フィレンツェに来たら此処。世界有数の美術館の一つ。見所と言えば、ボッティチェリの「ヴィーナスの誕生」「ラ・プリマベーラ」、ダ・ヴィンチの「受胎告知」、他にもいろいろ。
今回の旅では、「受胎告知」にはまった私。前日のアンジェリコに始まって、この日はボッティチェリ、ダ・ヴィンチの「受胎告知」も見ることができた(勿論このテーマでは数限りなく作品が描かれており、ウフィッツィにもまだまだある)。ダ・ヴィンチの「受胎告知」は2007年だったか来日していて、緩やかなスロープを立ち止まることを許されずにのろのろと歩きながら見学した記憶があるが、ここでは「団体さん」さえ避ければ心行くまで見ることができる。
この美術館の目玉である「ヴィーナスの誕生」「ラ・プリマベーラ」も同じで、団体さんがやってくると難しいが、特に夕方の閉館間近であれば、かなりゆっくり、画面を独り占めすることさえ出来てちょっとびっくり。
「ヴィーナスの誕生」の色彩は思ったより暗い印象を受けた。もともと、それ程好きな絵という訳ではないのだが、近くで見ると余計に、ヴィーナスの足は浮腫んでいるし、肩は異常な「なで肩」だし・・・背景も遠近法以前だし。。。と、文句は幾らでもあるのだが、見ているうちに慣れてくる(?)。
「ラ・プリマベーラ」は最近修復されたことで色彩がよみがえっていることもあるだろうが、それぞれの人物が「綺麗」に描かれていてとても気に入った。背景のオレンジの樹に前日のメディチ家を思い出す。神話と言っても、結局日々の生活が反映されるのだろうな。この絵やダ・ヴィンチの受胎告知の草花もフィレンツェの丘の上でみた風景にとても似ていた。ところで、フローラに化身したクロエがメグ・ライアンに似ているのではないか、と思っているのは私だけだろうか?
今回ウフィツィで一番ハマったのは、午前中と同じくラファエロ。ラファエロの絵はいくつかの絵と一緒に円形の別部屋に入っていて、見学者は通路に沿って周囲の壁に掛けられた絵を見る。1回目は混んでいてあまり時間をとることが出来なかったが、閉館間近になって人数が減ったので、柵に寄りかかって暫く絵と対話。それにしても上手いし、綺麗な顔の人。とても整っている。本当にこんなに、左右対称で、全てのパーツが理想的な形をした人が居たのかしら?
閉館は、なんとも味気ない消防訓練のようなブザーで知らされる。またこの絵の前に立てる日があるといいな、と思いながら帰途についた。(ウフィツィからの眺めもなかなか素晴らしい-絵の写真は禁止だが、景色は撮影可)