10月23日、ParisのSalle Pleyelにてドゥダメル指揮、SBYOV&フランス放送フィルで「ダフニスとクロエ」第2組曲、Santa Cruz de Pacaigua、幻想交響曲を聴いた。
ダフニスはフランス放送フィル、Santa CruzはSBYOV、幻想交響曲は合同軍、と少々変わった編成。普段より舞台が座席3列分拡張され、舞台と座席が半分ずつ位にさえ見えた。
ドゥダメルの振るラヴェルを聴くのは初めてだったが、彼のリズム感の良さとラヴェル御当地オケの成せる業か、加速円運動の流れが非常に心地よい。是非La Walseをこの組み合わせで聴いてみたい。いつぞやのバービカンの悪夢を忘れさせてくれることだろう。
幻想交響曲は以前から彼の指揮で聴きたいと思っていて、今回の2日間に渡る演奏会の中でも最も楽しみにしていた曲。ドゥダメルはチェロのような中低音の楽器によるリズムの刻みをなおざりにせず、逆に効果的に使う。ザルツブルクでウィーンフィルと共にチャイコのVn協奏曲を演奏した時と同様である。そして勿論「幻想」なので、管楽器の響き-如何に怪しい感じを引き出すか-が重要。ふと、ベネズエラには「魔女」っているのかしら、と思う。勿論、想像力によってベルリオーズが幻想で観た魔女を再現しようとしているのだろうけれど。今回残念だったのはカリヨンの音。先日のロイヤルアルバートホールでのカリヨンが素晴らしかったからか、お仏壇の輪のような音でがっかり。
ホールに関しては、思ったより残響が短く、これがベルリンのフィルハーモニーだったら、SBYOVのメンバーは更に気持ちよく演奏ができたのではないだろうか、彼らにあのホールを体験させてあげたい、と思った。