第二次大戦におけるドイツ空軍の代表的爆撃機ユンカースJu88を作りました。ドイツ空軍省は1935年の再軍備宣言後に爆弾1tを搭載して時速500kmで2,000kmの航続力を持つ高速爆撃機の試作を各メーカーに発注します。これに応じたのがBf162,ヘンシェルHs127、Ju85、88と言った機体でした。高速で、戦闘機が追随できないため武装は軽くて良いとされました。類似したコンセプトは英国のモスキート爆撃機、ソ連のペトリヤコフPe-2などに見られます。ドイツ空軍は爆撃機としての能力が最も高かったJu88を採用しますが、Ju87の急降下爆撃機としての電撃戦での活躍などから88にも急降下爆撃の機能を要求して重量が増加し、速度などのメリットをなくす結果になります。それでもJu88は各型総合して9,000機を製造する代表的爆撃機になります。その中でもA-4型は完成型に近く、1944年夏まで生産されました。重量8.5t、丸いエンジンナセルは一見空冷星形エンジンの様に見えますが、これは冷却器をエンジン前部に円形に配置した結果で、エンジンは伝統的な水冷倒立V型12気筒1,350馬力のJumo211エンジンを2機搭載していました。最大速度は473km、航続距離は2,730km、爆弾搭載量は最大2tに達し、魚雷2発を搭載する事も可能でした。武装は7.92mm機銃5問です。急降下爆撃のためのパイロットからの下方視界が良く確保されています。ドイツ軍の爆撃機全てに当てはまりますが、優れた性能ながら、戦略爆撃的な任務は困難であり、陸軍と協力した任務が主体で、戦争全体の趨勢を変えるまでの活躍をすることはできませんでした。
Junkers Ju88A-4実機 消炎排気カバーが装着されている。
モデルは安定のハセガワ製ですが、2006年製造でやや古めで、2007年に購入してから放置してあったものなので転写マークなどはかなり劣化していて苦労しました。第30爆撃航空団1941年ノルウェーで艦船攻撃に使用された機体を作りました。尾翼には多くの目立つ撃沈マークが書き加えられているのに国籍マークをあえて黒く汚して見えにくくしています。塗装は伝統的なダークグリーン(RLM71)とブラックグリーン(RLM70)、ライトブルー(RLM65)で、初めにダークグリーンをスプレーしてから図の様にマスキングテープとキッチンペーパーで覆ってブラックグリーンをスプレーしました。同じく大戦初期に活躍したハインケルHe111と並べてみました。ハインケルの流麗な円形翼とユンカースのやや無骨なデザインが対称的です。
500kg2発250kg2発の通常爆弾(Splitterbombe Cylindrisch)を搭載
直線的迷彩塗装はテープとキッチンペーパーが便利です。曲線には100円ショップの油粘土を使います。 He111との比較