ボストリッジといえば、ドイツリート、と連想されるが、今日はバービカンで「Three Baroque Toneors」と題したコンサート。
午後に「風邪のためコンサート後のレクチャーは中止」というmailが来て、それなら演奏会も中止にした方がよいのではないか、と心配していたが、演奏会が始まって、流石ボストリッジ、やるからにはそれなりの状態なのだと理解した。
前半はCaldara、Vivaldi及びBoyce、後半はScarlatti、Handel(2曲)。一番のお気に入りはVivaldiだったかしら。しかし、彼が歌うと、イタリア語がイタリア語に聞こえないのはなぜだろう?いや、勿論私はイタリア語が話せないから、彼の発音が正しいのか否か判断できる立場には無いが、それでも、イタリア語の雰囲気というのはわかるような気がするのだが。アンコールの説明をするときに普通に話したイタリア語(題名)の方がイタリア語らしく聞こえたのは不思議。
結論から言えば、やっぱりボストリッジはドイツリートを聴きたい。本人はいろいろなことにチャレンジしたいかもしれないけれど。
伴奏のEuropa Galanteは、指揮兼ヴァイオリンのFabio Biondiがちょっといっぱいいっぱいか(バロック弓では速度を出し難いのだろうか?)。CorelliのAdagio-Allegroでは止まるんじゃないかとひやひやした-最後は綺麗にまとめていたけれど。この集団の中で素敵だったのはTheorboという楽器。リュート族の楽器で、ちょっとギターのように使われるが、こんな楽器とともに夕暮れに恋人が窓辺で歌を歌ってくれたら-
ああ、バロック時代のイタリア人になりたい。