ヴェルディのリゴレットをロイヤルオペラで観た。本当は再来週のはずだったのだが、なんとなく今日行きたくなり、空席を見たら1列目に空きがあったので、即決断。
これまで、前から2列目で観たことはあったけれど、1列目と2列目では全然違う!歌手と指揮者とオケすべてを視野に入れながら観られるのは素晴らしかった。
また、今日は歌手も素晴らしい!ウィグモアホールでの「貴公子様」から「せむし(リゴレット)」に転向されたディミトリー・ホロストフスキー、相変わらず声質は少しくすんでいるのだけれど、上手い。それにしてもオペラって恐ろしい。あの貴公子様がせむしになって登場なのだから。
マントヴァ公爵のWookyung Kimは声量もあるし声質も澄んで2009年(Francesco Meliがマントヴァ公爵)に納得できなかった「日立の冷凍冷蔵庫」ことLa donna a mobileも素晴らしかった。ジルダのPatrizia Ciofiも、既に40代で体もとても細いのに、これだけの声量が出るのだと関心(なぜ昔のオペラ歌手は皆体格が良かったのか?)。張りがあって、輝かしい声質-素敵。願わくば最高音まで同じ声質/声量だったら-。
指揮のダン・エッティンガーも熱演(熱唱?)。彼自身が楽しんでいるように見受けられたし、オケと歌手をとても上手くコントロールしていた。歌手としても活躍していた彼、オペラの指揮は得意なのだろうか。なかなか素敵だったので、Gustavoのカルメンを観に行きたくなってしまった。
リゴレットは、ストーリーの現実性(実在可能性)が薄い分、先日のオネーギンほどは心は泣かずに済んだ。今日は本当に指揮と歌手を楽しめて素晴らしい舞台だった。ありがとう、Dan & Singers!!
ホロストフスキーのファンなもので、今回の「リゴレット」はどうだったかな~と気になっておりました。
Reviewでは概ね好評だったようですが、こうやって日本語でもいい批評が拝見でき、とても嬉しいです。
実は私、6月のウィグモアホールのリサイタルに行っておりました。
どこかですれ違っていたかもしれませんね。
コメントありがとうございます。あの美形を売りにしているホロストフスキーがリゴレット、ということで、どんなことになるのか「怖いもの観たさ」でした(5年前はまだロンドンにおらずその時の公演は観ておりません)。
Wigmore Hallの時もそうでしたが、内面はかなりお茶目な方なのではないでしょうか?
指揮者のDanも今回の歌手陣を「Great Cast」と言っていました。長丁場ですが、最後まで良い調子を保ってくれるとよいですね。