2025年2月27日に厚労省は2024年12月までの人口動態集計の速報を発表しました。一部はニュースでも取り上げられましたが、前回ブログで2024年10月までの途中経過で予想した通り2024年は今までを上回る160万人超えの死亡者数に達しました。それはコロナ前の死亡者数に対する超過死亡を比較した結果としては、欧米各国よりも圧倒的に多い状態が維持されている結果になります。
年齢別の死亡者数や、死因別の統計は6月以降にならないと出てこないのですが、前回2023年までの統計をまとめて紙の爆弾2025年3月号に発表した内容を含めて、新型コロナワクチンとの関連や社会で明確化されていない問題点などをまとめたいと思います。
I. 明確化した日本のみの超過死亡増加
図は2015年から19年の各国死亡者数の平均を100とした場合のコロナ以降各年の超過死亡推移を%で示したものです。バックに各年に流行したコロナ株の推移、△は新型コロナワクチン接種を示します。米英独仏は3回目ワクチンまでは積極的に施行しましたが、以降は日本のみが定期接種として主に高齢者に施行しています。南アフリカはワクチン接種率が35%と他国よりも低いため、比較として載せました。南アフリカは武漢起源株が流行した21年は超過死亡が飛びぬけて多かったのですが、以降沈静化しており、4回目以降ワクチン接種を積極的に行わなかった欧米各国は23年以降超過死亡が沈静化している事が解ります。
II. 死亡が増加しているのは75歳以上の高齢者だけ
統計が出ている23年までの日本の年齢別死亡者数の推移を比較すると、22年以降大きく死亡者数が増加したのは、75歳以上の高齢者の死亡が増加したためであると解ります。2019年は138万1,093名で20年よりも多かったのですが、新しい統計結果の24年は23年よりも多く161万1,864名でした。23年の時点で74歳以下の死亡者数は既に減少傾向にあり、24年も75歳以上の高齢者が増加したことが推察されます。
III. 増加した死因は体力・免疫力低下に関連するものが多い?
75歳以上の死因別実死亡者数の21年と23年の比較を示すと、赤丸で囲んだ体力、免疫力低下が関連すると思われる死因の増加が目立ちます。その他の死因による6.6万人の増加には、肺炎とは別に統計が取られている「コロナ陽性死亡」が含まれていて、これはコロナ検査陽性でコロナ病棟に入院した状態で他の合併症で亡くなった高齢者3.2万人の増加が含まれると考えられます。高齢者の事故による死亡増加は入浴中の死亡増加が多いと考えられます。これも大きくは体力低下に関連するでしょう。
IV. 科学的証明には相関関係と因果関係の証明が必要
ある事象が科学的真実であると証明するには、相関関係と因果関係が共に証明されねばなりません。ある薬剤が特定の疾患に効果がある事を証明するには、その薬剤が疾患の原因である病態を改善することが科学的に基礎実験や動物実験で証明されて、実際に患者に使って患者の病気が治る率が高いと証明されれば因果関係、相関関係が証明されて「その薬が病気に効く」という事象が科学的真実と証明されるのです。ワクチン投与と超過死亡には相関関係がある事は証明されました。ワクチンとコロナ感染が免疫力を弱めるという因果関係も証明されつつあります。後は超過死亡で亡くなった人達がワクチンなどと関連した免疫力低下を示していたという繋がりが証明されれば、ワクチン接種が超過死亡の原因と証明されます。
一方で厚労省が主張する「ワクチン接種で重症化が防げる」という事象は、コロナ重症で入院している人のワクチン接種、未接種の比率が、未接種の方が多かったという相関関係のみ示されていますが、ワクチン接種が重症化の原因となるサイトカインストームを抑制するという因果関係を示した科学的論文が皆無であるという事実を厚労省もメディアも公表しません。つまり科学的証明ナシで厚労省はワクチン接種を勧めているのです。
V. ワクチンによる因果関係の証明は進みつつある
表は紙の爆弾3月号で発表した物ですが、発熱を呈する感染性疾患で救急外来を受診した1万8千名のうち、コロナ検査陽性であった2,854名と陰性であったインフルエンザや市中肺炎の患者1万5千名のコロナ陽性率、入院率をそれぞれワクチン接種の有無で示したものです。最新のワクチンであるXBBを接種した群は、コロナ陽性率、コロナによる入院率は確かに古い型のワクチン接種をした群、或いは未接種群よりも低い事が解ります。しかし、コロナ以外で入院に至る率は、ワクチン未接種群が最も低く、ワクチンを接種した群は古い型も含めて未接種群よりも多い。つまり相関関係としては総合的な免疫力は低下している事が推察されます。
また感染症やがんに対する免疫力を低下させるIgG4がワクチン接種を続けることで増加することが証明され、免疫学会会長も務める岩崎氏の最新の論文では、ワクチン投与後症候群の患者は免疫を弱めるCD8T細胞が増加していて、ヘルペスウイルスが活性化されるといった結果が出ています。
VI. 遺伝子ワクチンは「ワクチン系遺伝子治療薬」としての安全規制を
厚労省のデータでは、2024年12月までの4年足らずの間に新型コロナワクチンによる被害認定は、これまでのすべてのワクチン48年分の倍以上であり、死亡者数の認定は6倍に達しています。それでもワクチンによる死亡という明確な因果関係を厚労省は認めず、薬害として認定していません。それは、遺伝子ワクチンが実際のメカニズムは遺伝子治療剤でありながら、旧来のワクチンの定義に沿った副反応しか因果関係を認めていないからです。コロナワクチンによる副反応は投与された遺伝子によって正常細胞が作り出したスパイク蛋白(正しいスパイク蛋白とそうでない蛋白も含む)によって引き起こされる血栓症、神経障害や免疫異常によるものであるため、従来のワクチンであれば証明できるワクチンそのものとの直接的因果関係の証明が困難なのです。
今後も遺伝子ワクチンを使い続けるのであれば、緊急承認である遺伝子ワクチンは「ワクチン系遺伝子治療薬」として「遺伝子治療用製品等の品質及び安全性の確保について」という令和元年の厚労省規制に基づいて厳格に製品や副作用について調査されねばいけないという事です。