五嶋みどり、ヴァイオリンリサイタル。2009年5月9日、ロンドン、ウィグモアホールにて。
J. S. Bach: Violin Sonata in E minor BWV1023
Shostakovich: Violin Sonata Op.134
Schubert: Violin Sonata (Sonatina) in A minor D385
Faure: Violin Sonata No. 1 in A Op.13
Midori: Violin
Charles Abramovic: Piano
五嶋みどりが、ウィグモアホールで、しかもソナタ4曲、充実の演奏会である。日本人のお客さんがとても多い!
どんな演奏家も、1曲目というのは難しいのだろう。でも、だんだん調子がのってきたように思う。
彼女も(サラと同様)ガルネリを使っているとのことだが、豊かな美しい音と、それを作り出す、美しい右手の形に、聴き惚れ見惚れる。プロでも弓の持ち方が綺麗でない人がいるが、彼女の弓を持つ手は本当に美しい。
今回の演奏会、ヴァイオリンソロ、というより、ピアノとのデュオ、ということなのか、常に譜面があったことを少し不思議に感じた。そんなこともあってか、この日のプログラムの中で一番良かった、と思ったのはフォーレ。Midoriがフォーレを得意としていると聞いたことはなかったと思うが、この4曲の中では一番譜面を離れて演奏していて、得意の「演歌踊り」が出ていたように思う。
さて、先日から指フェチになった私は彼女にも写真をとらせていただいた(演奏会の後でお疲れというのに、訳の分からない注文を聞いてくださってありがとうございます!この場を借りて御礼申し上げます)。左手は指先が少し吸盤のようになって、指が「(押さえ)間違えません!」と言っているよう。
アンコールは、グラズノフの瞑想曲とクライスラーのシンコペーション。演奏会は感嘆の溜息と共にお開きとなった。