先々週、Wigmore Hallでのアンスネス、アムランのコンサートを2つほどキャンセルしてしまったので、心残りだったのだが、Berlin行きを迷っていた際に偶然彼らのコンサートがあると知ってBerlin行きを決定、チケットを購入。なんて行き当たりばったりな私の人生。
Claude Debussy; En Blanc et Noir
Igor Strawinsky; Septett
Alfred Schnittke; Klavierquintett
Igor Strawinsky; Le Sacre du printemps
当日Londonから移動、ホテルのプールで久しぶりに泳いだ後に出向いたので、シュニトケで寝るに1p賭けていたのだが、これが大変気に入り、転寝するどころではなかった。
シュニトケは初期にショスタコーヴィチの影響を受けていたと後からWikiで読んだが、所々有名なショスタコーヴィチの弦楽四重奏曲第8番を思い出させるような音楽。第2楽章のIn tempo di valseがショスタコの第3楽章(La Danse Macabre)を思い出させたからかもしれない。この曲は亡き母を偲んで作られたとWikiにある。死の影はそんなところから来るのか?そして、何より印象に残ったのは、前衛映画の映像が絶え間なく眼前に浮かんできたこと。シュニトケは映画音楽も多く作曲していた、ということであるから、故ないことではなかったのだろうか。
後半の「春の祭典」、4手のためのピアノ版で。アムランとアンスネス、現代を代表するピアニスト2人による競演。この曲では私の席からはアムランの指が良く見えたが、素晴らしかった。この指が伸びた感じの奏法が私は好きだ。
オーケストラ版とピアノ版、どちらが好きか、と問われたら、完璧に演奏されるならばオーケストラ版、と答えたい-色彩の豊かさ、ダイナミックレンジの大きさ-が、アムラン、アンスネスがこの夜作り上げたほど完成度の高いオーケストラを聴くのは、殆ど不可能ではないか、とも思う。昨年のザルツブルク音楽祭で聴いた春祭 by ウィーンフィルも第一部はかなり素晴らしかったが、有名で聞きなじみのあるはずの第二部が今ひとつに思われたことを思うと、ピアノ版も捨てがたい。
フィルハーモニーの小ホールは初めてだったが、大ホールと同様ワインヤード形式で、今回のように2台のピアノが用いられていると多くの席からどちらかの鍵盤が観察できて楽しめると感じた。また、春祭のような大きな曲の場合、Wigmore Hallのようなところではうるさ過ぎると思うが、ここならば丁度良いだろう。
Berlinまで来た甲斐のあった、素晴らしい演奏会だった。