rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

体験的くるま論 メルセデスベンツC220d AMG line エンジン編

2020-08-11 16:14:54 | くるま

通勤用に使用していたマツダ・アクセラ(ハイブリッド)が12万キロに達して、1年位前からハイブリッドのコンデンサーによるものか、キーンという高周波の耳鳴りが乗車すると起こるようになってきたので、暫く1600ccガソリン車のベンツBで通っていたのですが新車に換えました。種々迷ったのですが、耳鳴りのするハイブリッドは止めて近年進歩が著しいディーゼル乗用車、ベンツCクラスにしました。

2018年にマイナーチェンジ(フェイスリフトと言っている)をして、マイナーと言えない6000か所以上の新型部品を使用し、ガソリン、ディーゼル共に新型エンジンにした殆ど新型と言ってよい変化を遂げたCクラスですが、近々新型も出ると思われ、型終盤の買い物です。1か月程乗ってみて流石にメルセデスの標準と思わせる作りなのですが、今回は久々のディーゼル車なのでエンジンについて体験的なレポートです。

 

メルセデスベンツ新型直列4気筒クリーンディーゼルエンジン

もうすぐ新型が出そうなCクラス (色はグリーン)         メルセデス・クリーンディーゼルのやや複雑な排気ガス処理システム

私は1985年に最初に購入した車が中古のいすゞジェミニディーゼル1800ccで、2代目がトヨタビスタディーゼル(2200ccのマニュアル車)だったので元もとディーゼル好き人間でした。自然発火でトルクが強く、当時軽油はリッター50円、街乗りで18km/Lという燃費だったこともあり、環境問題はまだ取りざたされていない時代かなり気に入って乗っていました。グローランプで予熱してからエンジン始動、インパネに燃料濃度を調節するチヨークが付いている時代で、単純な機構で故障知らずのディーゼルエンジンは車を手入れしない若い医者には重宝しました。現在のディーゼルエンジンは環境対策で数々の複雑な機構を備えるようになり、それなりの知識がないと??な事も多くなりました。しかしディーゼルのトルクフルな所やガソリンに比べて軽油が安価なので燃費が良い上に費用を考えなくても良い点は変わりません。

排出ガス規制が厳しくなってから作られた新しいディーゼルエンジンは排出される黒煙(Diesel particle)と窒素酸化物(NOx)を徹底的に除去する機構がエンジンから排出された後に付けられています。DPF(Diesel particle filter)とSCR (selective catalytic reduction選択的触媒還元)と呼ばれる機構で、SCRには尿素(アドブルー)を噴霧するのが普通です。メルセデスのOM654という新しいクリーンディーゼルはEクラスから最新のA・Bクラスにまで搭載されている信頼性の高いディーゼルですが、通常のDPFとSCRだけでなく、排気を循環させて黒煙をより完全燃焼させたり、DPFとSCRを一体化させて処理した後に再度SCR処理をしてNOxを処理して余剰なアンモニアはアンモニアスリップ触媒(ASC)で処理してから外気に出すという念の入れ方をしています(図)。クリーンディーゼルはある程度エンジンを回してやらないと黒煙がフィルターにすぐ詰まってしまい、高熱の排気ガスで焼く「自動再生作業」を行う機構がありますが、ベンツも1000kmに15kmくらいこの作業で燃費が悪くなる時間があります。しかしその作業中もドライブ感覚はいつもと変わらないので瞬間燃費計でも見ないと気が付かないと思います。ちなみに通勤で毎日100km近く運転しますが、夜間早朝で一般道ながら空いている時間帯であり、渋滞がなく流れも早いため燃費は20km/Lが平均です。ガソリン車のベンツのBでは18km/Lだったので1Lあたり30円安い軽油は家計にも優しいです。満タン(66L)にすると走行可能距離は1300km以上とメーターに出ます。

購入を検討した事があるマツダのクリーンディーゼルは、低圧でディーゼルを自然発火させるスカイアクティブ技術でSCR不要(アドブルー要らず)という優れものですが、その分黒煙が多く発生するためにDPFが詰まりやすいという欠点があります。頻繁に高速道をバンバン走るような人には何の問題もありませんが、街乗り中心の人には余りお勧めではないようです。

私の買ったCクラスはスライディングルーフなども付いていて、総重量は1.8トンです。EクラスやSクラスなどの上級機種はもう少し重いし、A・Bクラスは1.6トン程度で200kgは軽いので同じエンジンでも走りが違うと思いますが、OM654ディーゼルは最高出力が194馬力で低速回転でもトルクが大きい(400N)ので回し始めてからの加速は凄いです。1600CCのガソリンターボのBクラスにも乗ってますが、こちらも80km位までスムーズな加速感はあるのですがCクラスの加速感はその倍位あって、2000回転程度、数秒で80kmに達します。静粛性も大したもので、エンジン始動時に車体が少し揺れる程度で後はガソリン車のBクラスと同じです。ロードノイズはBよりも当然少ないし、タイヤ径と幅も大きく、何より上級車種と同じエアマチックサス(マルチリンクサスの上に風船)が付いているので乗り心地はクルーザー感覚です。エンジンのメンテナンスに関してはまだ乗り始めて3000km程度なので何とも言えませんが、例えばアドブルーは1万キロ毎に点検があるので、その度工場で補充するから自分で入れる必要はないと言われました(1万キロで10L位の消費で20Lタンクがある)。ディーゼルトラックなどはそれなりに知識がないとメンテができない様ですが、一通り最新のディーゼルについて自分なりに勉強はしてみましたが、ベンツについてはただ乗っているだけでも良さそうに思いました。

次の機会にはドライブ感覚、乗り心地など〇と×に分けて報告します。

コメント (4)
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