

なぜか朝の四時頃に目が醒めるが、意外なほどあたたかい。
そうだ、と前日にきいたJ-WAVEアーカイブスが1989年のチャートで今日は90年だと、ネットラジオをつけて、もうすぐ読み終わりそうだった長山靖生『いっしょに暮らす』を開き、1990年の音楽 http://www.j-wave.co.jp/original/j-wavetop40/(2月4日付)、PHIL COLLINS や RICHARD MARX といった身のまわりの音楽ファンにはすこぶる評判が悪い、この頃のリバーブだらけでFM音源が派手に鳴るサウンドととストーンズ初来日とポール・マッカートニー再来日の話などを、そういえばこの年ストーンズは行ったけどポール・マッカートニーはいいや、とパスしたな、中学校に勤めてた頃で、小学校だった姉の息子たちが夏休みに来て、サッカー部の試合にいっしょに行ってたな、まだうちにはエアコンがなかった、などと思い出しつつ、明治の物語である漱石『こころ』ぼ「先生」と「私」、もう少し後の武者小路の「新しき村」に、さくらんぼユートピアって柳美里『命』のあの演出家が始めたのか、などという初めて知ったことがあったりしつつ、この曲は知らなかった1位クインシー・ジョーンズの頃に新書は読み終わり、サーシャがジンバブエのデノミやアメリカの太陽発電量がドイツを抜いた話をしているうちにまた眠って、起きたら立春の朝だった。

と、またも長くなった、冬の終わりから春の始まりの約二十四時間を思い出して、「今の一日」はどのくらい「今そのもの」を生きているのだろうと思った。生きてきたのは四十五年で、迎えた春もおぼえてないのも入れて四十五回。「今の一日」には自分の四十五年だけでなく、もっと前の話もいろいろまぎれこんでいる。ふと思い出したのは、何だったか、室町時代についての本を書いた人がいっていた、「九十歳の人のはなしをきくと、九十年なんてあっという間だったという、ならば五百年前なんて実はちょっと前くらいのことではないかと思って、いろいろ調べてみた」という話だ。そう、時間は、昔は、あちらこちらに偏在しているから、久世光彦が太宰へのオマージュとして書いた小説のタイトルを借りれば『早く昔になればいい』。

ふとホワイトボードに目をやると、昨日書いた「This pens is good.」。
そう、「わかる」ということは「わからない」には戻れないことなのだ。そう思うのは、冬と春の間だからだろうか。

(BGMは今回も Accuradio で、ちょうど今、マーラーでは一番好きな『大地の歌』は、おっ、Concertgebouw で、指揮は Bernard Haitink)

庭に出てきた「おもちゃのこうもり」 02/03 10:42


T君の作品は、もうイベリア半島に向かったろうか。 01/31


せつぶんのせっぷん 02/03 10:36


「小松」ティー 02/03 10:30
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