2020年8月28日に安倍首相が辞任を発表し、世界の政界の図式が大きく変わって新しい時代が訪れる兆しが見えてきました。次の米国大統領は認知症のバイデン氏がセレブのカマラハリス女子を指名した事で一層の支持者離れが起きて「次もトランプ」に決まりでしょう。米国民主党が高齢ではありますがサンダース議員を指名し、その意をくんだ若手を副大統領候補に指名する「真の賢さ」があればトランプに勝ったでしょうし、21世紀も「米国が世界の手本」になる時代を築けたと思うと非常に残念に思います。所詮金銭欲と煩悩しかない「軍産/deep state」が米国支配を続けようとあがいている限り「欲による支配」しかできないからかつての覇権国、英国やスペイン同様に覇権の盛衰は必定と思います。
さて世界のコロナ感染症も病態の大勢において変わりがなく、その本性もほぼ分かってきたので、種々の対策見直しがなされてきました。ここに来て当初「ロックダウンで制圧したお手本」ともてはやされたオーストラリアやニュージーランドが経済再開した途端に感染が再開し、まるで2-3月頃の欧州の国々のような(強権コロナファシズム発動によって)ドタバタを始めているのは以前「彼らはむしろ負け組」と拙ブログで指摘した通りで「周回遅れの対応」であり哀れに見えます。
I. 2類感染症の見直し
新型コロナウイルス対策が経済を破壊して、社会に種々の不具合をもたらしている原因の一つがその悪性度に相応しない「2類感染症」としての扱いにあることは以前指摘しました。ここに来てやっと「医学的事実に基づいた社会に適合しえる対応」に変えてゆこうという動きが具体化し、厚生労働省は26日までに、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けの見直しを検討することを決めました。前から感染者で無症状の人はホテルや自宅で隔離という柔軟な対応にはしていましたが、感染を診断する簡易キットなどが開発されて、よりインフルと同等に一般医家で診断治療できる体制にしようと言う現実的な方向に向かっています。実際、季節性インフルが流行しだせば両者を厳密に分けて一方は5日休み、一方は専門機関に紹介した上で保健所に届けて2週間隔離という対応はできません。
新型コロナ感染症は風邪の一種であると厚労省も認めています。下にあるのは厚労省が2月の時点で作成したパンフレットですが、当時優秀な技官が新型コロナの病態を見て冷静な判断を下した上で作成したものと思います。私も同感です。
多くの人が感染症に罹って抗体ができ、その感染症の流行が止まる事を厳密な意味で「集団免疫」と言いますが、感冒(風邪)は同じ人が生涯何回も罹る様に、ウイルスによっては軽い変異で交叉耐性(似たウイルスへの抗体)や元々持っている自然免疫で重症化を防ぐ事で大流行を抑えてしまうのが普通であり、新型コロナもこの手の広い意味での集団免疫で対応(もともとどこにでもあるコロナウイルスの一種)可能と思います。特に感染力が強いウイルスほど弱毒化してゆくのが自然であり、もうその傾向は表れています。(いやこれから強毒化するのが現れる、と危惧する陰謀論もありますが)
II. 重傷者定義の不可解さ
治療に当たっている医療関係者の常識として、新型コロナ肺炎の中等症は「酸素吸入が必要な状態」を指し、重症の定義は「人工呼吸器(あるいはECMO装着)使用」になります。各都道府県では中等症、重症の人数を把握して毎日関係医療機関に報告しています。ICU(集中治療室)に入っているかどうかは問題ではありません。病院によって入室の基準が違うからです。HCU (High care unit)がある病院ではそこで人工呼吸器管理も可能ですし、一般病棟に重症室がある病院もあります。一時重傷者定義の問題で揉めていたようですが、病院を知らない医療の素人がいろいろ口出しすると理解不能になるという良い例でしょう。
一方で感染陽性者が死亡すると、コロナウイルス肺炎で死亡した場合でなくても「コロナウイルス感染者の死亡」として統計に加えられます。私の知っている死亡患者も心不全による死亡でしたが「コロナ死」にカウントされています。これも2類感染症が本来死に直結する重い感染症である前提であるから「感染陽性者が死亡したらカウントする」と慣習的に決められている事の弊害です。一般病棟でコロナ中等症にも挙がっていなかった患者がいきなり「死者」に入ってしまう(日本でもかなりの死者がそれと思われる)のはそのためです。
III. 世界はワクチンのいかがわしさに気付き始めている
一般化されている毎年接種する季節性インフルエンザのワクチンは鶏卵を用いて実際のウイルスを増殖させ、エーテルなどで脂質を除く事で「不活化させたウイルスそのもの」を使用しています。つまり遺伝子も含まれますが、それは早々に各人の酵素で分解されて、主に外側のたんぱく質が抗原として作用し抗体が作られます。実験でRNAやDNAの抽出をしたことがある理系の方は知っているでしょうが、RNAは冷却(酵素を不活化)した状態で扱わないと早々に細胞内のRNAaseという酵素で分解されてしまいます。RNAウイルスは、RNAが壊されないようにタンパク質の外套(エンヴェロープ)の中で細胞外では生息し、感染し、細胞内に入ってからRNAのみになります。だから外套を破壊するアルコール(脂質を除去して構築を壊す)などが消毒として有効なのです。PCR検体採取を氷冷下で行わなくて良いのも、唾液で採取が可能であるのも外套内にRNAがあるからです(唾液だと長時間のうちにアミラーゼで蛋白が分解される可能性はありますが)。
今各国で開発中の遺伝子ワクチンというのは抗原にタンパク質を用いるのではなく、遺伝子そのものを使おうというものです。遺伝子を使うためにはそれがヒトの細胞内に感染してヒトが他の生物であるRNAを自分の物であるかのように増殖させて蛋白を生成し、排出してそれをまた自分の免疫細胞が異物と認識して抗体を作る必要があります。遺伝子だけ体に入れてもRNAaseですぐ壊されてしまうので、他の生物の遺伝子を自分の細胞に運び入れるために無害(とされる)のセンダイウイルスなどをベクター(仲介役)として使用する必要があります。これが、本当に安全な方法であるのか(自分の細胞が作った他人の蛋白を自分の免疫が排除する機構)、また感染症予防に本当に有効な方法なのかの長期フォローは一切行われていません。このような危なっかしい人体実験でしかないワクチンを受けるくらいなら「新型コロナに普通にかかって自分の免疫で治す方がまし」と自分でものを考えるヒトならば思うはずです。
IV. 混乱させる情報に注意を
1)ウイルスは存在しない?
新型コロナウイルスと5Gとの関連とか、ウイルス自体が存在しない、とする言質がネット上でにぎわっていますが、疫学的な証拠やPCR検査の現実からさすがにこれはデマだと断定できます。評判になっている徳島大の先生も、現役時代はウイルスやベクターを使用して実験をしていたはずで、中国で始めに特定されたウイルス遺伝子の配列が正しいか?という疑問は「あり」としてもウイルスの存在そのものまでは否定していないはずです。
2)うがい、マスクや手洗いは無意味?
うがい、手洗いは風邪、インフル予防の初歩であることは否定できません。我々外科医は手術の際普通にマスクをして(N95とかでなく)自分の唾液飛沫による患者への感染を防ぎ、患者の返り血を顔に浴びて自分が感染を起こすリスクを避けます。だからマスクも有効です。ウイルスは単体で空中を漂っているのではなく、飛沫などの水滴に含まれたり、手垢の一部に付着してドアやつり革などに固着した状態でヒトに感染してきます。だから飛沫を防ぐマスクで十分予防になりますし、他人の手垢を落とす手洗いが予防に有用なのです。ただし予防に有効と「完全滅菌」は別の話です。予防に有効な事は同時に「人体には無害」である必要条件があります。昆虫や他の生物、人体に有益な細菌まで殺してしまっては百害あって一利なし、本末転倒の結果になってしまいます。
3)消毒すれば良いという勘違い
消毒にはオートクレーブ(高圧蒸気による滅菌)、ガス滅菌、薬液消毒、古くはホルマリンなどが医学的な完全滅菌のために使われていました。これは細菌、カビ、ウイルスを完全に除去する有効な手段です。しかし顔に消毒薬やアルコールを噴霧してもヒトの皮膚、目や呼吸器の粘膜に有毒であってもウイルスの完全滅菌など行なわれません。「おまじない」でしかない処置、しかも人体に有害な可能性があるものをあちこちで真面目にやっている事を科学的思考ができる専門家は注意すべきです。本当にあれで細菌やウイルスが死んで感染拡大の予防になるか、少し考えれば判りそうなものです。あんな消毒で手術をすれば全員細菌感染起こして死にます。その程度の「あたりまえ」の事が何故わからないのでしょう。空から害虫駆除の如くに消毒薬を撒いたり、道路に消毒薬を噴霧するのも昆虫、鳥、ヒトに有害なだけでウイルス完全消失などにはなりません。