rakitarouのきままな日常

人間様の虐待で小猫の時に隻眼になったrakitarouの名を借りて政治・医療・歴史その他人間界のもやもやを語ります。

Focke-Wolf Fw200 C-3 Condor Trumpeter 1/72

2022-11-26 21:32:52 | プラモデル

マカオに本社があるトランぺッター製 Focke-Wolf Fw200 コンドルを作りました。Fw200コンドルは1930年代、航空機の発達に伴って各国の航空業界が長距離旅客機の開発に取り組んだ時期に、米国のDC−3を超える機をという答えとして4発長距離旅客機としてフォッケウルフ社の天才技術者、クルトタンクが設計開発した物です。民間航空会社ルフトハンザではユンカースJu-52を使用していましたが、高性能であったコンドルは旅客機として早速採用されました。ドイツではユンカース社がJu-90という4発輸送機、ハインケル社はHe-177という4機のエンジンで2つのプロペラを回す爆撃機を生産しましたが、軍用機として最も活躍したのもFw−200でした。

製造番号97番の実機(KE-IV)                                                                      96番目として作った模型(KE-IU)

Fw-200は機体総数も240機程度であり、民間型や日本などに輸出された機体もあったので、軍用機として使用された物はほぼ機体番号やその顛末が解っているとされます。C型は本格的な長距離偵察、艦船爆撃機として大戦初期に主に大西洋で使用され、U-boatと協力しながら大きな戦果をあげた事で少ない機体数ながら長く語り継がれています。エンジンはBMW Bramo(BMWと合併)323  1,000馬力4機を搭載して、胴体内タンクなどを含めて8000リットルのガソリンを搭載して9時間、約3500Kmの航続距離でした。爆弾はゴンドラや翼下などに計4-5トン搭載可能で、武装は20mm機関砲2門、13mm2門または7.7mm2門などでした。

機首の地球のマークは最も活躍した第40爆撃航空団のもの           前後のパネルラインや給油口のマークは自作

大戦初期には英国船航路への機雷敷設や艦船攻撃で10万トン近い戦果をあげましたが、次第に商船も武装するようになり、CAM shipと呼ばれるカタパルト装備のハリケーン戦闘機などがコンドルを迎撃する様になり、また本土からもブリストル・ボーファイターやB−24、ショート・サンダーランド飛行艇などとも交戦する様になると、元々旅客機として設計されたコンドルは防御力が弱く次第に犠牲が増えて行き、輸送機や偵察機としての任務が主体になりました。

1/72ですが、幅45cm 全長32cmとかなり大型のモデル

模型は2000年以降の金型なので1970年頃にレベルなどで出された物よりはインテリアの作り込みなど良好ですがソフト面での詰めが今ひとつと思われました。ドイツレベルからも新金型のC−8型が出ている様ですが、こちらの方が本家なので正確かもしれません。模型は製作99番機で、魚雷3発を搭載した雷撃機の仕様なのですが、2016年刊行の文林堂世界の傑作機No175やネット記事によると99番機はヒトラー総統飛行中隊所属であり、それが後に雷撃機として改造されたという記録が見られませんでした。(U1と呼ばれる52番機などが一部雷撃機仕様とされましたが、活躍した記録がありません。荒天の海で、4発機で低空飛行しながら動いている商船を雷撃するのは至難と思われます。)同書で97番機KE-IVが掲載されていたので、その前の製造番号機KE-IU(模型に付属してたのが99番機のKE-IX)の爆弾搭載型として作りました。模型自体の詰めが甘い点として、1.4エンジンの翼への取り付け部の形状が実際と異なる。エルロン上面の形状が異なる。胴体の前後方向のパネルラインが一切ない(自分で筋彫りが必要)。給油口の筋彫りとオクタン価のラベルがない(これも自作)。といった要改造点がありました。それでも出来上がりは堂々としており、主脚の複雑な構造、ゴンドラや機銃の再現などは見事と思います。塗装はRLM72/73/65とされますが、同書でも説明される様にカラー見本を見てもRLM70/71/65の通常のダークグリーン/ブラックグリーンの迷彩と区別が付かないということでこちらを採用しました。迷彩パターンも模型に付いていた見本はドイツ空軍の規定と異なっていたので実機の写真や文林堂の書籍の説明どおりに仕上げました。

胴体内の追加燃料タンクや航法士席、液体酸素なども再現されている。  降着装置の再現性も良いと思いました。

空戦を行ったという記録もある英国の大型飛行艇ショート・サンダーランドと並べてみました。

ショート・サンダーランドとの比較。モデル的にもどちらも大型。

 

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ウクライナ戦争と世界の多極化

2022-11-23 13:49:22 | 社会

前々回のブログで現在の世界が一極主義対多極主義(unipolar vs multipolar)であることを理解しないと起こっている事の理由が解らないという論考をしましたが、これは私や田中宇氏だけの独特の見解ではなく、世界では普通に語られている内容です(ただし田中氏の米国の隠れ多極主義者が故意に一極主義を破壊しているという主張は?ですが)。外国の投稿によるYou tubeの国際政治論説や、プーチンの演説内容でも紹介されています。医学や自然科学分野では日本は世界に遅れをとっていませんが、社会政治分析や地政学と言った分野では日本のメディア(専門家も?)は未だに自由世界とか右翼左翼といった頓珍漢な色分けで分析を行っている時点で、不勉強、時代遅れであり全く役立たずと言って良いでしょう。

国際政治分析で解説される多極主義          プーチンの世界観について紹介する2018年の記事

 

今回英国のEGMONT王立研究所のSven Biscop教授が今年6月に出した「ウクライナ戦争による多極世界の形成」という論考があったのでrakitarouの訳で以下に載せます。教授自身は英国一極体制を支持する側から論考を組み立てていますが、世界認識として一極主義と多極主義の展開になっているということは事実(常識)という前提で話が進んでいます。原文をあたりたい方はリンクから誰でも見れます。

ウクライナ戦争による多極世界の形成

 

スヴェン・ビスコップ (2022年6月13日) 

 米国とEUがウクライナを支持した様に中国がロシアを支持したことは、国際政治の転換点でした。ウクライナは、「ロシアと中国」対「ヨーロッパとアメリカ」という21世紀における最初の2極対立(bipolar confrontation)の場となりました。しかし中国の言質は間違いなくロシアを支持していますが、現状の政策は不介入に近いものです。つまり中国はロシアへの制裁などに加わらず、その関係を縮小するわけではないが、ロシアを積極的に支援する訳でもなく、米国、EUさらにはウクライナとの関係も保とうとしています。現実的には、中国は中立にとどまっていると言えます。

 ロシアのウクライナへの侵略に対するさまざまな勢力の反応は、私たちが多極世界(multipolar world)にいることを裏付けています。各勢力は協力し合っている様に見えますが、最終的には、自分達の利益に照らしてそれぞれ独自のコースを選択しています。

 2極化ではなく、多極化という新たな局面はEUにとって有益と言えます。2極化という対立では、既に双方で成り立っていた経済関係を破壊する上、双方が協力して気候変動に対処する事も不可能にします。多極化による主な対立はヨーロッパではなくアジアで行われるため、EUは二次的な役割に縮小され、対立の正面に巻き込まれるリスクが減ります。しかし、二極対立に戻るリスクはなくなっていません。中国はロシアや米国が採って来た様な直接武力に訴える政策を今の所1979年のベトナム侵攻以来、インドなどとの国境紛争があるにも関わらず採っていませんが、台湾を巡る米国と中国の状況が変化すれば間違いなくゲームチェンジャーとなって再び世界を二極対立に至らせるリスクもあります。

 

西側陣営は多極世界に何を提供できるのだろうか

 

 多極化世界への対応は非常に複雑です。もしウクライナ戦争が軍事的な膠着状態のまま正式な休戦協定も行われずに終結すると、EUと米国はロシアに対して長期間経済制裁を継続したままになり、それは「ミニ冷戦」と表現される状態が続く事になります。EUとNATO加盟諸国、および近しいパートナーであるオーストラリア、日本、ニュージーランド、韓国などとロシアとの「ミニ冷戦」です。一方で中国はロシアとのパートナーシップを継続しつづけるため、西側諸国は立場を明確にしない中国との関係を維持することになるでしょう。

 ロシアに対する制裁をしていない国は中国だけではありません。インド、アジア、ラテンアメリカ、アフリカの多くの国々です。これらの国々は「大国の動向に従う緊急の必要性」はないという選択をしています。多極化は「マニ教的な善悪二元論」とは相容れません。EU と米国は、国際政治を「民主主義と独裁主義の対立」として描きたい誘惑に駆られますがそれは無理でしょう。現実には、民主主義が常に西側にいる訳ではなく、制裁としてロシアから輸入しない事にした天然資源を供給するため、西側はいくつかの独裁政権を支援する必要があります。世界は民主主義といった価値観によって動かされるのではなく、国益の追求という現実主義の価値観で動くのです。つまりロシアや中国との緊密な関係を持っている国に対して、EUや米国が採っているロシアや中国への対応をしてもらう様説得するには、それが彼らの国益にどう寄与するのかを明確に示す必要があるのです。

 

ワン・ワールド

 

 EUにとっての総合的目標は、世界を一つの価値観(one world order)に保つべきこととされます。つまり、すべての国が同意する単一の法則(コア・ルール)に従った世界秩序です。なぜなら、EUは自分たちの利益を追求するために安定した政治的および金融経済的枠組みを必要とするからです。多国間主義は EU にとって当然のことですが、既存の国際機関と、臨時的な新たな連合機関の両方で、特定の問題の具体的な解決策のために民主主義国と非民主主義国の中で積極的な役割を果たさなければなりません。すべての国家を一つのルールに従わせるには各国の妥協が必要ですが、大国が既存のルールに拘って全体のシステムを弱体化させるよりははるかに望ましいことです。もちろん、他の権力システムと妥協する場合には、全ての国が新旧両方のシステムのルールを順守する場合にのみ意味があります。これは、中国に関して注目すべき課題となります。

 EU が提供できるものがあることを世界に示すには、中国の一帯一路構想に対する EU の答えである「グローバル・ゲートウェイ」が極めて重要です。それが EU の世界に対する提案です。インフラストラクチャ (デジタル、気候とエネルギー、輸送、健康、教育と研究) への相当な投資です。重要なことは、EU がグローバル ゲートウェイを開発プロジェクトと間違えてはならないということです。これは、戦略的関心のある国での EU のプレゼンスをしっかりと固定し、他の大国がそこで排他的な影響力を獲得しないようにすることを目的とした戦略的プロジェクトなのです。開発政策の役割は、むしろ援助です。つまりグローバル・ゲートウェイを実施するキャパシチィを構築する必要がある国々を支援することです。

 米国は「ワン・ワールド・プロジェクト」にいかに加われるだろうか?独自のBuild Back Better Framework (2020〜21年にバイデン政権によって提案さ れた法的枠組みで、1930 年代の大恐慌時代のニューディール以来の環境プログラム。)は、国際投資ではなく国内投資が焦点です。誰がホワイトハウスの主となるにしても、多極主義に対するよりも、中国との競争が米国の最優先の戦略的優先事項であり続けるだろう。もちろん、米国の対応は中国自身がとる将来の方向性で変化するだろう。ただし米国の地理的経済的戦略は、「One World」が提供する安定性があってのものだ。しかし、(トランプが主張する様な)耳障りなナショナリズムと権威主義の高まりは、より対立的な政策を生み出す可能性もあります。

 戦争を予測、あるいは開始することは容易いことです。平和を築くことの方がはるかに困難な事です。自己の防衛力と耐久力は強化しなければなりませんが、平和を構築する事が EU の役割です。少しでも成功する可能性がある限り、平和への努力は続けなければなりません。

 

***

Sven Biscop 教授 (エグモント研究所およびゲント大学) は、Grand Strategy in 10 Words – A Guide to Great Power Politics in the 21st Centuryの著者です。

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ウクライナ戦争、米ロの戦略

2022-11-11 23:53:23 | 社会

2022年11月の米国中間選挙は下院が共和党過半数越え、上院は半々の現状維持が11日の時点では見込まれています。選挙結果によっては、無尽蔵にウクライナに兵器とカネを支援する(バイデン政権は600億ドル8兆円?)と明言していたのですが、選挙結果によっては変わる可能性があり、結果が出る前に送ってしまおうと焦っています。また10月末にはルーマニアのウクライナ国境近くに米軍の101空挺部隊が展開して臨戦態勢に入ったと言いう報道もありました。

日本のメディアや専門家と称する人達は、ウクライナ軍がロシア軍が一度占領した地域を一部奪還した事で「西側・ウクライナ軍の反転攻勢でロシアが敗北しつつある」と決めつけた解説を繰り返していますが、諸外国でも冷静に戦略分析をしている人達のサイトを見ると「ウ軍優勢」という分析は浅いと感じます。今回はある程度明確な事実と噂を踏まえて、ウクライナ戦争の現状と将来予想をまとめてみます。

ウクライナ国境近くのルーマニアに展開する米101空挺部隊

 

I.  明確な戦略を誰一人語らない西側とウクライナ

 

戦争は外交の一部である以上、戦闘を行う上での明確な目標、目標を達成する戦略が語られなければなりません。今まで当事者であるゼレンスキー大統領は「侵略したロシア軍を領土から追い出す」「クリミアからも追い出す」という目標を述べて、その戦略として「西側は無尽蔵に兵器とカネをよこせ」「NATOは実戦に参加しろ」と言っています。バイデン大統領は「ロシア政権の崩壊」を目標として戦略として「NATO諸国の無尽蔵の兵器・カネ支援」は明言していますが、「実戦参加」は述べていません。

この様な小学生レベルの目標と漠然とした戦略で戦争に勝てるほど戦争は甘くはない、と軍略について少しでも理解のある人は悟るはずです。デタラメもいい所です。グローバリズム側の利点は「金が潤沢」という事ですが、所詮「金銭欲につながる煩悩」が唯一の動機であるのが最大の弱点であり、「儲からない」と結論されると「手じまいも早い」「平気で敵に寝返る」という特徴があります。「生き馬の目を抜く即断即決」が信条であり、臥薪嘗胆はしません。戦略家のキッシンジャー氏が「今の西側には戦略がない」と苦言を呈していましたが、刹那のみで出口を踏まえた段階的戦略がないのが、ウクライナ戦争における西側ウクライナ軍の戦い方であると思います。

NATOに展開する小型核のある米軍基地             戦闘機に搭載可能なB61-12(オレンジの弾頭)小型核爆弾

ロシアが戦術核を使った(或いは劣化ウラン弾のようなdirty bomb)と見せかけて、西側も戦術核を使う可能性もあります。既にドイツ、イタリア、ベルギー、トルコなどの米軍基地にはF15戦闘機に搭載可能なB61-12(mini-nuke50キロトン以下の戦術核/広島は15キロトン、長崎は20キロトン)を既に配備されていますが、必要になれば1時間で欧州のどこにでも戦術核を投下する事は可能です。しかしこの後どうするかは考えてない様です。

 

II.  ロシアの今後の戦略

 

ロシアの今回の特殊軍事作戦の目標は、ウクライナの中立化、脱ナチ化、ドンバスの独立支持の3点でしたが、ゼレンスキーがクリミア奪還を目標にしたので、現在はオデッサ攻略と沿ドニエストルとの連結まで考えている可能性はあります。戦略として土地が凍結して機甲部隊の移動が可能となる冬までに招集した予備役30万人の再訓練を終えて戦力化する(既に即戦力となる87,000名は前線に出ている)。ウクライナの電力インフラを停止させて兵站のロジを断つ(これは既に施行済み)。平地でHIMARSや榴弾の目標になりそうな部隊は住民ともども一度退却させて、冬の反転攻勢の際、徹底した無差別攻撃を可能にする(現在ヘルソン地区で施行中)。

この撤退した地域に勝利を報道したいゼレンスキー側はウ軍を進駐させて「大勝利」と宣伝しています。しかし反転攻勢ではいままでと異なり住民を楯に使えないからロシア軍の精密砲火に集中的にやられることが見えているだけにウ軍としてはいつでも撤退できる状況にしておきたいでしょう。前線のウ軍の視線から報道しない状況を見ていると、「本気でウクライナを勝たせる気はない」「所詮ウクライナ人は鉄砲玉」としか考えていない西側の報道姿勢が良く見えます。私にはウ側の前線の兵士達が本当に気の毒に思います。

 

III.  展開のゆくえ

Judging freedomなどの分析によると、NATO各国で訓練を受けたウクライナ軍も犠牲が多く、実質的な指揮はNATOの指揮官が執っている部隊が多い。その部隊も現在兵站が滞っているため、前線を退きつつある。ポーランド正規軍1万人がウクライナ外国人部隊として既に前線に入っている。101空挺部隊4,700名はルーマニア軍と共同で港湾都市オデッサに展開する計画がある。来るべきオデッサの攻防がウクライナ戦争の雌雄を決する戦いになる。

NATOが正規軍としてロシア軍と戦闘する事になるかについては、グローバリスト以外米軍、ドイツ、ロシアも望んでいない。シリアでは政府軍を支援するロシア軍と反政府軍を支援する米軍が戦闘に入りそうな場合は、双方がhot lineを持っていて電話で実戦になる事を防いでいた(スコット・リッター氏)から、ウクライナでも本音では同様の対応を取りたいだろうがどうなるかは不明である。

NATO連合軍は実戦を経験したことがない。第二次大戦でもルーマニアやスロバキア、ハンガリーなどの枢軸国連合軍は弱く、やる気もなくほぼ役立たずであった。現在もロシアと本気で戦争をしたい国などないのは同じ。ウクライナに出張ってロシア軍と戦闘すればまず負けるだろう。

 

IV.  何とかNATO参戦を!

2022年11月15日 ウクライナ全域にロシア軍がミサイル攻撃をしかけているが、そのうち2発がポーランド領に落下して民間人2名が死亡(上図一番左)と騒然としています。

ロシア軍はポーランドを攻撃していないと声明を出していますが、NATO加盟国であるポーランドが攻撃された事を理由に「さあ戦争だ!」と喜ぶ人達が続出しています。バイデン政権側が参戦を急ぐ理由がいくつか挙げられています。

1)仮想通貨取引会社のFTX破綻でウクライナ支援金が民主党の選挙資金に使われた疑惑が出た。

2022年3月にウクライナ国立銀行はFTXに口座を開いて関連付けを行ったとされ、FTXからウクライナに6000万ドルが寄付された。一方FTXは今回の選挙で民主党に3800万ドル寄付している。FTXは100億ドル(1兆5千億円)をヘッジファンドのアラメダリサーチにつぎ込んで運用したが、それを嫌った使用者が60億ドルを現金化しようとして、資金が枯渇、FTXは破産宣告がされました。

2)米国経済の落ち込み懸念で、War economyが期待されている。

上図は第二次大戦以来、戦争によって米国人が亡くなる率が年々減少しており、戦争は米国にとって安全で割に会う経済政策である。という説明に使われる図です。

カネが全ての米国資本主義、特に米一強となって「テロとの戦争」を無理やり作り出した21世紀以降は上記の理屈がまかり通っているのが常識です。(日本では報道されませんが)だから何としても戦争を起こして儲かりたい、が超資産家集団(ディープステート)の本音なのです。

 

結論:しかし核戦争にならない限り、ロシア軍の勝利でウクライナ戦争は終結する。(は変わらない)

 

V.  同床異夢の休戦協定模索 2022年11月19日追記

 

1)ポーランドに着弾したミサイルは当初ロシアが撃ったと喧伝されましたが、射程75kmのS-300防空システム用であり、現在のロシア占領地からは射程距離外なので流石に「ロシアが撃った」は否定されました。今はウクライナ軍の誤射による事故か、NATOを戦争に巻き込むための偽旗による意図的なものかが問題となっていて、東から来るミサイルを打ち落とすには、東に向かって撃つ以外ないのに西側のポーランドに落ちることは事故でもありえないという意見が強いです。

NATOが参戦しても勝てないし、「関わりたくないもん!」が本音の欧州

 

2)米国統合参謀本部議長のマーク・ミリー氏は「ウクライナは(ロ軍が撤退したヘルソンにも進駐して)やることはやった」「休戦協定を結ぶなら今である」と国務省側の政府(DS支配)に先んじて見解を表明しています。米軍主流の情勢分析では、HIMARSなど高精度武器も枯渇し始め、一般の弾薬も韓国から緊急調達が必要(榴弾10万発はロシア軍が使用する数日分に過ぎませんが)とされるも断られる状況から、物的軍事支援(ウクライナへの武器支援の80%が米国)が限界であるのが現実です。

国務省側と外交交渉を勧める国防省側で意見が分かれると報道するCNNの記事(2022年11月11日)

ペンタゴンが韓国に弾薬送れと要求したというCNNの記事(2022年11月11日)

 

3)ヘルソンからロシア軍が一時撤退したのは、ロシア守備隊3000名に対してウクライナ軍1.2万人(3個大隊対10個大隊)が攻撃を始めたからで、まず10万人以上の市民をドニエプル川対岸に避難させてから守備隊が撤退し、橋梁を破壊した所にウクライナ軍とウクライナ側に避難していた住民が帰ったというだけの事です。冬にロシア軍の予備役20万人が訓練が終了して地面の凍結と共にヘルソンに投入されると、20万対1.2万ではウクライナ軍が蹴散らされて終わることは目に見えています。だから少しでも占領地が多い今がチャンスと西側全てが理解しているのです。

 

4)ポーランドから正規軍1万人、ルーマニアからも数千人が既にウクライナ軍の制服を着て外人部隊として戦争に参加しているようです。ウクライナ軍である以上、アゾフに属する上官の突撃命令に従う必要に迫られるのですが、勇ましいだけで指揮官として役に立たないアゾフの指揮に従うのをまっとうなポーランド軍は拒否、ウクライナ軍内で軋轢が強まっているという情報もあります。今回のミサイル攻撃、春のブチャの虐殺、住民への虐待、全てウクライナ政府主導の計画的行動というよりも「ネオナチアゾフの跳ね返りが勝手にやった行動」を政府が尻ぬぐいさせられているのが実態の様に思います。米CIAがバックについていたから大きな顔で好き放題していたアゾフですが、そろそろ梯子を外されて「鉄砲玉」としての存在を消される時期に来ていると思われます。

 

5)2022年7月にアルメニアで米ロが秘密交渉をした際に、「今回の紛争で核は使わないと決めた」という情報があります。核使用も辞さないとした英国リズ・トラスは首相の座を追われ、強硬派のEU委員長フォン・デア・ライエンは汚職疑惑を取りざたされて最近表に出なくなりました。今回の休戦調停には4月に調停を反故にされたトルコのエルドアン大統領が再びやる気になっているようです。プーチンはウクライナの中立化、非ナチ化、ドンバスの独立と現在の占領地のロシア割譲で手を打つでしょう。ポーランド、ルーマニアはヒトを出したからにはそれなりの分け前(領土)を要求し、大金をつぎ込んだ米国は実質残りのウクライナをほぼ永久的に金を搾り取れる仕組みを作って調停に合意し、トルコも欧州でのそれなりの地位を確立することになります。血を流したウクライナの市民が一番悲惨な目に遭う事はいつの世も変わりません。無責任にウクライナ軍を応援した日本人に猛省を促します。戦争はいつも市民が犠牲になる事をいい加減理解するべきです。

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